映画 East of eden  

日時:1999.12.? TV東京放送(1955年 アメリカ作品、邦題「エデンの東」)
キーワード:レタス農場、母との別れ、戦争、売春宿、借金、観覧車、誕生日、カインとアベル

内容:
  1917年、北カリフォルニアの町サリナス。キャル(James Dean)は敬虔なクリスチャンでレタス農場主の父アダム、真面目な兄アロンと3人暮らし。母は兄弟が幼い頃に死んだと父からは言われていた。
  ある日、キャルは母は死んではおらず、海岸のモンテレーという町で暮らしているという噂を知り、彼女を訪れる。が、彼女は会おうとしなかった。
また、別の日の夜、母カレンが経営する売春宿へ母を無理に訪問し、騒ぎになり警察へ連行される。警察の署長はキャルの両親のことを知っていて、二人の馴れ初めや離婚の理由を彼に教えてくれた。父に反抗的だった彼は、少し父を理解することが出来、父の事業にも積極的に手伝うようになる。
  父の農場ではレタスの収穫時期がきた。アダムはその頃には珍しい野菜の冷蔵輸送に賭けようとしていた。貨物列車に氷を詰め、レタスを運ぶことになった。が、列車は運悪く線路が崖崩れで立ち往生、氷は融け、レタスもだめになって大損害となる。
  キャルは父の損害を取り戻そうと、豆の先物取引きで一儲けしようと企む。近々、第一次大戦にアメリカも参戦することになりそうで、そうなると豆の値段が上昇する見込みがあったからだ。元手がないため、母に借金を求めるため、再び彼女を訪れる。最初は彼を拒んでいたカレンだったが、父と別れた原因などをキャルに話すようになり、息子の性格が自分と似ていると感じる。渋々ながら小切手を彼に渡す。このことは父には内緒だ。
  ある夜、キャルは遊園地で兄アロンと待ち合わせをしている、アロンの彼女アブラに会う。待ち合わせ時間まで余裕があった二人は観覧車に乗って、お互いの話をする。彼女はいずれアロンと結婚すると確信してしたが、アロンが彼女に理想を求めているのを重荷に感じていた。その流れで二人はキスしてしまう。
  急に動かなくなった観覧車の上から兄を見つけたキャルは、兄が戦争演説の騒ぎに巻き込まれているのを見て、一人観覧車を下りる。兄は戦争には反対で、戦場にも行きたくないと考えていた。間もなく喧嘩が始まり、そのゴタゴタでキャルは兄を殴り、それ以来、兄弟仲は険悪となる。
  父の誕生日にキャルは父を喜ばせようとパーティを企画し、その機会に豆で儲けた金を父へプレゼントしようとした。父は喜ぶものと思っていたが、父の反応は逆であった。戦争に乗じて儲けた不正な金だと、また、金で父の愛を買おうとしていると非難される。父は徴兵委員をしていて、そうした今も戦場で死傷しているものもいるのだ。父の意外な言葉に失意し、逆上したキャルは兄に母の生存を告げ、兄を母の元へ連れて行く。
  これがきっかけで兄アロンは、だれ彼かまわず喧嘩をし、自ら望んで徴兵に志願し、勝手に徴兵列車に乗ってしまう。それを知った父はすぐに駅に向かうが、アロンの変わりように愕然とする。ショックで父は倒れ、半身不随の身体になってしまう。
  この騒ぎで、彼ら家族を知る警察署長はキャロに、聖書のカインとアベルの話(聖書はよく知らないが、兄弟のどちらがエデンの園を去るという話らしい)を引用して、町を去れと告げる。
  身動きもできず口も聞けなくなった父に、キャルは泣く泣く別れを告げるが、アブラに引き止められ、最後に父の耳元へ一言ことばを掛ける。そんな彼に父は不自由な口で、そばで看病してくれるように頼む。これにキャルが感激するシーンで幕が閉じる。

感想:
冒頭キャルが母の住むモントレーを訪れた帰りに、貨物列車に飛び乗り、貨車の屋根で寒そうに身体を小さく縮めるシーンは、どこかで見たことがあり、BGMのテーマ曲もどこかで聞いたことがある。基本的に父に反抗する若者という設定は前に見た「理由なき反抗」と同じである。早逝したJames Deanだが、彼の魅力はやはりこの思春期の若者に共通するキャラクターにあり、これが若い世代に受けるのだろう。キャルは最後に父親に許されるが、戦場に向かった兄のほうが心配だ。彼女のアブラの気持ちもキャルに移ってしまうし。


更新日: 00/04/28