石鎚山
(1,982m) − 愛媛県
1998.12.30 (水)
山ある記
四国2日目。前日中に剣山を下山、なんとか愛媛・西条市で野宿する場所を確保した。といっても車中泊だが。
早朝、コンビニで軽く朝食と、昼用の食料を買い込み、石鎚登山ロープウエイ乗り場まで車を走らせる。駐車場はスキーやスノーボードを積んだ車が殆どであった。四国にスキー場があるとは思ってもいなかった。ましてや麓からは山に雪なんぞ、かけらも見えない。
ロープウエイで標高約1,300mの山頂成就駅まで一気に登る。なるほど瀬戸内海を望む斜面にはゲレンデが広がっていた。雪はほとんど人工雪だ。華やかなスキーウエアが舞うゲレンデの脇を、まったく異なる趣で私は石鎚神社中宮成就社へ向かって15分ほど歩く。境内は前夜に降った雪に薄く覆われていた。そこから見る石鎚は木々に雪が付いて、銀世界である。空は快晴。風が強かった。雪を降らせた雲もこの風でどこかへ飛ばされてしまったのであろう。
前社ガ森に45分ほどで至る。ここから、一ノ鎖、二ノ鎖、三ノ鎖と険しい岩場となった。積雪のため二ノ鎖からは迂回路を行くことにした。所々にある鉄板の橋にも積雪が足首当たりくらいまであり、気が抜けない。風も強く冷たかった。石鎚神社の祠が祭られた弥山には更に1時間ほどかかった。最高峰となる天狗岳は目前であったが、雪と強風で岩稜をたどるのは危険と判断して、その頂に立つことは断念した。
風を避けて岩陰で軽く昼食を済ませ、しばし瀬戸内の海と対岸まで見渡す眺めを満喫した。多分、剣山と思われる彼方まで眺望できた。
雪道の下りはもっと恐い。上りよりも慎重に足元を確かめながら脚を進めた。1時間ほどで成就社に到着。社で登山の無事を感謝した。拝殿からはまさに、石鎚山が拝むことが出来た。
ロープウエイを下って、車で西条市に出た午後は山頂とはうって変わって、年の瀬とはいえ汗ばむくらいの陽気であった。その足で正月を迎える実家の福井へ向かった。
標高差約700m。
<参考地図>
アルペンガイド19「中国・四国の山」(山と渓谷社)
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