剣山   (1,955m) − 徳島県                 1998.12.29 (火)

山ある記

   四国上陸一日目。
   明石海峡大橋を渡り、淡路島を縦断、鳴門海峡を越えて剣山の登山口・見ノ越に到着したのは午後3時。登山そのものより登山口にたどり着くまでがタイヘン。徳島市からマップルの絵のとおり国道439号をひたすら剣山に向けて車を走らせた。特に見ノ越の手前までは急坂・急カーブの細い道の連続で緊張した。ほとんど対向車もなく、ちょっと寂しかった。

   さかのぼって前日、午後4時に東京の自宅を出発してから、走りっぱなしで殆ど眠っていない。予定では見ノ越には正午ごろ着くはずだった。

   剣山はうっすら雪に覆われていた。まさか雪があるとは思ってもみなかった。時間が時間なので明るいうちに山頂に辿り着きたいと素早く身支度をして出発。陽当たりの悪い北斜面は登山路には雪が薄く積もっていたが、山頂には意外にも雪はなかった。西島、大剣神社を経て、笹の広大な原っぱが広がる山頂には1時間くらいで辿り着けた。深田久弥氏の”日本百名山”の記述どおり、剣のような山容ではなく、なだらかな山頂であった。陽が傾き夕暮れが近づいていた。四方は雲がかかり、残念ながら遠方までは見渡すことができなかった。瀬戸内の海も外海も見られなかった。翌日、攻める予定の石鎚山はどのあたりかと思いながら、風も冷たくなってきた山頂をあとにした。

   見ノ越に下りついたときには、すっかり暗くなっていた。なんとかその日のうちに山を下り、愛媛に入りたいと考えていたので、自分でも蛋白だと思うくらいあっさりと山を下りることにした。貞光町への下りも狭くてカーブの連続したハードなドライブとなった。平家の谷と言われるこの渓谷沿いには人家が点在し、とても対向車とはすれ違えない所にも路線バスが現れたときにはドキッとした。きっと紅葉の季節には良い眺めであろうとは思ったが、ドライビングに集中せねばならなかった。

標高差約550m。
 

<参考地図>
アルペンガイド19「中国・四国の山」(山と渓谷社)