映画 Babe  

日時:2001.03.23(fri) 21:00 - 日本TV放送(1995年 豪・米合作)
キーワード:子豚牧羊犬牧羊犬大会、暗号

内容:
 Babeは養豚場から祭りのイベントのクイズの対象として連れてこられた子豚。体重当てで当選したアーサー・ホゲット氏の家に引き取られた。
 妻のエズメはBabeを太らせてクリスマスの料理にと当然のように考えていたが、アーサーはBabeと一目合った日からこの子豚に、ただの豚とは違う何かを感じていた。アーサーの家には牧羊犬を初め、家畜の綿羊や鶏、馬、牛、猫、ヤギ、アヒルなどたくさんの動物がいる。まだ子供のBabeは母親や兄弟と離れ離れになって寂しがっていたが、牧羊犬のメス犬・フライが母親代わり。いつしか牧羊”豚”へと成長していく。その牧羊ぶりがアーサーの目に留まり、彼の頭に一つの野心が浮かぶ。Babeを牧羊犬大会に出場させようと。
 ある日、厭味な飼い猫に豚は何の役にも立たない、人間に食べられるためだけの存在と言われると、Babeはしょ気て家出してしまう。アーサーやフライが彼を探し出すが、弱って食欲もない。牧羊犬大会も近いというのに最悪の体調だ。しかしご主人のアーサーの愛に包まれ、Babeは急回復。大会の会場に向かう。大会の羊たちはアーサーのところの羊たちとは種類が違う。試合前にBabeが羊たちに声を掛けても、見向きもしてくれない。同伴した牧羊犬のフライやレックスもこれはやばいと感じて、急遽レックスが自宅に戻って、羊たちにどうしたら大会の羊たちがBabeのいうことを聞いてくれるかを聞き出す。条件付きで秘密の暗号を聞き出したレックスは急いで会場に戻り、まさにBabeの順番が始まる場でその暗号をBabeに伝える。
 最初は豚が大会に出ること自体が問題となり、直前であわや出場停止の事態にもなりかけたが、観客たちの物笑いになりながらもなんとか本番を迎えた。暗号のおかげで羊たちはBabeの頼むように動いてくれ、満点でBabeが優勝した。客席からは大喝采。Babe、人生(豚生?)最良の時であった。

感想:
 癒し系動物映画。
 CGやSFXを駆使してはいるが内容はほのぼのとして、技術的なことは抜きに楽しめる。歌う鼠や、雄鶏になりたいアヒル、厭味な猫など多くの動物が登場。精巧な模造動物たちが会話し、個性的に動き回る。アーサーの家も童話のよう。
 豚は食べられるためだけの存在と言われて、落ち込んだBabeにフライが慰める場面で、健気に大丈夫だと応えるシーンは大の大人でも胸がキューっと苦しくなる。日本語の吹き替えがよかったのかも知れないが、Babeの純粋で世間知らずな子供らしさ、愛らしさがよく出ていた。
 お子様向け映画だとは思うが、働き詰でお疲れのお父様方にこそ見てもらいたい。マッサージ機と同様の効能があります。
 私はきっと目が合った豚を食えと言われても、食えないだろう。日ごろ、豚肉を口にすることは多いが、生きている豚を想像して食することはない。我々消費者は食用に加工・処理されたものだけを目にする。それが生きていたときの姿は巧みに隠されている。容易に想像できるはずだが人間の頭はうまくそれをシャットアウトしてしまう。人間とは都合のよい動物だ。
 最近、欧州では口蹄病という病気が多くの家畜に広がっていて、大量処分や世界各国でも販売や輸出入規制が広がっている。かわいそうに人間に食べられることもなく、大量に処分されていく動物たちが急増中らしい。

更新日: 01/03/30