般若心経のテープを聞いてみてわかったことがあります。 |
(1)般若心経は同じ音程で読まれている。
例外も少しありますが、ほぼ、同じ音程で読まれています。グレゴリアンチャントなどは、しっかりとした音程があって音楽になっていますが、般若心経は、延々と同じ音程で読まれるようで、これはちょっとした発見でした。 |
(2)息をつぐための休みが無い
これは場合にもよると思いますが、テープの般若心経は途切れなく、最後まで一気に読まれています。もちろん、一人の人が息つぎをせずに最後まで読むのは不可能ですから、複数の人でお経を読んでいます。メインになる人がいて、その人が息をつぐところでは、サブの人の声だけが聞こえます。ちょっとした録音機材をつかえば、一人の人の声でテープを作成することができると思いますが、やっぱりそれは、邪道なのでしょう。 |
(3)リズムが規則正しい
おそらく4拍子になるのだと思いますが、1泊でお経の中の漢字1文字を読んでいきます。漢字の1文字は、ひらかなにすると1〜3文字くらいで変化します。この変化が、1泊の中で微妙なリズムをつくりだしています。また、漢字が何文字かで1つの文になっているのですが、4文字で区切れるものが多く、ちょっと強引ですが、(特にお経の前半は)4拍子にあてはめると文の区切れが小節の区切れと一致するところが多くあります。
下のは出だしの部分です。
観 |
自 |
在 |
菩 |
薩。 |
かん |
じー |
ざい |
ぼー |
さつ。 |
※般若心経が何拍子であるかについて、ネットには様々な説が散見され、3拍子であるとか、5拍子であるとかの意見もあります。音楽的には「拍子は変則である」というのが当たっているように思います。
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(4)同じ言葉の繰り返しが多い
私のイメージでは、お経は最初から最後までが1つのストーリーになっていて、同じ言葉は繰り返されないと思っていたのですが、同じような文が何回も繰り返して使われていることがわかりました。また、般若心経は、けっこう短いというのもわかりました。(お経のテープは2分30秒でした。)お経は長いというイメージがあったのですが。。。 |
(5)意味は分からないが、聞きなれた言葉がでてくる
昔懐かしいレインボーマンの「あーのくたーらーさんみゃくさんぼーだい」をはじめ、落語などでも聞いたことがあるような言葉がでてきます。なんとなく、般若心経に惹かれてしまうのは、このためかもしれません。 |
(6)イントロらしきものがある
出だしの「ぶっせつ・・・しんぎょう」は、他とは違ったリズムで読まれます。なんとなく、音楽のイントロのような感じです。 |
さらに、書籍で調べてみました。 |
(1)抑揚や言葉の区切り方は、宗派によって違うらしい。 |
(2)私の買った本には、各宗派の読み方が、声明の楽譜で掲載されていました。 |
(3)般若心経をインドの言葉から中国語に翻訳したのは、どうやら孫悟空で有名(?)な三蔵法師らしい。 |
(4)般若心経は、大般若心経という何万文字ものお経を数百文字に縮めたものらしい。(その割に重複した言葉がでてくるのは何故?) |