研究テーマ->音楽とロボット->オリジナル制作のロボット->ロボットバンド  
  ここでは、ロボットバンドについて紹介します。  
 

 

 

開発者について

 

簡単に自己紹介をします。学歴については、ややこしいので、通常はコンピューターサイエンスを勉強したとだけ説明していますが、実際は2つの学士号と2つの修士号で合計4つの学位をもっています。立命館大学で心理学専攻の学士、アメリカン大学(ワシントンDC)でコンピューターサイエンス専攻の修士、早稲田大学で会計情報論専攻の学士と修士を取得しています。会計情報論は、企業内での情報伝達を数式でモデル化するといった感じのものです。会計そのものを勉強するような研究室ではなかったため、会計の専門知識はそれほど持っていません。4つの学位をもっていますが、社会に出るのが遅かったわけではなく、学位のうちの3つは、とある企業の在籍中に企業派遣やフレックス制度を利用して取得しています。
アメリカン大学で修士号取得のために始めた「自動作曲システム」の開発は現在でも続いていて、私のライフワークになっています。


(自動作曲システム)

仕事もややこしいので、通常は音楽関連のソフトウェアの開発とだけ説明しています。大学を卒業した直後は、ソフト開発の会社(上場企業)に就職しました。アメリカの大学院に行かせてくれたのもその会社です。現在は、2つの会社を経営しています。フリーランスと自称していることもありますが、実際には会社経営者というのが正しいかと思います。経営するうちの1つがソフトウェア開発の会社です。もう1つは介護サービスの会社で色々とやっていますが、分かりやすいものの1つは老人ホームの経営です。2つの仕事に関連して、介護用のコミュニケーションロボットの開発を数年前(2016年頃?)から米国のベンチャー企業と行っていますが、製品化には至っていません。

 

 

ロボット開発について

 

ソフトウェア開発の仕事として、メディアアート関連の作品のプログラムを依頼されることがありました。最初は、1999年のNTTのICCビエンナーレで近森基氏の作品でプログラムの一部を担当したことです。その後、椿昇氏の作品に何回か関わり、椿氏と一緒にMITやUCLAを訪れてロボット関連のワークショップも行っています。メディアアートの作品では、センサーやアクチュエータ(モーター)を使用するものが多く、構造としてはロボットと言ってしまっていいものも多くあり、非常に近い分野だと思っています。

自身でロボットの制作を開始したのは2006年頃です。最初は近藤科学の初代のKHRを改造したもので、関西のバトル大会に出場していました。最初に使用したのが近藤科学の製品だったため、その後のオリジナルのロボットの制作も近藤科学のサーボやコントローラを使用しています。CADやCNCの使い方を覚えて何体かのオリジナルロボットを制作し、2010年までバトル大会への参加を続けていました。ロボットに関しては、色々と制作のアイデアがあり、色々と変な機能を自身のバトルロボットにつけてバトル大会に参加していました。こようなアイデアには、たとえば、音楽用の鍵盤を使用して、ロボットをコントロールするだとか、カエルの形にして、歩行ではなくカエル飛び移動し、舌で攻撃するとか、ボディを反転させて前後を瞬時に入れ替えるとか、バトルロボットとしては無理のあるものがありました。バトルロボットは大会で勝利することを目的に、形状や機能が作られますから、どれも似たような形になっていきますし、遊びが入る余裕はありません。なので、自身の目指すロボット作りと違うかな、というのは感じていたところでした。


(KHR−1をベースにしたロボット)

 
(鍵盤で操作できるオリジナルのカエル型ロボット)
 


 

 

音楽について

 

DTMを学生の頃から行っていて、1999年からDTMマガジンで音楽ソフトの制作に関する連載を開始し、その後、メディアアートやロボットに関する内容に変わっていきましたが、2007年まで連載が続きました。
民族楽器や変わった電子楽器などを見るのが好きで、自身でも楽器の考案をしています。このうち、天空のハープは川崎の楽器コンテストで(同率)1位を獲得し、賞金を獲得しました。

 
(天空のハープ)


(亀をモチーフにした電子楽器「タートルパン」)

学生の頃からバンドにも参加していました。2012年ごろ、日本畳楽器製造という少し変わったバンドに参加しました。ギターやベース、その他の色々な楽器に畳を貼り、その楽器で畳をテーマにした曲を演奏するというバンドです。ここで私はプロパンガスの蓋を利用した楽器や自作の楽器などの演奏をしていました。


 

 

自動演奏ロボットについて

 

2013年の末に、最初の音楽演奏ロボットの「こさんくん」を制作しました。日本畳楽器製造のドラム奏者であった「うさんくん」が多忙なため、彼が参加できない練習やコンサートで変わりにドラムを演奏するロボットが作れないか、というのがきっかけです。こさんくんの名前は、うさんくんの弟子という意味あいでつけられています。

(初期のこさんくん)

バトル用に作っていたロボットのうちの1体を解体し、そのパーツから新しいロボットを作りました。大会ルールに制約された中でバトル用のロボットを制作するよりも、自由な発想で行える音楽演奏のロボット開発のほうが楽しくありました。日本畳楽器製造にロボットが参加するようになりましたが、やはり人間のドラマーの代わりを担えるわけではなく、一部の曲に参加したり、野外イベントで演奏以外のパフォーマンスを行うといった感じでしたが、徐々に出来ることが増えていきました。
自分での楽器演奏に加えて、イベントでのロボットの役割が大きくなるにつれて、故障したときの代替機を用意しておいたほうがいいという考えに至り、「こさんくん2号」が誕生しました。2台同時に展示することはありましたが、互いに独立していて、同期して何かをさせるということはありませんでした。


(こさんくん1号、2号を使用した旗上げゲーム)
 


 

 

ロボットバンドの構成

 

2015年、こども館のイベントに参加したときに、ある女の子から「女の子のロボットはいないの?」と聞かれたことが発端で、赤いロボット「とまとちゃん」が制作されました。同時期に、ロボットを同期させるプログラムを開発し、ロボットバンドとしての活動を始めました。 もう2体のロボットを追加し、それぞれ大きさにちなんで「ちびさんくん」「まめさんくん」と名付けました。



2016年の東京メイカーフェアにロボットバンドとして5体のロボットを展示しました。この展示をみた深圳のseeed studioと台湾の出版社からそれぞれ、メイカーフェア深圳とメイカーフェア台北への招待を受けました。それまでもカリフォルニアのRoboGamesなどには自腹で参加していましたが、渡航費やその他の費用(色々な問題があるのでギャラとは言えない)を出してもらっての招待は初めてでした。その後の2年で、北京や西安、成都、上海などの中国各地、韓国やインド、インドネシアなどへの招待が続きました。また、自腹でも香港、シンガポールやベイエリアでのメイカーフェアに参加しています。

(やまだかつて無いおもてなしを受けたメイカーフェア台北)

2019年になり、中国でのメイカーフェア開催が深圳のみに縮小しました。11月にマレーシアのイベントでホテル代や 食事、国内の移動費のみ負担してくれるというのはありますが、今後、渡航費を全額出してもらっての海外展示はなさそうです。
国内ではメイカーフェア京都が開催されたり、メイカーフェアの独自版ともいえるNT関連のイベントが増加傾向にあり、展示の機会は増えています。


(メイカーフェア京都の新聞記事)


 

 

その他のロボット

 

2016年にスチームパンク風のロボット、、スチームパンくんを制作しました。サイズや機能はロボットバンドの「ちびさんくん」とほぼ同じです。

(スチームパンくん)

ロボットバンドのロボットは、足は稼働しますが、体重の関係から、歩行することはできません。2017年に、ロボットと楽器を乗せて走行できるロボットカートを開発し、「流星号」と名付けました。ROSを使用していて、今後も、機能拡張を継続していく予定です。

(流星号)

2018年の末からペーパークラフトのロボットを開発しています。


また、2019年に、持ち運びができるロボット「みみずくん」を開発しました。

(みみずくん)


 

 

ロボット以外のもの

 


(きぐるみの「でかさんくん」)


(木の人形「かとりくん」)