映画 夜叉
♪日時:2001.02.27(tue) 26:05 - フジTV放送(1985年 日本)
♪キーワード:漁師、刺青、ミナミ、ヤクザ、居酒屋、日本海
♪内容:
シュウジ(高倉健)は若狭湾の漁師。冬の日本海は雪が吹きつけ、時化る日々が多い。妻(いしだあゆみ)との間には2男1女をもうけ、漁師仲間からの信頼も厚い。そんな彼には仲間も知らない秘密があった。彼は十数年前に浜に婿養子としてやって来る前は、大阪ミナミのヤクザであった。背中には夜叉の刺青。浜では裸になることもなく、仲間と温泉に行くこともなく刺青を人目に曝すことはなかった。が、今はすっかり足を洗い漁師として暮らしている。
そんな冬の浜に「蛍」という居酒屋を開くために蛍子(田中裕子)が幼な子を連れてやってくる。これが平凡な漁師の町を騒がし、シュウジに微妙な心の変化を起こすきっかけとなる。開店日にはシュウジも仲間たちと(田中邦衛ら)店を訪れる。彼女も実はミナミからやってきたのだ。
その蛍子の前に彼女を追ってヤジマ(ビートたけし)が現れる。彼もヤクザの端くれらしく、ほとんど彼女の紐のような存在。案の定、彼女の店のあがりは彼が巻き上げ、薬物代などに消えていった。金がなくなると突然、蛍子の前から姿を消すという具合。
そんなヤジマに愛想をつかした蛍子は再び、現れたヤジマが金を無心しても応えようとしなかった。逆上したヤジマは包丁を振り回し、街中を蛍子を追い回す。そこへシュウジが割って入り、ヤジマと揉み合ううちに包丁が彼の背中を掠め、背中の刺青が人目に曝されることに。この噂はすぐに町に広がり、彼がヤクザだったことが知れ渡る。彼に接する町の人々の様子に変化が現れる。
また蛍子を助けた格好のシュウジは彼女と急接近。
ある日、あの一件の後、姿を消していたヤジマが再び蛍子の前に現れ、金をせびる。しかし蛍子の預金だけで足りるような金額ではなかった。ヤジマは薬の金を払えないでいた。命まで狙われていた。蛍子は唯一頼りにできるシュウジに已む無く相談する。それを知った妻は船を売ってもいいと言うが、シュウジは別の手を考えていた。自らミナミへ出向き、話をつけてヤジマを連れ戻そうというのだ。妻は他人のためにそこまでする必要はないと言うが彼の気持ちは変えられなかった。
翌朝、一人大阪に向かったシュウジはかつて世話になった組の頭の所へ。すでに頭はこの世になく、奥方が組を引き継いでいた。足を洗ったはずのシュウジが大阪で何か仕出かそうとしているのを迷惑に感じていた。
シュウジはその足でヤジマを預かる組へ押しかけ、力づくで連れ戻す。が、一旦ヤジマをかつての弟分に預けたのが間違い。彼を裏切った弟分がヤジマを刺殺。シュウジにしてみれば結果的にはとんだ無駄足となった。
そのまま浜に戻ったシュウジは蛍子に会いに行く。蛍子は店を閉めてミナミに戻ると言う。駅に彼女を見送ったシュウジは妻の待つ家に戻る。
♪感想:
どうせヤクザ映画だろうと思って最初から本気で見ていなかった。別の作業をしながら見ているうちについつい見入ってしまい、深夜というのに最後まで見てしまった。舞台が福井らしいということが分かったので、ついつい。敦賀駅くらいしか判別できなかったが、健さんが乗っていた軽トラに「美浜町云々」と書いてあったので、どうやらシュウジの船は美浜の浜にあったらしい。度々映像に現れる港に懸かる立派な石橋と荒れた日本海が象徴的。ほとんどヤクザとの絡みはないが、元ヤクザという設定がポイント。どうやら覚醒剤の売買に傾斜していく組の有り様に嫌気がさして足を洗ったらしい。高倉健は漁師姿も渋い。日本髪に結った「蛍」の女将役・田中裕子もなかなかよかった。
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更新日: 01/03/02
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