年忘れ・北摂ヤブから宰相ヶ岳 

 
Ca385mため池から
■目的地:宰相ヶ岳(500.5m) <山域:北摂・三田市>
■日にち:2008年12月28日(日)
■天気:曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  三田市リサイクルセンター 発(12:15)〜Ca395山(12:35)〜砂地(12:50)〜ため池(12:55)〜
  宰相ヶ岳山頂(13:10-13:15)〜Ca405山(13:25)〜ため池(13:45)〜三田市リサイクルセンター 着(14:05)

 一昨日からの寒波も緩んできて、今日こそはと意気込んで弥十郎ヶ岳を目指す。しかし北の空は鉛色。
西峠から後川は小雨が続く。仕方ないので三田へ南下。感応寺から三国ヶ岳も行きたいところだが、雨は
追いかけてくる。大船山も降られそうなので、六甲かなと思うがもう昼になっている。昨日、見上げた
羽束山の隣、さんしお山。別名、宰相ヶ岳。露岩が見える西側から登るのはどうだろう。地図はない。

 取り付きに決めた三田市リサイクルセンターは日曜日で休み。駐車して取り付きを確認、入れそう。
車に戻って腹ごしらえ。北からは追いかけるように雲が忍び寄ってくる気配。うーん、いまいちノリが悪い。
車内でおにぎりを頬張りながらうじうじ。考えても仕方がない、行ってみよう。

 グランドと清掃工場の間の水槽上に道が上り、落ち葉に埋もれたコンクリ階段を少し登ると右手の
雑木に踏み跡がある。ゴルフボールが散見される落ち葉の道。植林に上って右手(南)へトラバースしながら
歩きやすい踏み跡がないか探りを入れる。
 
ヤブを行く
 人間の背丈では通れない獣道のみ。低木が五月蠅いヤブ。背中に枯れ枝が入って気持ち悪い。
手でかき分けながら登るのは久しぶり。炭焼跡の残る谷を登る。こんなヤブでも、かつては山仕事に
入っていたのだ。15分程度だが長く感じる。振り返ると木々の向こうに有馬富士の影。
傾斜が緩やかになり前日眺めた地図の記憶で、西手前のピークに着いたかなと感じる。
Ca395山、コンクリ境界柱あり。尾根に乗ると少し歩きやすくなるが、ヤブは続く。
 
砂地からCa405山
 二つめの緩いピークは北側が砂の崩壊地。花山院方面の遠望やむっくりと北西尾根や目指す山頂が現れる。
ヤブに戻ってすぐ東には水面の様子。こんな所にため池があったのか。空はますます曇って、水面に雨粒の紋。
この展望と静かなため池だけでも良いかな、山頂はまた今度にしようか。いな、それではあまりに中途半端。
今年を締めくくることができない。と元気づけて雨になるかもしれないのを覚悟でもう少し行ってみる。

 この池は南側を堰き止めたようだが、かなり風化した様子で自然の池のように見える。引き続きヤブっぽい
土手の上を過ぎると右手の谷から明瞭な道が上ってきており、折り返して細い溝と共に南斜面を巻くように続く。
黄色テープと水色のヒモが賑々しく導く。南の小尾根手前で急斜面を上る。何とトラロープまでついている。
あまりにあっけないルートになってしまい、今までのヤブは何だったのかとおかしくなってしまう。
 
ガレた急登
 下から見上げると登りたくなる姿である、私だけでなく多くの先人たちが同じ思いを持ったのだろう。
何度か出てくるロープに助けられながら、石のゴロゴロした斜面から徐々に緩い上りに落ち着いてくる。
背後には三田の街が広がる。枯れ木でぼうぼうのピークが低くなって、前方に三角点が見えた。
 
羽束山
 三角点の手前に羽束山の展望地がある。クジラそのもの。以前より木が茂ったか北の展望は今ひとつ。
昼飯にしようかなと思ったが、下から見えている露岩が気になり北西に下りている道を辿ってみる。
期待に反して岩に出ることなく小さな鞍部に着いた。踏み跡はさらに北西へ続いてのっぺりしたCa405山に
続く。さらに下りているが、車の所から離れてしまうので先程の鞍部に戻る。鹿のような足音を聞く。

 野菜ジュースでのどを潤し緩い谷を下る。低木は五月蠅くないが踏み跡はない。やがて広々とした谷になる。
こんな山でこんな景色に出合うとは。陽射しも出てきた。今日はヤブあり、砂地あり、池あり、急登ありと福袋。
みんなまとめて出してみましたぁ、という感じ。短時間で目まぐるしく景色が変わり、小粒などとはあなどれない
濃厚な山です。
 
広い谷
 しばし林を楽しむと池の北側に出ます。細い沢が流れ込んでいます。南に回り込もうとすると、これまた
そこまでせんでも良いのにと、気いつかいのさんしょ山が水面に静かに映っています。いゃぁ、素晴らしい。
良い池です。
 
南望
 池から真西の谷を下ります。ヤブが激しくなったものの踏み跡は薄く残っています。だんだん明瞭になり
ますが、沢が深くなり岩の谷になってしまいました。桜の園を思い出します。左手に巻くようなルートを感じるので
そのようにして行くと道は谷を高巻くように続いています。まるで蛇谷のカツラの谷を下りているような錯覚。
ちょっと飛躍しました。やがて有馬富士の山影脇に清掃工場の煙突が大きく見えるようになってきました。
 
煙突と有馬富士
 工場の土手に出ましたが、下りるところが見あたらない。北に周りながら探すと鉄筋の階段がありました。
厚手の靴下が足首をふんわりと包んで変化に富んだ山歩きの足を癒してくれます。いやぁ、短時間なのに
ほんといい山でした。

 今回のコースは取り付き、ヤブ、谷など危険なところがあり、一般にはお勧めできません。 

      さんしお山について   

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2008.12.29. BY M.KANE