映画 Death on the Nile
♪日時:2000.06.20(Tue) 26:15〜 日本TV放送
(1978年
邦題「ナイル殺人事件」イギリス・アメリカ合作、原作:Agatha
Christie)
♪キーワード:ポワロ、富豪、エジプト、ナイル川、遺産相続、婚約破棄
♪内容:
ナイル川を上る客船上での殺人事件に遭遇する探偵エルキュール・ポアロの活躍。
殺されたのはイギリスの富豪の娘で遺産相続人でもあるリネット・リッジウエイ。新婚旅行でエジプトを訪問中。ナイル川を溯る豪華客船KARNAK号には新婚の二人の他に、探偵ポアロと友人で弁護士の英国人レイス大佐の姿も。これ以外にも、
・リネットの夫サイモン・ドイルの元婚約者で、二人をエジプトまで追いかけてきたジャッキー(Mia
Farrow)
・リネットのことを社会の寄生虫と呼んで軽蔑する青年ジム・ファーガソン。
・チューリッヒの医師で、治療のことでリネットから中傷を受けているベスナー博士。
・リネットの伯父でアメリカでの彼女の財産管理人でもあるベニントン。
・リネットをモデルにした小説を書いて、彼女から名誉毀損で告訴されそうな女流小説家サロメ・オッターボーン。
・サロメの娘・ロザリー(Olivia Hussey)
・バン・スカイラー女史
・スカイラーの召使いで、過去にリネットの父の阿漕な商売で家を破滅に追い込まれたバワーズ
・リネットの家の使用人で結婚するために暇乞いをしているが、拒否されている娘ルイーズ
・KARNAK号のマネージャ、チョットツー
など、リネットをよく思わない人物が大勢、同じ船に乗り合わせているという、異常な舞台設定。
一行が船を降りて、カルナック大神殿を見学中、最初の殺人未遂事件が発生。石造建築の神殿の石が落ちてきてリネットらが危うく下敷きになるところであった。
この後、王家の谷に新婚の二人が訪れたとき、一度は尾行をまいたと思ったジャッキーが再び登場。二人の命を狙ったのはジャッキーか?
一行が船に戻った夜、婚約者を奪われて精神的にも正常ではなっているジャッキーは酒に酔って、元婚約者サイモンをロザリーのいる前で銃で撃ってしまう。その騒ぎの収まった明くる朝、リネットが銃で頭を打ち抜かれて死んでいるのが、使用人ルイーズによって発見された。
ポアロの乗客一人一人に対する尋問が始まった。更に凶器の銃の捜索も川の上で停止した船の周辺で行われた。そして凶器と一緒に遺留品が引き上げられる。乗客の全てが真犯人の可能性があると思われた。
その夜、今度はルイーズが喉を鋭利な刃物で掻き切られた死体で発見される。更に、脚を撃たれて横になっているサイモンの部屋で、サロメがポアロたちにルイーズ殺しの犯人を見たと話しているところを、そのサロメが何者かに頭を銃で撃たれる。部屋の外に残されていた凶器はベニントンの銃であった。早速、ポアロは一同をサロンに集め、推理を展開し始める。
彼がリネット殺しはサイモンの仕業と仮説を話すと、サイモンは証拠がないと言う。ポアロは、銃を使えば手に火薬使用の痕跡が残るはずだから検査をすれば分かると答えると、サイモンの表情は堅くなる。当初はリネット殺人だけで済んだものを、サイモンの妻殺しを目撃していて、彼を強請ろうとしたルイーズが邪魔になり、これをサイモンの共謀者ジャッキーが、ベスナー医師の手術用メスで殺害。これもサロメに目撃されてしまうと、サロメも銃殺。
全てが明らかになって、逃げ場はないと感じたジャッキーは皆の前で、隠し持っていた銃で愛するサイモンを撃ち、自分の頭を撃ち抜いて自殺してしまう。
♪感想:
愛し合う二人が富豪の娘との偽装結婚、財産の乗っ取りを企て、計画成功の目前で破綻。
探偵ポアロがいながら、みすみす5人の人間が命を失ってしまうという最悪の展開。そんな後でも乗客たちは爽やかに船を降りていく姿が、私にはしっくり来なかった。
本作のポアロ役の俳優はよく知らないが、オリエント急行殺人事件のポアロよりは、こちらのほうが生理的には好きだ。でも、就寝中の網目のナイトキャップと、男爵ひげは相変わらずであった(オリエント急行殺人事件のポアロは黒髪であったが、本作では自分で”gray
head”と言っていた)。
乗客すべてが真犯人とも思える設定や、豪華な(と思われる)俳優陣は、オリエント急行殺人事件と共通点がある。
♪
更新日: 00/06/25 |