Appendix 2. 参考文献

邦書

[1] リチャード・ガイ, 『数論における未解決問題集』, Springer-Verlag Tokyo (1983)
    (原題:Richard K. Guy, Unsolved Problems in Number Theory)

⇒ [5] の邦訳(ただし、First Edition)。
   Third Edition の訳が待たれるところである。

[2] I.ヴァルディ, Mathematica計算の愉しみ』, (株)トッパン(1991)
    (原題:Ilan Vardi, Computational Recreations in Mathematica, Addison-Wesley (1991))

⇒ こういう感じの本の UBASIC 版を出したい、というのが、本ページを立ち上げた理由でもある。

[3] 和田 秀男,『数の世界−整数論への道』, 岩波書店(1981)

⇒ 整数論の教科書として、まずこれがおすすめ。

[4] サージ・ラング,『数学の美しさを体験しよう』, 森北出版(株)(1989)
    (原題:Serge Lang,The Beauty of Doing Mathematics, 1984)

⇒ 素数分布、楕円曲線、3次元多様体の分類(ポワンカレ予想)についての公開講義。
説明してもなかなか解ってもらえないもどかしさが、ひしひしと伝わってくる(笑)。
3番目の内容は、Thurston が1982年にフィールズ賞を受賞した時の研究内容の解説である。
このように、まだ話題がホットな内に解説してもらえる、というのは、ひじょうにうらやましい。

数学者が研究している数学と、一般の人が数学に対して抱いているイメージが、
どこまで一致していて、どこが異なっているか、そして、その差異が、どのぐらい致命的なものか、
数学に興味のある人は、一度読んでみるべきである。

洋書

[5] Richard K. Guy, Unsolved Problems in Number Theory Third Edition, Springer-Verlag (2005)

⇒ [1] の Third Edition。
Firstから3冊を見比べると、この20年でどのような進歩があったのか、
逆に云うと、この10年の理論と計算機の進歩にもかかわらず、
何の成果も得られていないという難問がいかに多いかよくわかる。

[6] John Brillhart, D.H.Lehmer, J.L.Selfridge, Bryant Tuckerman, and S.S.Wagstaff, Jr.,
Factorization of bn±1 b=2, 3, 5, 6, 7, 10, 11, 12 up to high powers (Third Edition)
American Mathematical Society Vol. 22 (2001)

⇒ 1925に Allan J.C.Cunningham と H.J.Woodall によって始められた題記の作業
(The Cunningham Project) についての成果(現在も進行中)を集めた本。
今では全文が Wagstaff の Web に公開されている。
冒頭に50ページほど、これまでの発見・理論・機械等の進歩の歴史について触れており、
特に、コンピュータ登場以前のいろいろな試みの紹介の部分がすごい。

[7] Albert H. Beiler, Recreations in the Theory of Numbers (Second Edition) The Queen of Mathematics Entertains, Dover (1966)

⇒ 教科書としても、副読本としても読める。

[8] Fred Gruenberger, Computer Recreations, Scientific American April (1984)

⇒ 加法回文性、Collatz予想等について触れている。日本語版『サイエンス』では1984年6月号あたりか。

論文

[9] J.W.Sander(Hannover), On 4/n=1/x+1/y+1/z and Rosser's sieve, Acta Arithmetica, 59(1991)183-204

⇒ コピーはとってあるが、実はよく読んでない。
ざっと眺めたところ、少なくとも「解を含む恒等式を求める」という方向ではないようだが、
これも結局は mod P の議論と同じだから、ひょっとしたら、重複する部分があるのかも知れない。

[10] Andrew Bremner, Richard K. Guy, and Richard J. Nowakowski, Which integers are representable as the product of the sum of three integers with the sum of thier reciprocals ?, Mathematics of Computation, 61(July 1993)117-130

⇒ (x+y+z)(1/x+1/y+1/z)=n についての論文。
コピーはとってあるが、これまた実はよく読んでない。
式変形をすると楕円曲線になるので、そこを突いていくのは王道と云える。
プログラムをC++で書いているということは、あまり速い計算機ではないと考えられるので、
PC+UBASICで付け入る隙があるかも知れない。

[11] D.R.Heath-Brown, W.M.Lioen, and H.J.J.Te Riele, On Solving the Diophantine Equation x3+y3+z3=k on a Vector Computer, Mathematics of Computation, 61(July 1993)235-244

⇒ 当時未解決だった k=39 のときの解

1173673+1344763-1593803=39

は、この論文において始めて得られた。

[12] Harvey Dubner, Generalized Repunit Primes, Mathematics of Computation, 61(Oct. 1993)927-930

⇒ Repunits の一般化

M = (bn-1)/(b-1)

について、bが100以下の場合について、Mが素数となるnの探査を行っている。
「250桁以下の数の PRP(擬素数)テストは UBASIC で行った」
というのが少し意外であった。

[13] J.B.Tunnell, A Classical Diophantine Problem and Modular Forms of Weight 3/2, Inventiones mathematicae, 72(1983)323-334

⇒ 合同数について扱っている。もう少し調べないと手に負えない。

Web

[14] 木田祐司ホームページ http://www.rkmath.rikkyo.ac.jp/~kida/ubasic.htm

⇒ 多倍長計算用BASIC『UBASIC』の作者、木田祐司教授のホームページである。
とりあえず、最新の UBASIC はここで手に入る。
この人の講義が受けられる立教の学生が、私はうらやましい。


Appendix 1. 素因数分解結果 数学者の密室
目次
 

E-mail : kc2h-msm@asahi-net.or.jp
三島 久典