狂言 末広かり   (すえひろがり)<和泉流>  

日時:2001.12.23(sun) 16:00 - NHK教育放送
収録:米沢市・置賜文化ホール(こけら落し)
出演者:
・シテ、大果報者:三宅右近
・アド、太郎冠者:高沢祐介
・アド、すっぱ:河路雅義
・笛、小鼓、大鼓、太鼓


内容:
 主人に都で「末広がり」なるものを買って来いと命令された太郎冠者。すっぱという男にただの唐傘を「末広がり」と偽って売りつけられる。巧みな話術にはまり、太郎はすっかり役目を果たしたものと傘を手に主人の下に戻る。そして彼がすっぱから聞かされたのと同じ説明を主人にする。しかし「末広がり」とは扇のことだと初めて聞かされ、騙されたことを知る太郎。開き直って主人に向かって、最初から扇だと言ってくれればと減らず口を叩くが、反って扇で打たれる。
 太郎が一旦、下がると囃子方が登場。太郎は橋掛かりで、都ですっぱから教えられた歌を思い出し、開いた傘を手に謡い始める。主人の機嫌を直そうと、何度も何度も同じ歌を繰り返す。それを聞いた主人は機嫌を直し、いつしか肩衣を脱いで、太郎と舞い始める(片足でケンケンしながら)。その姿も滑稽である。

感想:
 「末広がり」とは何かも知らずに買い物にでかけた太郎冠者。一言、主人に何かと聞いておけば、こんな失敗はせずにすんだものを。「聞くは一時の恥じ、聞かぬは一生の恥じ」である。実際、これに似たようなことは今の世でも、よくあることである。


更新日: 01/12/25