伐採多し猪名川・経堂の空          

冬枯れ  
山並みに浮かぶ雑木林 (伐採地から見る)
■目的地:経堂の空(427m)<山域:北摂・猪名川町>
■2.5万図:妙見山
■日にち:2000年2月20日(日)
■天気:曇り時々小雨
■同行者:単独
■コースタイム:
  猪名川町民田・八幡神社[約255m](13:05)〜大部峠(13:15)〜303m山(13:30)〜
  最初の伐採地 [約310m](13:45-13:50)〜第二の伐採地[約340m](14:00)〜
  約385m山(14:10)〜427mの西ピーク(14:25)〜経堂の空・427m(14:30)〜東の尾根〜
  R173「千軒」バス停(15:10)〜「民田口」バス停〜八幡神社 着(15:35)

【経堂の空】 猪名川町・日生ニュータウンの北に雑木林の丘が連なる。最初のピー
クは雨森山、その北が地図に名のない427m標高点「経堂の空(きょうどうのそら)」。
この名は妻恋地蔵さんの調査によるものです。人知れず残る雑木林の藪山のイメージ
だったのですが、幸か不幸か伐採のため展望はなかなかのものでした。
 天気のいい昨日は用事で身動きならず、夜中から降った雨が予報通り昼前に上がる。
薄日が射し込んで雲がひらけると、妙見山の頂はほんのり白くなっていた。

【山陽自然歩道】 阿古谷から民田に入る。静かに民家が点在する。鎮守の森に囲ま
れた民田の八幡神社近く、広い路側に駐車。支度をして民家脇にある山陽自然歩道の
道標に従う。T字路を日生中央へ向けて右折。歩きやすい遊歩道である。峠を過ぎる
と竹林の先にヘアピンカーブ。獣道のような踏み跡が上っているのでここから入る。
冬枯れ  
雑木のヤブから山頂方面 
【ヤブ】 踏み跡ははっきり判るが倒木がおびただしい。留山の意志表示かなぁと
いぶかしりつつ、ヤブに苦悶しつつ尾根を辿る。少し下ると杉林の鞍部。右に良い道
が下りている。自然歩道の方に繋がっているのだろうか。さらに低木ヤブや倒木を
避けつつ分けつつ行くと303m山。ヤブの中。何と基準点が埋まっていた。ここから
また鞍部。なんせ低山ながら目指す経堂の空までは五つのコブを乗り越えて行かなけ
ればならないのである。やはりこの山はヤブであったかと、長い先に気を病む。
この鞍部にも道が右に合流していた。
冬枯れ
 雨森山 
【伐採地】 この先はわりと歩きやすい。いい感じの落ち葉道が上っている。そう
思うのもつかの間、突如明るくなって、南が開けた伐採地に着く。雨森山が大きく
立ちはだかり、能勢口の谷から遥か向こうに大阪市街が霞む。南斜面一帯が丸裸だ。
さらに尾根伝いに行けば六甲を背に大峰山や鳥脇山、三田の羽束山に大船山と絶好の
眺めが続く。無惨な伐採に嬉し悲し。願わくば杉などの植林はせず次の雑木林を育ん
でもらいたいものだ。

【ムネガ窯】 しばらく歩きやすい尾根を登ると再び前方に伐採地が広がった。この
あたりの斜面と雨森山に挟まれた広い鞍部は、先の妻恋地蔵さんによると「ムネガ窯
(かま)」というそうで、確かに炭焼きには絶好の地形のようである。前方谷の上に
残る雑木林の樹影がその素晴らしき林の面影を伝える。
 尾根の上はかろうじて笹下ばえの道が残り、登るにつれて大きく伸びている。振り
向くと三草山や竜王山が並ぶ。そのほか低い鋭鋒がギザギザと影をなす。薮の覚悟が
こんなに好展望とは拍子抜けとともに儲けた気分。
冬枯れ
 三草山と竜王山(左) 
【落ち葉のピーク】 登ると次第にササの丈が高くなるが、よく見ると踏み跡あり。
のっぺりとした林に落ち葉が敷き詰められたピークに着く。ササが薄く囲む。立木の
根元にちょぼちょぼと雪が残る。なんとも良い山頂かなと地図を見ると、尾根の向き
からして一つ手前(西)のピークと判明。さらに落ち葉を踏んで緩く登り返す。
冬枯れ
 一つ手前(西)のピーク 
【小ササのピーク】 しばらく感じのいい林を歩くと前方が明るく開けて、妙見山や
高代寺山が見える。東斜面も伐採してある。鉛色の曇り空の下、五月山連山や大阪平
野が続く。さっきの林のピークがこの山に相応しい。展望が良すぎる。
 小ササの中をさらに東へ下る作業道が続いている。赤い茨がはびこる荒れた道だ。
最初は歌垣山や剣尾山を見にちょっと下ってみたが、ついつい下りていく。剣尾山は
ガスで隠れていた。
冬枯れ
 山頂西側の雑木林 
【林道と舗装道】 先程から下の国道173号の車がうるさい。つづら折れで南に向くと
車に遠くなりそうなので、北へ雑木林の中を下ろうと試みるが次第に薮となり先が
思いやられるので、不本意ながら作業道に沿って下りる。国道を間近に見下ろす頃、
急に北西に曲がって林道終点に着く。くねくねと林道を下りれば民家脇から国道へ
合流。いつもは車で過ごす道を歩きで愛車まで。民田の里に上がると静かで、八幡
神社に無事到着を感謝して帰路に就く。南の空に雲の切れ間から薄日が射した。
冬枯れ
 
民田の里から山頂方向 


  経堂の空について   

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2000.2.27. BY M.KANE