映画 Godfather - Part 2  

日時:2000.02.11 13時TV東京放送(1974年 アメリカ作品)
キーワード:マフィア、先代・二代目、ハバナ、革命、聴聞会、イタリア系、孤独感

内容:
  マフィアのコルレオーネ・ファミリーの二代目マイケル(アル・パチーノ)は勢力拡大を狙い、ハバナ(キューバ)での事業進出を求めて、ユダヤ系マフィアの大御所ハイマン・ロスと接触していた。
  先代の父ヴィト(ロバート・デニーロ)は既にこの世になく、長男でもないマイケルがその能力を認められ、跡目を継いだのだが、現在は父が成功したニューヨークではなくネバダ州を本拠としていた。ニューヨークの地を守る、先代の代からの古参幹部フランキーは、敵対関係にあるハイマンとの取り引きには不満だった。
  新年を迎えるハバナの地で、ハイマンの誕生パーティに招かれたマイケル。その老マフィアのファミリーの前で自分の死後、マイケルにあとを任せるという風な話をするが、実際にはハイマンがハバナで展開している事業は全てマイケルの手に渡る訳ではなく取り引きであり、金を要求されていた。しかし、その取り引きに不審感を持ち始めていた彼は、納金を迷い始めた。フランキーが憂えるように、ハイマンはあわよくばコルレオーネ一家の乗っ取りをも狙っていると直感する。健康に不安があり病院に運ばれたハイマンの命を密かに手下に狙わせる。が、これは失敗に終わる。
  そんな新年を迎える瞬間の夜、ハバナでは革命が起き、政府の祝賀パーティに招待されていた、マイケルは命からがらもなんとか脱出。
  アメリカ政府の聴聞会の証言に召喚されたマイケルは、他の幹部と同様、組織の壊滅を狙う政府委員の質問をも何とか切り抜ける。
  そんな彼だが、組織の維持・拡大は容易ではなく、本当の家族との生活もだんだん冷えていく。能力がないと実の兄をも冷遇し、ある日、湖で彼を消してしまう。またマフィアの継嗣を生むのを不満に思う妻ケイ(ダイアン・キートン)が身ごもった子供を勝手に堕胎したのに激怒。ケイは離婚を望み、他の子供を手放さねばならないのを渋々のんで家を出る。愛する母親も世を去り、孤独感は増す一方。先代からのファミリーの弁護士トム・ヘイデン(ロバート・デュバル)にも疑念を持つに至る。
  若い頃の父親の誕生パーティでの回顧の場面で映画は幕を閉じる。

感想:
  今から百年前、先代ヴィトがイタリアのシシリー島、コルレオーネの地で、父や母を地元のマフィアに殺され、アメリカへ一人移民して来て、マフィアへの道を歩んでいく時代の場面を織り交ぜながら、映画は進んでいく。パート1は随分昔に見たかも知れないが、あまり記憶がない。その頃はただのギャング映画という理解しかなかったのだろう。
  多分、禁酒法の時代に勢力を拡大したイタリア系マフィアの史実に基づいたお話であろう。
  巨匠フランシス・F・コッポラ監督で、アカデミー賞6部門受賞作品ではあるが、それほど感動する映画とは思えなかった。それだけ賞をもらったのは、何かアメリカの国民性に訴えるものがあったのだろう。
  直接、この映画とは関係ないが、ふと思ったことがある。映画の終盤でも登場する話であるが、第二次世界大戦中、父がマイケルが戦場に行かなくてすむように根回しをしていたのにも関わらず、自ら軍隊に志願していた。兄弟はそれを責めるが、自分の国や家族を守るという正義感がそうさせた。多分、その後、戦場に赴くこともあったのだろう、そういうマイケルの気概を見込んで父も、彼に後を任せたのだろう。
  で、感じたのは、先の対戦中、アメリカでの日系移民は強制収容など苦労したという話を聞くが、ドイツ系やイタリア系の移民はどうだったのかという点。アメリカは大戦に参戦したのは時期は遅いから、直接ドイツ軍やイタリア軍と、米軍が戦うことはなかったと想像するが、当初は移民たちは肩身の狭い思いを、日系移民と同様に感じたのではなかろうか?機会があればそんな話も調べてみたい。もしそんな事実がないとしたら、日系移民は人種差別を受けていたと考えないわけにはいかないだろう。
  アル・パチーノは小柄な人で、ダイアン・キートンよりも背が低かった。デニーロも若かった。



更新日: 00/04/28