狂言 棒縛   (ぼうしばり)<大蔵流>  

日時:2000.08.06(sun) 23:24 - NHK教育放送(NHK古典芸能鑑賞会・特別公演より)
出演者:
次郎冠者:茂山千作
太郎冠者:茂山千五郎
主:茂山七五三


内容:
 舞台は柱がなく見通しがよい。
 主が所用があって一つ山を越えて出掛けることになったが、家来の太郎、次郎が主の目を盗んで酒を盗み呑みするのを怖れて、彼らを戒めようとする。
 二人の家来を呼び出し、次郎冠者には得意の棒使いを披露させる(この棒は長さ六尺くらいで、武術で使う六尺棒らしい)。見事な棒捌きを見せる次郎を主と太郎が後ろから縄で縛る。次郎の両肩に棒を乗せた格好で、両手首を棒に縛りつけられた。その姿を面白がっているそばから、次に主は太郎を後ろ手に縛る。安心して主は出掛ける。
 しかし、残された二人も黙ってはいない。そんな姿となっても酒が呑みたい。次郎は酒蔵を開けて、酒を盃に酌み、太郎に呑ませてやる。次は酒の入った盃を後ろ手の太郎に持たせ、そこから次郎が酒を飲む。ご機嫌になって二人が舞いを舞う。
 そこへ気になった主が突然戻ってくる。酒が入って盛り上がっている二人が、盃の中を覗くと主の顔が写っている。最初は、主が自分たちを戒めるために自らの姿を写らしめたと笑っているが、なんのことはない。ほんとに主が盃を覗き込んでいるだけだ。そら見たことかと、堪らず主は二人を打ち懲らしめる。

感想:御老体とはいえ茂山千作さんの棒術はなかなかのお手並み。
縛られた格好の二人の姿も滑稽だが、太郎と次郎のやり取りも実に可笑しい。35分くらいの舞台だが、現代のコントを見ているようで笑わせてもらった



更新日: 00/08/14