映画 Good Will Hunting  

日時:2000.07.23 22:00 - NHK教育放送(1997年 アメリカ作品)
キーワード:数学、天才、幼児虐待保護観察、精神科医、セラピー

内容:
  MIT(マサチューセッツ工科大)のランボー教授が学生に出題した数学の難問を廊下の黒板に謎の人物が解いてしまう。どうやら大学の学生ではないらしいと知り、ランボーは解答した人物を探す。すぐにそれは、大学で清掃員として働いていたウィル・ハンティング(Matt Damon)という若者だと判明する。しかし、彼は喧嘩で拘留中。いくつか前科もあって、なかなか扱いが難しそう。
 ランボーが身元を引き受けるという約束で釈放されるが、保護観察が解けるまでは、精神科医のセラピーを週に一回受けねばならなかった。ランボーは数学の権威あるフィールズ賞を受賞しているくらいの人物であったが、すぐにウィルの才能を見抜き、なんとか彼に数学をやらせたいと考えていた。ランボーのもとで得意の数学をやることにはウィル本人もやぶさかではなかった。が、ウィルには幼い頃に負った心の傷が大きく、ランボーが次から次へとウィルに会せるセラピストになかなか心を開かなかった。
 最後に白羽の矢が立ったのが、ランボーの同期のショーン(Robin Williams)であった。しかし、ショーンの所に通うようになっても、ショーンにもなかなか本心を語ろうとしなかった。ショーンも一癖ある人物で、数年前に妻に病気で先立たれ、そのせいか人生を半ば捨てたようなところがある。
 ウィルは町のバーで知り合ったハーバードの女学生スカイラーを恋に落ちるが、彼女にも自分のことを話せない。彼女がカリフォルニアの医大へ進学することになり、「一緒にカリフォルニアに来て欲しい」と言われると、彼は町や仲間から離れるのを嫌い、彼女と別れることを決心、涙の別れとなる。
 彼女が旅立った日、親友のチャッキーに「才能があるのに、それを生かさないのは、宝くじの当たり券を持っているのに、ビビって換金に行かないのと同じ」「いつまでもこうして俺達とつるんでいるのは侮辱だ」とかなんとか言われて、目が覚める思い。
 何かをいつも怖れ、彼自身でも何がしたいのか分からず、先のことを心配し過ぎ、現実から逃げてばかりいた。
 そして初めてショーンの前で涙を見せ、彼に謝罪する。
 新たな就職先も見つかり、セラピーも終わって保護観察から開放される。ショーンはウィルに「Good luck, son!」と声を掛け、送り出す。が、彼は就職も仲間のいる町も捨てて、仲間に誕生日プレゼントに送られた車でカリフォルニアへ向う。

感想:
 幼児虐待は最近では日本でも問題になっているが、その虐待が幼い心に与える影響は計り知れず、成長後に犯罪を起こす原因にもなると言われている。ウィルも孤児で、幼い頃に里親に虐待されていた。
 ランボー教授も彼の才能に驚き、彼に会わなければ、彼との才能の差に自身、悩まされることもないと感じていたが、彼の才能を生かしてやりたいと願っていることは確かであった。
 Robin Williamsはコメディータッチの映画のイメージが強い俳優だが、本作ではヒゲぼうぼうの、ちょっと暗いシリアスな先生役。ランボーと対立しながらも、ウィルを更正というか再生へ焦らず、ゆっくり導く格好いい役。
 脚本にはMatt Damonの名もあった!
 最後で、ウィルの親友のチャッキーが町を去ったウィルの家へ、彼を迎えに行って、彼がもういないのを知って取るリアクションはなかなか名演


更新日: 00/07/25