峠山について


  兵庫県篠山市 (旧 篠山町・西紀町) 630.6m
 多紀アルプス縦走路の東の起点が、篠見四十八滝である。
峠山は、そこから登って東に向かい最初に通過する三角点。2.5万図「村雲」には
三角点の記号のみで、山名はしるされていない。
 キャンプ場の橋を渡ってトイレの左に縦走路起点の道標がある。滝を巡る道から
岩場を経て登っていくこともできる。
 山頂での展望はないが、縦走路はしっとりとした良い道が続く。

 

 

   キャンプ場への道脇から望む。
   左最奥が峠山。

             1997.10.5.

 
 
 
 


秋雨上がりの峠山 山行記

■2.5万図:村雲
■日にち:1997年10月5日(日)
■天気:雨後晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:

  自宅発(12:10)〜篠見四十八滝キャンプ場着(13:05)[約290m]

  キャンプ場発(13:15)〜滝周回コースと縦走路の分岐(13:45)〜縦走路〜
  岩のピーク(13:55)〜峠山山頂(14:05)〜鞍部の峠[約455m](14:40)〜
  上篠見・最奥の民家(15:25)〜篠見観音像(15:40)〜野原で休憩(15:45-16:00)〜
  キャンプ場着(16:05)

【秋雨】 朝起きると、昨日に引き続いての雨。久しぶりにファミリー・ハイクを
と思っていたが無理のようだ。オマケに香里が虫に刺されたのか、足を腫らして
起きてきた。これで、断念。予報どおり昼になると晴れ間が広がってきた。
息子どもは、行きたくないと言うことで、昼飯を食うと早々に単独で出発。

【キャンプ場】 10月に入っても、北摂の山々の紅葉はまだである。篠山盆地に
入ると小雨模様。思ったより早く篠見四十八滝キャンプ場に着いた。10台程停車。
3グループほど昼食中。雨に合いそうなので、カッパとザックカバーを上の方に
詰め直して出発。
 橋を渡って砂利の林道を登っていくと、行き止まり。ありゃ? 間違ったかな?
右手のトラバースするような仕事道をたどって行くと、整備された2m幅の広い周回
コースに出た。桜やモミジなどを植えた、半人工の林の中を登る。東の635mピーク
南稜の岩肌に、ひょいひょいと付いた松の木々が山深い趣を呈する。

【急登】 汗をかきかき、登る。白いプレート道標が木に掛かっている。途中で
一休み。自分の足音が途絶えると、虫の声と鳥のさえずりが、静けさを助長する。
 おゃっ、変な花発見。後で調べるとツルニンジンの様だ。パチリ。この他に花は、
シロヨメナが多い。涼しげに咲く。
 つづら折りの道をゆっくりと登る。また、汗が噴き出す。林の木々はだんだん
自然な雰囲気を増してきた。

【縦走路の分岐】 尾根道に辿り着くと、南に深山から弥十郎の山並みが広がる。
後から振り返ってみると、この地点が本日最高の展望であった。
 東の周回コースは土のむき出しだが、西の縦走路は踏みこなれた山道が伸びている。
丹波らしい地味で味のある道が、自然林の中をゆっくりと上っている。10分ほどで
大きな岩を左から巻く。ニセピークだ。岩に登ってみると北東に616mピーク北斜面が
覗く。岩を降りる時に滑ったが大事に至らず。道は少し下りになって、緑の三角錐が
木の間から前方に迫る。あぁ、あれが峠山か。
 静かすぎる山道を、蜘蛛の巣をかき分け、ササを除けて歩く。葉を鳴らして風が
通る。

【山頂】 期待した展望はゼロ。北側はヒノキの植林地である。
小さな木製のプレートに「峠山」と記され、その下に三等三角点がある。
山頂でゆっくりコーヒーでもと思っていたが、そんなスペースもない。
縦走路の通過点である。やむなく、この先の展望を期待して先に進む。 
 
 
 峠山山頂西側の階段道
 
 ほんのりと紅葉が混じる。
 
       1997.10.5. 
 
【階段道】 少しヤブになりかけのような階段道がずっと続く。こんなに降りては 多紀連山縦走は半端じゃないなと思う。地図で見ると約180mの高度差だが、誰も いない静かすぎる山道は、たとえ階段があろうと、心細くてとても長く感じる。  途中、右側の植林が途切れた所があり、ちょっと踏み入って見れば、小金ヶ岳 方面の前衛ピークが大きく立ち塞がっている。大きくつづら折れに下る。振り返ると 青空に色づきかけた葉が覆い被さり、いい感じだ。パチリ。  小さなヘビさんや赤土色のカジカガエル(?)に、びくつきながらも下りていく。 【峠】 やがて前方に苔色の古いベンチが現れ、鞍部となる。真っ直ぐ行くと登り 返して小金ヶ岳へ向かう。今日はここで左手の道を上篠見へ下る。右手は植林の中を ヤブヤブした感じの薄い踏み跡程度の道がついている。 【ツリフネソウ満開の植林の道】 広々とした山道を下ると、やがて黄色い網が 張ってある杉植林に入る。15時前でも、うっすらと暗い。「峠谷」という朽ちた 立て札がある。あぁ、納得できる地名だ。軽トラが入れるくらいの道が続く。  「石原谷」、「長迫谷」、「盗人谷」と看板が立つ。なんだ植林の区画のことか。 右手に沢音を聞きながら歩く。濃いピンクのツリフネソウが満開で、心細さを 和らげてくれる。  草に覆われかけた「東ヨウザコ谷」の看板では、ウシガエルが我が物顔に道の 真ん中の水たまりでふんぞり返っていた。ヤブの向こうに鮮やかなピンク。 双眼鏡で見ると小振りのダリアの様であるが、名前は不明。  足元には小さいピンク、ゲンノショウコである。
 
 
 上篠見の里
 
       1997.10.5. 
 
【ススキたなびく里の道】 日が差すようになってきた。ススキの穂が輝く。左に カーブしてから広がった風景は、色づいた柿の木と藁葺き屋根。おぉ、歩いた甲斐が あった。山はまだ色づきが少ないが、里は稲も刈られた田が多く、かすれかけた ヒガンバナが残って、秋さながらである。休耕田に一面、ピンクのタデが咲く。 ぶらぶらと、ひとり秋の里を歩くのもなかなか良いものである。 【舗装道】 上篠見にある造り酒屋が建てたという、篠見観音像はキャンプ場への 分岐点。少し歩いて、八ヶ尾山麓へ伸びるであろう所の野原で休憩。西日が差しかけ た峠山をパチリ。腹が減ったのでクッキーを食べる。この野原、ススキを前景に峠山 の構図がなかなか良いのだが、今日は日射しが足りない。5分でキャンプ場に着く。  展望はイマイチだったが、秋の気配を感じる静かすぎる良い歩きでした。(^^)

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1997.10.18. BY M.KANE