<旧車シリーズ 710>


NISSAN JUNIOR (140)


 
1970年10月、ニッサンのボンネット型トラックのジュニアは、フルモデルチェンジを受けて三代目となった。1956年に登場した初代ジュニア以来、丸みを帯びていたボディは一転して角張ったものとなり、横目4灯のヘッドランプは縦目4灯に変更されて大きく外観イメージを変えた。全長は先代より35mm延長されたが、ホイールベースは65mmも延長されている。最大積載量は2トン積みに加え、新たに1.75トン積みもラインナップした。かつてはタフネスさを売りにしたジュニアだが、フロントサスペンションを独立懸架とすることで、空車時の乗心地も大きく向上させた。この新型ジュニアの登場に伴い、プリンス系のボンネット型トラックのマイラーは消滅した。
 パワーユニットはH20型の水冷直列4気筒OHV・1982ccエンジン(最高出力92ps)に一本化され、先代の1.6Lガソリンや2.2Lディーゼルは姿を消した。トランスミッションはフルシンクロの4速コラムシフトで変化はないが、フロントウィンドウの傾斜角を増した新キャビンの採用により、最高速度は125km/hに向上している。ブレーキは6インチのマスターバックを標準装備とした。


 
この頃のニッサンの商用車は、プリンスとの合併の影響でラインナップが肥大化しており、モデルチェンジの機会を利用して徐々に車種統合を進めていました。その過程で、ワイドバリエーションを誇っていたジュニアもスリム化され、シンプルな機種構成となりました。そのためか、'70年代に登場した新しいモデルにもかかわらず、私の旧車撮影記録にはほとんど残っていないのが実状です。
 かのロイヤルルックを連想させる縦目4灯のヘッドランプに、車種統合されたプリンスマイラーの名残りを感じるのは気のせいでしょうか・・・。


推定年式:1970
撮影時期:1982年4月
撮影場所:山口県徳山市糀町にて