映画 Bridge of Madison county  

日時:2000.12.01(sat) 21:03 - 日本TV放送(1995年 米国作品:邦題「マディソン郡の橋」)
キーワード:遺品日記カメラマン、橋、不倫、火葬

内容:
 亡くなった母の遺品から衝撃的な告白を綴った日記を見付けた兄妹が、その日記を読み進めるのに沿った形式で描かれる母の悲しくも美しい愛の物語。

 兄妹の母・フランチェスカ(Meryl Streep)はイタリア出身で、アメリカの軍人であった夫に従って、アメリカのアイオワ州にやってきて家業の農場を継いだ。2人の間には一男一女が生まれ、もう思春期を迎えるまでに成長した。ある日、彼女を残して家族はイリノイ州の農業祭へ出掛けていく。それを見送った彼女の前に、ワシントンから来たカメラマン、ロバート(Clint Eastwood)が撮影する橋を探してやってくう。彼に道を教えることが切っ掛けで急速に親しくなっていく。その日は夕食まで彼にご馳走。
 翌朝、電話で2人は再び会う約束をするが、ロバートはその小さな町で不倫をして村八分のような境遇になった女性と遭遇。町の人のその彼女への冷たい視線に、フランチェスカを気遣って、彼女と会うことをためらう。それでも彼女は会いたいといい、再び2人は夕食を共にする。そして結ばれてしまう。
 翌日、2人は知り合いと会う怖れのない場所へドライブに出掛ける。
 4日目、一度は2人で町を去ろうとするまでに彼女の心は彼に急速に傾いていくが、最後の最後に彼女には決断ができなかった。しばらく町に留まるつもりと言い残して、彼女に考える時間を与えて去っていく。
 その明くる日、家族が祭から戻り、いつもの生活に戻ると少しずつ彼女の気持ちも落ち着いてくる。2日過ぎた雨の日、夫と町へ買い物へ出掛ける。買い物を終えて助手席で夫を待っていると、通りで雨でびしょ濡れになったロバートが彼女を見つめているのに気付く。間もなく夫が戻ってきて、車を動かすが、彼女は諦めて自分の車に戻っていくロバートを目で追いながら、ドアノブを握りしめ涙する。彼女へ最後の決断を促がすように、夫の車の前に信号待ちでロバートの車が止まる。ノブを回そうか悩む彼女、青信号に変わって、前進しないロバートの車に夫が発進を促がすようにクラクションを鳴らすと、彼の車は彼女に無言の別れを告げて走り去っていく。
 月日は過ぎて子供たちも独立し、夫も亡くなったある日、消息不明だったロバートから彼女宛てに荷物が送られてくる。彼の遺品であった。そして彼女も亡くなり、遺書に自分が死んだら火葬にしてその灰をかつて、ロバートが撮影したローズマン橋から撒いて欲しいと書き残す。実は彼の灰も彼女が橋から撒いていたのだった

感想:
 かつては教職についていた彼女だったが妊娠を期に退職し、子育てと家事に追われる人生に入ると、不満はないが何か物足りなさをずっと感じていた。本当は仕事も続けたかったし、夢もあった。そんな彼女の前に突然、「一生に一度の確かな愛だ」と言い放つ離婚暦もあり、定住する家もない男が現れる。結局、家族を捨てるまで前進は出来なかった。ただ胸のうちに、4日間の”美しい体験”の思い出として残りの人生を生きていくことを決断する。
 雨に打たれてずぶ濡れの主演Clint Eastwoodはちょっと格好悪いが、彼と出会って2日目のディナーで風呂上がりに目いっぱいにドレスアップしたMeryl Streepはさすがに年齢は隠せないものの美しかった。
 内容はいかにも主婦が喜びそうなメロドラマだが、公開当時はビッグな俳優2人の共演もあって、かなり話題になったと記憶している。例の橋は突然人気スポットになり、ツアーまで組まれたとか。

クライマックスの2人の別れのシーンだが、歌にすればこんな感じ?
- ずぶ濡れで笑うあなたを背に涙
- かの人に追われるようにクラクション

おそまつ。

更新日: 00/12/03