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  前回は、MIDI関連のハード、ソフトを紹介しましたが、今回は、各種サウンドファイルのフォーマットについての話をしたいと思います。   
 
ストリーミングとMP3
バンド活動をしている場合、今までですと、ライブハウスやCDの自主制作など、発表の場は限られていました。ライブハウスでの演奏には、準備まで含めると大変な労力が必要ですが、その割に、聴いてもらえる人数は良くてもバンド活動をしている場合、今までですと、ライブハウスやCDの自主制作など、発表の場は限られていました。ライブハウスでの演奏には、準備まで含めると大変な労力が必要ですが、その割に、聴いてもらえる人数は良くても数十人と、限られています。CDの自主制作についても、知人やライブを聴きにきた人に買ってもらう程度です。しかし、今やインターネットを使用して、不特定多数の人に自分の作った曲を聴いてもらうことができるのです。 

インターネットで曲を発表するには、幾つかの方法があります。MIDIもその1つですが、バンドなどのデモ曲を発表するには適していません。録音したものをインターネットで発表する場合は、SoundVQ、RealAudio、WindowsMediaなどのストリーミングか、MP3を使用します。

インターネットで曲を発表する場合、データサイズへの配慮は欠かせません。サイズが大きいと、ダウンロードに時間がかかり、そのために聴いてもらえない可能性がでてくるからです。MIDIがインターネットの世界で普及しているのもこのためです。MIDIのデータが小さくなるのは、音の波形(サンプリングデータ)ではなく、音楽の情報だけが記録されているからで、楽器などの音の波形は、PC側のソフト音源やハード音源に記録されているのです。しかし、バンドなどで録音した音を送る場合は、波形のデータを送らなければなりませんから、どうしてもサイズは大きくなります。MIDIでは、数十バイトのデータだったものが、WAVのような波形のデータに変換すると、数Mバイトのデータになってしまいます。 

これらのデータをインターネットでやり取りするために使用されるのが、データ圧縮とストリーミングの技術です。データ圧縮とは、文字通り、データのサイズを小さくする技術で、MP3もこの圧縮技術の1つです。高音域など、可聴範囲以外のデータを取り除く等のことを行い、データのサイズを小さくします。ストリーミングとは、数メガバイトあるデータを最初に全部送ってしまうのではなく、その時点での再生に必要な分だけ、数十バイトづつに分割して送信するという方法です。曲の最初の部分を聴いている間に、次のデータが転送されていますから、聴く人は待たなくて良いわけです。この技術の代表的なものは、RealAudioと呼ばれるものです。 

MP3、ストリーミングのどちらの場合でも、データを作成するためには、エンコーダーと呼ばれるものが必要になります。(同様に、これらのデータを再生するためには、プレイヤーと呼ばれるソフトが必要になります。)通常、エンコーダーでは、音質(サンプリングレート等)を選択してデータを作成することができますが、この際、音質を良くすると出力ファイルのサイズが大きくなるというトレードオフが存在します。インターネットでは、ファイルのサイズを1M以内に納めることが慣習ですので、3分程度の曲でも、音質を極端に落とすか、それとも、曲の1部分(例えば、出だしの30秒くらい)だけを紹介するか、という選択になります。また、MP3のエンコーダーで注意しなければ、ならないのは、音質重視のものと、速度重視のものがあるということです。音質重視のものは、同一のファイルサイズでも、音がよくなるようにデータ変換してくれますが、その分、変換に時間がかかります。速度重視のものは、変換の時間は短くて済みますが、音は悪くなります。市販の音楽CDを変換して、MP3ファイルに落とすような使い方をする人には、後者の方が良いのですが、自分の曲を発表するような使い方ですと、前者のソフトを使用する必要があります。 

バンドのデモ曲をできるだけ多くの人に聴いてもらいたいという意向ですと、MP3より、手軽に再生できるストリーミングのほうが良いかもしれません。ストリーミング再生の場合、プレイヤーの普及率などを考えると、今のところRealAudioがお勧めですが、今後は、WindowsMediaも普及していくと思います。ディスクスペースが許すのであれば、MP3も含めて、複数のフォーマットで曲を発表するというのも1つの手です。
次回予告
次回、第3回は、ハードディスクレコーディング、CD-Rなどについての話をしたいと思います。