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  前回は、各種サウンドファイルのフォーマットについての話をしましたが、今回は、ハードディスク・レコーディングとCDの制作について話をしたいと思います。  
 
ハードディスク・レコーディング
一昔前まで、「宅録」と言えば、マルチトラック・レコーダーと呼ばれる機材を使用しての曲製作を指していました。マルチトラック・レコーダーは、簡単に言えば、トラックが複数あるテープ・レコーダーのことで、4トラックや8トラックのものがありました。(これに対して、通常のテープ・レコーダーは、2トラックしかありません。) 現在の「宅録」は、このマルチトラック・レコーダーをデジタル化したハードディスク・レコーダーが主流になっています。ハードディスク・レコーダーは一見すると、スタジオなどでよく見かけるミキサーのような形をしていますが、録音を行うためのハードディスクを内蔵しています。 

ハードディスク・レコーダーは幾つかのメーカーから発売されていますが、人気が高いのは、ローランドのVSシリーズです。16トラックのVS-1680という製品は、各種エフェクトなどの機能も豊富で、プロのレコーディングにも耐えうる仕様になっています。ハードディスク・レコーダーには、メーカーにより、それぞれ特性があります。例えば、ローランドの製品は、豊富なエフェクトと操作性が売りです。これに対し、AKAIの製品では、データを圧縮しないため、データ圧縮を行う同レベルの他社製品に比べて、音が良い(録音した時の音に近い)という特徴があります(全ての製品がこれに該当するわけではありません)。これからバードディスク・レコーダーを購入する方は、音質、エフェクトの数、サイズ(携帯できるかどうか)などに注意して、どの製品を買うかを決めれば良いと思います。 

最近では、このようなハードディスク・レコーダーの機能を、パソコンのソフトウェアで実現する製品も発売されています。また、シーケンスソフトの中には、MIDIとWAVサウンドを同期させて録音できるような製品もあり、ハードディスク・レコーダーと同等のことが行えるようになっています。処理能力の高いPC(Pentium||| 450MHz程度)を所有している方は、これらのソフトウェア製品も、検討されると良いかと思います。 
CD制作
バンドや個人などのデモテープを作成する際に、上記のようなハードディスク・レコーダーを使用することで、クオリティの高い曲を仕上げることができます。ハードディスク・レコーダーに録音された曲は、そのハードディスク・レコーダーでしか再生することができませんから、最終的には、それを、テープやDAT、MD、CD等に落としてやる必要があります(この作業をミックス・ダウンと呼びます)。それぞれのメディアには長所、短所がありますが、音質、携帯性などを考えると、やはり最終成果物は、CDにしたいところでしょう。CDを作成する場合は、CD ROMライターと呼ばれる装置をPCに接続して行いますが、PC用のものであれば、3?4万円程度で購入できますし、メディア(ブランクのCDでCD-Rと呼びます)も一枚200円程度です。(ローランドのVSシリーズなど、専用のCD ROMライターを購入しなければならない製品もありますので、注意して下さい。)たまに、インディズ系のCDで、CD ROMライターで作成したCDを販売しているのを見かけることがありますが、あまりお金がかからないので、良い方法かもしれません。ただし、CD ROMライターで作成したCDは、プレスしたCDと違い、全てのCDプレイヤーで再生できるわけではありません。一部のカーオーディオなど、きれいに再生されないプレイヤーもあるようです(音が飛びます)。