<旧車シリーズ 714>


DATSUN 1300 TRUCK (520)


 
1965年5月、日産から登場した新しい1トン積み小型トラックがダットサン1300トラック(520型)である。前身モデルにあたるダットサン1200トラック(320型)は初代ブルーバード310系のデザインやメカニズムをベースとしたが、この520型は、1964年のマイナーチェンジで1300ccモデルが追加された二代目ブルーバード(P411型)をベースとしていた。それでも520型の初期モデルでは丸型2灯ヘッドランプと専用グリルによって、フロントフェイスに全く別のイメージが与えられていたが、翌1966年に丸型4灯タイプに改められると、それ以降はブルーバード411系に極めて近いイメージのマスクを持つようになった。
 520型はボディ全幅が60mm拡げられたことで、乗車定員は2名から3名へ変更された。最高出力62ps、最大トルク10.0kgmを発生するJ型・1299ccOHVエンジンの搭載により動力性能が大きく向上、発売5ヶ月後の10月にフルシンクロの前進4段トランスミッションを得たことで、最高速度は320型の105km/hから120km/hへ一気にアップした。


 
以前にNo.705で紹介した4灯式のダットサン1300トラックが登場する直前のモデルがこのクルマです。フロントフェイスの一部が異なるだけのこの2台を比べてみると、2灯式の初期デザインがいかに朴訥で目新しさに欠けるものであったかがよく判ります。
 この2灯式モデルは僅か1年余りの短命に終わったこともあり、写真の個体以外に私は遭遇した記憶がありません。ダットサンの基幹トラックゆえ、ピックアップやバンなどのバリエーションも存在していたわけですが、この稀少性からすると、もうおそらく会うことはできないでしょうね・・・。


推定年式:1965
撮影時期:1981年2月
撮影場所:山口県山口市赤田にて