CD The Look of Love - Diana Krall  

はじめに:「Look of Love」と聞くと、80年代に全米でヒットしたABCの曲を思い出すが、本CDに納められている同名の曲はABCのものとは別である。さて、このDiana Krallという人。このCDで初めて名前を知ったが、どこで知ったか「いいらしい」という噂を聞きつけて聴いたみた。CDジャケットの写真は本人かどうかは知らないが、(別人を載せてもしょうがないから多分本人だろう)美人だし美脚である。しかしそれだけの歌手だということではない。見た目は若そうだが既にJazzシンガーとして完成されたといった歌声。低いが艶っぽい声は大人の女性。選曲もよく、Relaxできる癒し系のCDとなっている。曲構成は単純でボサノバとスタンダードなJazzが交互に並ぶ。彼女の今の興味がどこにあるかがよく分かる。続けて聴いていると彼女が2つのステージを行ったり来たりしているかのようにも思える。個人的にはボサノバ曲の方が気に入っている。とにかく「力の入っていなさ加減」が心地好い。その好さはうまく文字で表現できないが、兎に角聴いてみて、としか言えない。

Songs:

 1.S'Wonderful
 2.Love Letters
 3.I Remember You
 4.Cry Me A River
 5.Besame Mucho
 6.The Night We Called It a Day
 7.Dancing In The Dark
 8.I Get Along Without You Very Well
 9.The Look Of Love
 10.Maybe You'll Be There
 11.I Should Care

Review:
1. 思わず口ずさむキャッチーなサビ。ボサノバの快いリズム。一曲目で聴く人をぐっと掴んだな、といった感じ。掴みはOK。S'Wonderful の先頭の”S”って何?
2. 一転、渋いギターソロで始まるJazzyな曲。間奏のピアノソロもいいし、大袈裟過ぎないバックのストリングスもいい。寝床で聴いていると寝つきのよい私は、たいていここで眠りに入る。
3. ノリは1曲目と同じ。これも曲名がサビの部分に入っていて、覚え易いメロディ。
4. ブルージーなJazzバラード。バーの片隅で一人で聴くのがいい・・?
5. ご存知、スタンダード曲「ベサメ・ムーチョ」(Kissして)。スペイン語もいいな、と思わせる。
6. これもバラード。たんたんと、畳み込むように歌われる。これといって盛り上がるところがないが、落ち着いた曲。
7. つい同名の競走馬(菊花賞馬)を思い出してしまうが全然関係ない。これもメロディの美しいボサノバで、シンプルなベースラインに思わず、体が揺れる。映画のシーンのような、月明かりの下で踊る姿が目に浮かぶ。
8. イントロの歌声はJoni Mitchelを思わせるほど似ている。囁くように、しっとりと歌い上げるバラード。
9. アルバムタイトル曲。これもメロディアスなボサノバ。自己主張しないベースが刻むリズムが、控えめなのに体に刻み込まれるような感覚。うまく表現できないが、サビに至るまでの少し長めのフレーズがまた好い。微妙な引っ張り加減というか・・
10. 間奏のギターソロが泣かせるJazzバラード。
11. 駄目押しの聴かせる曲。聴かせるという”力み”を感じさせないので、こっちの力が抜けていく、トロけていく・・「おやすみなさい・・」

amazon.comで視聴できます(1〜5曲、RealPlayerが必要です。ジャケット写真あり)。  

更新日: 04/04/08