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ハイテク企業ミステリー


Bad Memory


Bad Memory

Duane Franklet著
Pocket Books Simon & Schuster
1997年
定価$6.99
ISBN0-671-00066-7

ヒューストンにあるコンピュータサービス会社社長が書いた本。
CompaqかDellを思わせるような、コンピュータの会社Simtecが、Hektorという名前のハッカーに襲われます。おかげで、全く客の注文と違うコンピュータが、続々と発送され、そうした客によって、サポートセンターでは苦情電話の大洪水が起こります。金を払え、という要求にすぐに答えないために、新たな攻撃が仕掛けられ、事態は緊迫してゆきます。
突然、ロシア語の単語がでてきたり。風邪のために休んでいるロシア人のプログラマーも、対抗策のためかり出されます。主人公のバリー・シェパード自ら、呼び出しの電話をかけると、英語が不得意なロシア人プログラマーの母親がBolenというのです。この単語、注釈なしでアメリカの読者はわかるのでしょうか。

いかにもありそうな話の展開で、主人公シェパードの対応も気になり、読みはじめたら止まりません。幹部会議の様子は、なにやらDown in the Valleyを彷彿させます。幹部会議についての著者のコメントは辛辣。ハッカー攻撃について難しい解説本を読むよりも、勉強になるかも?

(1998.4.12記)

Impromptu Guideにインタビュー記事が

Duane Franklet's Home Page

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Mortal Fear


Mortal Fear

Greg Iles著
Signet Book
1998年 (ハードカバーは1997年)
定価$6.99
ISBN0-451-18041-0

Burn Rateaol.comのなかで、会議室、チャットの多くはセックス関係、という記事を読んだ後、フィクションで、その様子でも読んでみようと考えました。...

Amazon.comの書評をよむと、する事がほかになければ、夏の時間潰しにはよいかもという声もありますが、大半はひたすら大絶賛。

パソコンを使い自宅で先物取引をしているコールは、友人に紹介されてEROSというセックス専門のパソコン通信ネットのシスオペもしています。
会費が非常に高価なネットなのに、女性会員の何人かが、使いもせずに会費を払い続けているのは奇妙だと感じているところに、著名な女性作家会員が殺されます。
この事件を知ったコールは、業務上の不具合も考えず、警察に自分が抱いていた疑惑を話します。ひょっとしたら、他の女性会員は大丈夫だろうかと。ここで話は、連続殺人と、その犯人との対決へと展開します。

chat、e-mail、Compuserve、AOLと、なじみの単語が続々と出てくるのですが、ストーリーの行方は想像がつかずスリル満点。

昼35度、夜27度という暑さの中、多くの書評通りのおもしろさに、本を閉じられなくなり、汗をながしながら読み続けました。

アメリカのペーパーバック版では、彼の前著2作品を、ネルソン・デミルがほめています。なるほど。

メラトニンの話がでてくるのを読んで、昔サンフランシスコで購入し、ホテルで飲んだ事を思い出しました。若返るよ、という知人の話だったのです。その夜の夢、確かに若返りました。25年前の?大学卒業直前のシーン。ただし、「成績が悪いから、卒業できない」と先生に叱られおろおろする悪夢というか正夢。以来、メラトニンは飲んだことがありません。(バイアグラは飲む気力なし)

ほぼ読み終えて、98/8/17朝刊宣伝をみてがっかり。
講談社文庫で翻訳がでていたのです。知っていれば英語で読まずに待ったのに。

神の狩人(上)(下)グレッグ・アイルズ 著 雨沢泰 訳: 本体 各800円
発行年月日:1998年8月15日
サイズ:148×105mm :(上)526ページ (下)518ページ
(上)ISBN4-06-263851-7 (下) ISBN4-06-263852-5

詳細は講談社BOOKCLUBでご確認ください。
同じ著者による『ブラッククロス』も同じ文庫ででています。

(1998.8.17記)

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Ultimate Rush


Ultimate Rush

Joe Quark著
Weisbach Morrow
1998年
定価$23.00
ISBN0-688-15270-8

この本の主人公Chet Griffineは、サンフランシスコで、ローラーブレードを履いて命がけの特急クーリエをして生計をたてている元ハッカー。クーリエ会社は、丘の上にあって、麓の顧客に宅急便をもってゆくのです。サンフランシスコの坂道をご存知であれば、これはなかなかな作業だということはおわかりでしょう。

ある日クーリエ会社社長Melから、中国人に超特急でメールを届けるように言われます。

転んで頭を潰しそうなリスクを犯して、彼は無事にメールを届け、特別待遇の高給クーリエとして契約更改します。とはいえ仕事にどこか不自然なものを感じて真相を調べ始めたところ、仕事を譲ろうとした仲間は殺され、Chetも暗黒世界の連中に命を狙われチェースが始まります。

Chetの背中には生き別れになった弟が入れてくれた入れ墨があります。このChetと、パンクなスケートボーダーの女性Hoと、隣人で車椅子に乗って暮らしている事実上のルームメート、ハッカーのDennyとで、闇の勢力と死闘を繰り広げるのです...

著者始めての作品だそうですが、amazon.comの読者評、いずれもほぼ絶賛。
私も、サンフランシスコでWWWとPrinting Systemのセミナー開始を前に、どうしても中断できず、夜中遅くまで読みふけってしまいました。amazon.comから購入したこの本、なぜかサイン入り。輸入したものの、読み切れずアメリカに持ち込み、読み終わって、持ち帰る、という結果になりました。

正直に言えば、あちらの若者文化がよくわからない為か英語力の不足からか、読みやすい本とは言えませんでしたけれど、サンフランシスコならではの愛あり、活劇あり、インターネット上でのハッカーの戦いあり、多くの読者が言っている通り、映画で見てみたい、早く次作が読みたいと思わされる本です。

フィッシャーマンズワーフで、頭を緑に染め両側をそり込んだ女性と、違う色で同じようなヘアスタイルの男性が、「有料でパンクと写真を撮ろう」という商売をしているのをみて、ついHoを思い出してしまいました。

(1998.9.8記)

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Ulterior Motive


Ulterion Motive

Daniel Oran著
Kensinton Books
1998年
定価$22.95
ISBN1-57566-302-3

シアトルに本社をもつ巨大ソフト会社Megasoftの社長ジャック・マルコム(ビル・ゲーツとジム・クラークを合成したような経歴の人物です)が、とうとう大統領選挙に出馬します。彼はテレビ・インタビュー最中にテロリストに射撃されます。

その日の深夜帰宅途中のジョナサン・グッドマンは、キャンパス内の駐車場での殺人を偶然目撃します。連絡でかけつけた警備員に、「麻薬取引にからんだ事件ゆえ、当面内密にして口外せぬよう」とわけのわからないことを言われます。翌日会社にゆくと、血だらけだった殺人現場は跡形もありません。

そこに、突然女性記者カレン・グレイから電話をうけ、思わず「殺人現場を目撃した」と口走ってしまいます。女性記者の質問は、本来的はずれだったのですが、こうして二人は殺人事件の真相を探る羽目になります。

そこで突然、グッドマンは首を言い渡されます。あげくの果てには殺人犯にしたてあげられ、殺人集団から逃走しながらの調査を続けます。

コンピューターが随所で絡むの構成がうまくできています。予想のつく結末だという声もあるようですが、「面白い」というのが圧倒的多数。予想外のどんでん返しとなった参議院選挙の後で、大統領選挙キャンペーンにからむハイテクミステリーもよろしいのでは、と思います。

(1998.7.14記)

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