ススキたなびく笠形山 

 
瀬加から笠形山を望む
■目的地:笠形山(939.4m)
■2.5万図:粟賀町
  <山域:播磨・兵庫県神崎町・市川町・八千代町>
■日にち:1998年9月18日(金)
■天気:曇り
■同行者:単独
■コースタイム: 車にて自宅発(9:20)=(中国道)=
   福崎IC(11:00)=瀬加(11:20)=林道終点(11:45)

  林道終点登山口(11:55)〜笠形神社(12:05-12:15)〜
  笠の丸(12:50)〜笠形山山頂(13:15-13:25)〜
  笠の丸(13:40)〜林道終点登山口着(14:30)
【笠形山】 播州の名山。播州富士とも呼ばれる。山頂は展望良し。
麓には、瀬加に天然温泉やリクレーション施設「グリーンエコー笠形」がある。
 今夕は夢前町の塩田温泉泊のため、播州の山を目指す計画。しかし、台風6号の
出現で近畿も天気が下り坂。歩く時間や展望の期待値などを比較して、七種山とどち
らににしようか迷った。今日の方がまだ展望は良いかなと笠形山へ。スタートが遅か
ったので車で林道を詰めたお手軽偵察行です。...その割には長文になってしまいました。

【瀬加の里】 福崎ICから北上、岡部川沿いに瀬加の里へ入る。金色の稲穂がヒガン
バナで縁取られている。赤い花の塊が強烈である。寺下辺りに来ると道脇にコスモス
畑がひろがり、前方に大きな山が出てきた。確かに名山らしい風貌を感じる。パチリ。

【林道】 仙人滝コースという道標と案内板がある三叉路を右へとると大きな鳥居が
ある。さらに林道を行くと右が「笠形寺」の道標。お寺には駐車スペースなしのため
引き返して道の悪い林道をさらに登る。途中登山道と交差するので注意。コンクリー
トの急な道はやがて静まり返った終点に着く。5台ほどのスペースがある。先客なし。
「神社まで15分」という道標から、ごろごろ道が大きな植林の中へ上がっている。
 身支度をしていると、ぱらりと雨粒が落ちてきて出鼻をくじかれそうになる。

【笠形神社】 幅4mくらいの広い道が杉植林をつづら折れに登る。土手に小さなお地
蔵さん、三十二丁と刻まれている。「自然を大切に」などのプレートが設けてあり、
地元の方の思いが伝わってくる。
 大きなケヤキ?だなぁと見上げたりしていたら、青い葉のモミジの下に中宮の社が
ぽっかりと現れた。静かである。絵になる。この境内は、かなりの山の中にあるのに
とてもよく整備されている。まるで京のお寺の庭園のようである。ここにも地の人の
思いが集約されているようだ。
 境内を少し登っていくと左にご神木の大杉がどっしりとそびえ立つ。大きな木は
いつ見ても生命力を感じる。

【ススキの丘】 神社の左手奥に道が続き、しばらくは植林の中の鬱蒼とした登り。
枯れた小川を渡ると明るい世界。ススキの中を切り開いてベンチが2つ。
 ベンチからは南西に播州の山並みと足下まで広がるススキの原。こんなの期待して
いなかったのでとっても満足。ここからが今日のハイライトだった。草原の丘をトラ
バース気味に登ってぐんぐんと景色が広がる。短い植林地になって林の中に仙人滝への
分岐がある。林を過ぎて右に大きく曲がって登るとすばらしい稜線が開ける。
 鹿よけネットだろうか両脇にあるのが玉に瑕だが、ススキの尾根を高度を上げてい
くのは実に気分壮快。景色が解放されていき、風が心地良い。仙人滝への道も見下ろせる。
 風にそよぐススキの穂やピンクのハギの花もちらほら咲いている。

【階段】 すばらしい稜線は長く続かず、檜の植林が出てきて木の階段が延々と林の
中へ消えている。これが加古川の島田さんが嘆いていた階段かぁと思いながら、
ゆっくりと踏みしめて登っていく。やがて回りは良い雰囲気の自然林となる。下草が
払われていて歩きやすい。
「岡部川の水源」の道標を左に見てもう少しがんばると前方が明るくなる。笠の丸。

【ガス】 笠の丸は想像していたより狭かった。北の方からすでにガスが押し寄せて
きている。山頂に行っても展望は望めないだろう。もう引き返そうかなぁ。
 10cm程の低い笹の中に東屋とトイレ有り。展望図もあるが方角が変で参考にならない。

【森の道】 せっかくなので山頂へ行くだけ行ってみる。道標に導かれ、しっとりと
した自然林の中をいったん下りてまたゆっくりと登っていく。おおむね平坦な道。
この辺も下草が払われている。奥の藪でガサガサと音がして一瞬緊張する。鳥も多い。
 笠の丸から10分、山頂との中間点辺りの鞍部に左へ「神崎町」という道標。少し
登りがきつくなり、前方にガスが立ちこめている。えぐれた道の真ん中に一抱えの
岩が居座る。これをよじ登ると前方が白くなり、長く感じた山頂にそろそろ到着。
この間、めぼしい花はない。

【山頂】 やっぱりガスでした。視界は10mくらい。もちろん誰もいない。一等三角点
と山名板、東屋がふたつ、ベンチが二つ。50名程はなんとか座れそうな広さだ。
「天狗岩」、「天邪鬼の挽岩」との道標があるが今日は行かない。ガスが流れて山頂周
辺の木々しか見えない状態である。東屋の中に掛けてあったかわいい温度計は18℃を
示す。雨はなく体感温度は快適。ゼリーを飲んでさっさと下りる。
 剣尾山で見たきらきらコガネムシがここにもいた。帰りは足が速い。ガスで薄暗い
森の中を笠の丸へ急ぐ。 

【再びススキの丘】 笠の丸から鹿ヶ原へ行ってみようかと思ったが、ガスがかなり広が
ってきているのでパス。長い階段を林の中、ぴょんぴょんと下りていき、ススキの丘に出る。
うーん、やっぱりこの雰囲気はいい。山頂がガスだったのでなおさら引き立つ。
しばし階段に腰を下ろして眺めと秋の風を楽しむ。
 ススキを惜しみながら神社を経て林道終点に到着。今回は偵察行、また改めて
山頂での展望を楽しみたいなと静かな瀬加の里をあとにした。


  笠形山について   

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1998.9.26. BY M.KANE