狂言 牛盗人
(うしぬすびと)<和泉流>
♪日時:2001.03.31(sat) 14:30 - NHK教育放送
♪収録:国立能楽堂
♪出演者:
・藤吾三郎:野村萬
・奉行:野村万之丞
・子:野村太一郎
その他:太郎冠者、次郎冠者、地謡(4名)
♪内容:
鳥羽離宮から牛が盗まれた、盗人の情報をもたらしたものには褒美を与えると奉行が語る(胸にかかるくらいの長い顎ひげ)。そしてその旨を記した高札を掲げる。向かって右の手前に腰掛ける。高札を見て、盗人を知っていると言って子供が奉行を訪ねてくる。犯人は藤吾三郎だと伝えると奉行は、太郎・次郎冠者に藤吾三郎を捕らえに行くよう指示。
三郎が登場。太郎冠者が三郎を呼び出し、騙して三郎に縄をかけて捕らえる。奉行の前に引き出された三郎は初めは知らぬ存ぜぬと白を切るが、奉行は犯人が三郎だと訴え出た子供を証人として三郎と会わせる。三郎はそれが我が子だと知り驚く。それが親子だと知ると奉行も驚く。さずが我が子の訴えだと聞かされれば三郎も言い訳できなくなる。観念した三郎を奉行が牢へ連れて行かせようとすると、それを子が引きとどめる。子供は奉行に、高札にあるように盗人を捕まえた者への褒美をくれと言う。奉行は何でも好きな物を与えようと言うが、子供が父の命を自分にくれと言う。その願いだけは叶わぬと奉行が言うと、子は泣き出す。罪人である父親を訴え出ながらも、救いたいという子の親孝行に三郎は感動して泣く。その親子が不憫に思えてきて奉行も泣く。奉行は子の願いどおり三郎の縄目をほどき、解放する。解放された三郎は歓喜のあまり扇を手に舞を始める(謡に合わせて、ごく短時間)。
♪感想:
狂言には珍しいと言われる人情劇。それも子役が重要な役目を担うということで、上演されることも珍しいとのこと。野村家親子三代による出演。狂言にある滑稽な部分が少なく、こんな狂言もあるのかと思った。子役の太一郎君は立派に大役を果たしていた。
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更新日: 01/04/08
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