北摂・小雪積もった三国ヶ嶽 (比僧山) 

 
巡視道の登り
■目的地:三国ヶ嶽(697.7m) <山域:北摂・三田市>
■日にち:2009年1月4日(日)
■天気:曇り一時晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  発電所前 発(12:00)〜Ca400巡視道分岐(12:25)〜尾根Ca620(13:05)〜竜神の池(13:25)〜
  山頂西鞍部Ca650(13:35)〜山頂(13:40)〜天狗岩(13:45-14:20)〜発電所前 着(15:30)

 暮れからの寒波がひと息ついてきたので、やっと山に行こうかと思う。
落ち葉を踏んで歩きたいなと、気になっていた三田・小柿からの三国ヶ嶽へ。後川から南下する県道を
通るたびに「感応寺跡・竜神の池 登山口」の立て札がある林道が気になっていた。また、山頂近くには
展望の良い岩もあるという。そんな期待を背負っての山となる。
 三田も羽束山は既に雪が解けているが、羽束川を北上するとぽつぽつ白く残る山が出てきた。
小さな水力発電所の近くに道のふくらみがあるので、ここに駐めさせて頂いて出発。
 
小柿からの三国ヶ嶽
 林道に入ってすぐのカーブに竜神の池を指す道標が北に指している。この時はすぐ近くにため池でも
あるのかなと思って帰りに寄ってみるかと先を急いだ。林道脇の朽ちた木にテープが巻いてあり、
巡視道の「火の用心」プレートもその方向に向いている。黒いテープを×印に巻き付けてあるので
果たして正しいものか疑念が湧くが、気になって林道を外して入ってみると地道の広い道がある。
巡視道があるから登れるだろうと、当初から想定していたのでそのまま登ってみた。
 
舐めた沢
 植林の登りが続く。雪が解けたばかりの湿った落ち葉道。広い道が細い山道に変わる所で
また「火の用心」がある。沢音が聞こえてくる。細い舐めた流れも見える。なかなか素朴な良い沢だ。
大きな石も転がっていたりして、いかにもお寺があったのかなと想像を逞しくさせてくれる。
その影をイタチのような小動物が駈けていった。
 
炭焼窯跡
 落ち葉に埋もれそうな小さな沢を二つ横切るとまた炭焼窯跡があって賑やかに「火の用心」プレートが
3つ出てきた。その一つNo.19は真っ直ぐ沢越しに北を指す。冬枯れの上に鉄塔が見える。
地図を見れぱ高圧線が曲がっている所があるのでそこがその鉄塔だろう。ということで、ほぼ現在位置を
把握できた。巡視道の黒いプラ階段がずっとついているのだが、落ち葉に覆われて目立たないのが嬉しい。
しかし、頭上からは晴天に晒された雪が解けてぽたぽたと落ちてきだした。
 
岩が出てくる
 植林を抜けて明るい落ち葉道を登る頃、南東に大船山の鋭い影が出てくる。
この道の主のひとりのような直径10cm程の幹が寄せ集まった椎の木を過ごす頃には、良い雰囲気の
雑木林になってきた。大きな岩も出てきて行場もあったのかなぁ、などつまらない空想にひたる。
明るい陽射しで気持ちの良い天気なのだが、今朝まで積もっていた樹上の雪がどさっと落ちたり
ぽたぽたと滴ってきたりで、歩く方は気が気ではない。カッパを羽織ればいいものをズボラしていくので
いつの間にか帽子は水浸し、汗をかいているので気がつかなかった。

 高度を上げていくと、立ち木越しではあるが、小柿の里が見えてくる。相変わらず落ち葉に覆われた
ブラ階段は滑りやすくて片手にカメラを持って登るのが難儀した。でも、沢あり岩あり林ありの良い道だ。
青空が低くなってきて尾根が近い。斜めに上り着くと雪で覆われている。昨日の人だろうか、
少し雪で薄められた足跡が続いている。今日は初めてのようだ。正月早々登る人がいるんですねぇ。

 尾根は一本道だし足跡もあるので何も考えることなく、林や谷や雪を眺めながら歩いていく。662mの
ピークを過ぎて下り着く鞍部は少し広くて良い感じ。少し左手に行ってみようかと様子を窺うと
小さな木札が立っていて竜王の池とある。へぇぇ、こんな所にあったんだ。今は落ち葉が積もって水はない。
 
竜王の池近くの谷
 さて、ここから真っ直ぐ北に登れば山頂だが、ぽたぽた落ちてくる水玉を避けながら、
でも避けることはできずに緩い左手の踏み跡をたどっていくと、さらに左に逸れて薄暗い植林の中となり、
鞍部にでた。この先は永沢寺側の取り付きに出るのだろう。行き過ぎたことは判っているので切り返して
反対の東方向へ登る。割れた三角点が針金で囲ってある。植林と立木で展望なし。
三国ヶ嶽の山名板の他に「比僧山頂上」という地元の方の杭があった。

 さて、展望はないしポタポタは続くので東に下って天狗岩へ移ろう。着いたらいきなり展望が得られると
安易に考えていたがそんなに甘くない。岩は少し茂った立木を分け入って進んだ所にある。あれっ?
これだけ? 期待してた展望が南と北に少しだけじゃん。。多紀アルプスが間近に見えるが雪雲を被って
荒れた様子だ。さらに東にコブのような所がある
 
小天狗岩から南望
 雪が被って踏み跡定かでなく、右から回り込む所を直登してしまった。細い木に掴まりながらの登り。
すると雪を被った岩が東に突き出ている。ほう、これが天狗岩か。恐る恐る岩の上に載ってみると、
眼下の羽束川の谷に冬枯れの雑木林が落ちている。うーん、来た甲斐があった。目の前に大野山。
向こうに深山、弥十郎となかなかいい。眼下の尾根も良い感じの雑木で延びているなぁ。飛んでいきたい気分。
 
天狗岩から谷
 展望を楽しむと岩の下に降りて林の中の踏み跡から最初の小天狗岩に戻る。多紀アルプスの雲は晴れていた。
寒いのでゆっくり昼食する気になれず、正月にため込んだ栄養で何とかなろうとゼリーのみ流し込んで帰路につく。
木の上からのポタポタ攻撃はなおも続いており、それを避けて変なルートを採って竜神の池のある鞍部に辿り着く。
うーん、この谷の雪、良い感じだなぁ。でも、日は14時半を過ぎて西に傾いている。さっさと尾根を引き返そう。

 この鞍部から谷を下りても辿り着くかもしれないが、時間が遅いので何かあったら暗くなってしまうと思い、
来た道を引き返す。それにあの巡視道登りの雰囲気、気に入ったしなぁ。
時間があれば、尾根を南に下って628山から差桐峠へというルートもあるが、それもまたのお楽しみにしよう。
 
下山途中から大船山
 巡視道へは尾根上に「火の用心」プレートがあるので通り過ぎることもない。何という至れり尽くせり。
下りの斜面はさらに雪が解けて、濡れた落ち葉で滑りやすい。時々木を掴みながら滑らないように下りていく。
眼下に見えていたNo.19鉄塔がすぐ横になり、植林に入って見えなくなる。ポタポタ攻撃には参ったが
全コース良い雰囲気の山道、なんで今まで来なかったんだろうと、お年玉をもらったようにひとりウキウキ
しながら県道に下り立ったのでした。
 
登山口


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2009.01.12. BY M.KANE