映画 In the
heat of the night
♪日時:2001.01.28(sun) 22:00 - NHK教育放送(1967年
米国作品:邦題「夜の大捜査線」)
♪音楽:Quincy Jones
♪キーワード:北部・南部、黒人差別、刑事、殺人事件
♪内容:
Ray Charlesの歌で始まる。舞台はアメリカ南部、ミシシッピ州スパルタという田舎町。警官のサムが夜のパトロール中、道路で倒れている死体を発見。被害者は工場建設のために町に来ているコルバートという男。すぐに署員が集まり現場検証。死後間もないこともあり、サムは引き続き犯人を探してパトカーを走らせる。深夜の暗い駅構内で黒人男を見付けたサムは、男を署へ有無を言わさず連行。財布に大金が入っているというだけで。実はこの男、北部で殺人課の刑事をしているバージル。母親に会いに来て早朝の汽車を待って帰るところであった。まだ黒人差別の残る南部では黒人に対する偏見が強い。彼の身元確認が取れ無罪放免となるが、殺人専門の刑事ということもあり署長のギレスビーは彼に捜査に協力を依頼。早速、検死をした彼は手際良く死因と犯人が右利きであることを判断。
翌朝、署には被害者の妻が訃報を聞いて駆けつける。一方、署員達は容疑者と見られる男を追跡。ミシシッピ川を渡り隣のアーカンソー州へ逃げる白人青年ハーベイを署長自ら逮捕。しかし、バージルはハーベイが左利きであることを知り、彼が殺人犯ではないと言う。本人も死体のそばに落ちていた財布を拾っただけと言う。署長はそれを聞いて面白くない。ギレスビーにしてみれば専門外の事件で、やっと捕まえた容疑者が真犯人ではないと言われりゃ腹も立つ。それでもハーベイを殺人犯として留置。
一方、バージルは署の対応に不満を抱き、検死で得た証拠品を自らFBIへ持参すると言う。これを聞いた署長は何を思ったか、彼をFBIへ行かせるどころか留置所へ入れてしまう!?頭を冷やした署長はすぐにバージルを釈放する。
被害者の妻もこの一連の出来事を見て、署の対応に呆れ、直々に町長に会い、バージルを捜査の担当にするよう依頼。署長も町長に呼び出され、渋々、帰途につきかけたバージルを駅に迎える。
バージルと署長は町の有力者で広大な綿花農園を所有し、帝王と呼ばれるエンディコットを訪問。被害者とは事件の夜、会っている。バージルは帝王がコルバートを疎ましく思っていることを妻から聞いていたのだ。被害者が帝王と会っていたことは分かったが事件との繋がりは掴めず。
その夜バージルは、サムに事件の夜と同じパトロールの道順でパトカーを走らせる。同行した署長は道順を変えたサムの行動を不審に思い、今度は彼を疑い始める。署長は銀行に行きサムが事件の翌日、大金を預金したことを突き止める。なんと署長は部下で第一発見者のサムを逮捕。それを知ってバージルも思わず苦笑。
そこへ妹がサムに妊娠させられたと言って兄が署に駆け込んで来る。なぜかバージルはまだ留置されているハーベイから、秘かに中絶を請け負う黒人女がいることを探り出し、ある夜そこを訪れる。
果たしてそこに現れたのは、サムの子供を孕んだと言う少女と連れ添う男。中絶を依頼に来たのだ。バージルの姿を見ると少女は逃げ出す。男の手には銃。どうやら本当の父親はこの男だったらしい。更にそこに、バージルの存在を面白く感じていない地元住民たちが、彼を襲うべくやってくる。その中には少女の兄の姿も。大金を持って中絶にやってきた妹の姿を見て逆上した兄に男は銃を放つ。以外な展開に。これがきっかけで殺人の真犯人がこの男であることが判明。犯人逮捕で一件落着。ようやく北部へ帰れることになったバージルを署長が駅まで見送る。
♪感想:
主役は黒人差別に晒されながらも冷静に事件を解決する黒人刑事。その活躍が見どころ。有能な黒人刑事に、能力はないが自尊心だけは高い田舎町の白人警察署員たち。黒人差別の残る町で命の危険にさらされながら職業柄、事件を見捨てておけずに町に残って捜査に協力するバージル。彼の存在を面白くは感じていなかった署長も、彼の能力に頼らざるを得ない。それでも互いに理解し合うようになり、署長が彼を危険から救う場面も。帝王と呼ばれる町の有力者を訪ねたバージルが、彼に頬を殴られ、バージルが殴り返す場面がある。帝王がそれを見ていた署長に言う台詞。「ちょっと前ならその場で彼を撃ち殺していた」黒人を奴隷同様に働かせていたに違いない。
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更新日: 01/02/23
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