鬼界島    (きかいがしま)<四番目物 〜 喜多流>  

日時:2000.12.03 15:00 - NHK教育放送(国立能楽堂での公演)
出演者:
シテ(俊寛):粟谷菊生(人間国宝)
ワキ(赦免の使い):宝生閑(同)
シテツレ(成経):粟谷充雄
シテツレ(康頼):粟谷浩之
アイ(船頭):野村万之丞
その他出演者:笛、小鼓、大鼓、地謡 x8


物語の舞台:
舞台:鬼界島(現在の鹿児島県大島郡鬼界町。硫黄島とも言われる)

内容:
  「平家物語」や「源平盛衰記」が原作。歌舞伎や文楽でも取り上げられる話。

1:赦免の使いが登場。これから大赦を伝えるため鬼界島に渡ると語り、船頭に船出の準備を言いつけて退場。
2:成経、康頼が登場し、日々、熊野詣でをしていると語る。謡が終わると舞台右に並んで着座。
3:俊寛が登場。シテは”俊寛の面”を付け、僧都の装束。頭から肩を覆う白い頭巾を被っている。右手には手桶を下げている。中には水が入っているが、それを酒と見立てて、成経らと酌み交わし自分達の不遇を嘆く。
4:赦免の使いが島に到着。使いが乗った船型が橋掛りに置かれ、使いが船から降りて、俊寛ら3人の前に進み出て、自分の役目を告げる。使いが成経らに赦免状を渡すと、それを読み上げる。赦免状には俊寛の名はなく、俊寛がそれを自分でも何度も読み返すが成経、康頼意外の名はない。
 嘆き哀しむ俊寛を残して、使いと成経、康頼は都に戻る船に乗り込む。落胆の大きい俊寛に成経らは都に戻ったら(俊寛が)帰れるよう口をきいてやるから待ち給え、と告げる。船は無情にも沖へ漕ぎ出していく。船が揚げ幕のほうへ退場して幕。

感想:出演者の動きは極めて少なく、舞らしい舞もない。人間国宝の共演という豪華な舞台であるが、ちょっと寂しい。
 恥ずかしながら平家物語を詳しく読んだことがないから、俊寛が一体何を仕出かして流罪になったは知らないが、どうやら時の権力者・平氏に背いたらしい。機会があったら調べてみたい


参考資料:
「能楽ハンドブック」 戸井田道三・監修、小林保治・編(\1,500 三省堂)

更新日: 00/12/03