映画Modern Times

日時:2001.09.23(sun) 22:00 - NHK教育放送(世界名作劇場より)(1936年 米作品、モノクロ)
キーワード:工場労働者ノイローゼスト、孤児
制作・脚本・監督・主演・作曲:Charlie Chaplin

内容:
 男(Charlie Chaplin)はElectro Steel Co.の工場労働者。他の仲間たちと流れ作業で製品を作っている。社長は常にモニターで作業を監視し、指示する。ベルトコンベアで次々に流れてくる部品のボルトを締めるのが彼の仕事だが、どうも彼にはこの仕事に適性がないらしく、しばし作業ペースを乱す。ついに彼はキレた。彼自身も工場の機械の歯車のひとつになり切れれば問題はなかったのだろうが、見るもの見るものをボルトと思い込み、レンチで締めようとする。職業病としか思えない。社長は彼をノイローゼだとして病院へ送る。
退院した彼は、道で赤旗を拾ったばかりに労働争議のリーダーだと間違えられ、投獄される。しかし脱獄犯を捕らえたとして、特赦されることになる。彼には独房は居心地のよい場所で外に出るのは気乗りしない様子。
 晴れて娑婆に出た彼だが、町で父を亡くした浮浪少女と出会う。彼女は万引きをして捕まりそうになるが、ひょんなことから2人で逃げ、一緒に暮らすようになる。男は家を持って、彼女と暮らす夢を描く。しかしなかなか定職につけない。デパートの夜警の仕事中に失敗して、また警察の厄介になっている間に、少女のほうはあるレストランで踊り子として雇われる。男が警察から出てきた時には見違えるほどであった。彼女の紹介で男もレストランで給仕兼歌手として雇われることになる。
 新生活もうまく行くかと思われたが、浮浪少女として手配されていた彼女を追って刑事が店に来ていた。二人は店を逃げ出す。

メモ

 当時のアメリカの社会情勢を伝わってくる映画だ。近代的な工場、そこで働く労働者たち。豊かな工業社会かと思えば、労働者たちはストを行い、労使が争っている。街には失業者があふれ、食事にもありつけない孤児も。麻薬を密売するものもあれば、強盗や脱獄を働くものもある。
 面白いのは工場を追い出されたのが、かえってよかったと思われた男が、少女と暮らし始めて、働く意欲を取り戻したことだ。彼が勤めていた工場がストで業務を停止していたが、新聞で操業再開を知ると、ボロ家を飛び出して工場へ駆けつけるほど。しかし工場はすぐにストでストップ。
 人生は思うようには行かないもの。店を飛び出した二人は、新たな生活を求めて寄り添って歩いていく。道の真ん中を我々に背中を見せて、例のヒョウキンな歩き方で。

更新日: 01/10/01