映画The
Green Mile
♪日時:2002.09.14(sat) 21:00 - フジTV放送(1999年
アメリカ作品)
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原作:Steven King
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キーワード:看守、囚人、鼠、死刑、電気椅子
♪Story:
ポール老人は若い頃、大恐慌時代のアメリカで監獄の看守をしていた。同僚や囚人からはボスと呼ばれていたが、尿道を感染症に冒され、トイレもキツイ状態で勤務の毎日。
1935年アメリカ南部で2人の女の子が殺され、その犯人として大男の黒人青年コーフィが逮捕された。ポール(Tom
Hanks)の管轄の監獄に送られて来たその男は、夜に寝るとき暗いと怖いと言う。図体の割りに小心者、とても殺人者には思えない。
その男が次々に不思議な力を発揮するに従い、ポールや同僚の彼を見る目が変わってくる。コーフィはトイレで辛い思いをしていたポールの病気を治してしまう。また、囚人の一人のデルが飼いならした鼠を、厄介者の看守パーシーが踏み潰した時も見事、生き返らせて見せた。不思議なことに彼はそんな奇跡を見せた直後、2回とも激しく咳きをしたと思うと、口から灰か埃のようなものを宙へ吐き出した。そしてひどく疲れたと言って眠ってしまった。
そんな監獄にまた新入りが送られて来た。ワイルド・ビルというその男、殺人鬼と恐れられ、あちこちで犯行を重ねていた。
ポールは世話になっている監獄の所長の妻メリンダが脳腫瘍で苦しんでいることを知り、なんとかコーフィの力を生かせないかと考え、密かに同僚たちと闇夜に紛れて、監獄からコーフィを連れ出す。コーフィは期待通り、メリンダを回復させる。しかし今回は口から何も吐き出さなかった。ポールたちに抱えられるようにして監獄に戻ったコーフィは、そこでようやく口から例のものを吐き出す。それもパーシーの口を目掛けて。それを吸い込んだパーシーは人が変わったようになり、しかもワイルド・ビルを銃で撃ち殺してしまう。
そんなことをさせたコーフィの意図をポールは、本人の口からではなく、その不思議な力で伝えられる。実は彼の犯行とされていた事件の真犯人はワイルド・ビルだったのだ。コーフィは冤罪であったが既に、彼は死刑が確定していた。電気椅子での死刑執行の日も近づいていた。
無罪の、しかも奇跡の力を持つ人間を自らの手で死刑に処さねばならぬ苦しみ。ポールは彼に逃がそうかとも持ちかけるが、本人はそれを断った。コーフィにも彼なりの苦しみがあった。その力の故に毎日、世界で起きている酷いことを嫌でも感じてしまう。そこから抜け出したいのだと言う。そして処刑の日。ポールの指揮で刑が執行される。
そして老人ポールが老人ホームで老女に語るシーンに戻る。彼女は彼が既に100才を過ぎていることに驚くが、彼の語ったことにも信じられないよう。彼はそんな彼女をある小屋に連れて行く。そこには何十年も生き続けていたあの鼠がいた。
不思議なことに、ポールは長生きすることで家族や知人が次々に自分よりも先にこの世を去るのを見続ける苦しみ・悲しみを受けるのは、コーフィを早死にさせてしまったせいだと感じていた。長生きすることがコーフィにしたことに対する贖罪であると理解していた。
♪Memo:
Green Mileとは緑に塗られた監獄の廊下のこと。暗に電気椅子に至る道を意味する。
”癒し”の力をもつ心優しい黒人の大男の悲劇。古い言葉を使えば”超能力者”とも言えるが、その力を悪い方向に使わせなかったところが、言わずと知れたベストセラー作家Steven
Kingのストーリーテラーの力。ハッピーエンドでなくても、後味の悪さは残さない。そんなエンディングでも見た者は妙に納得させられる。
コーフィ役の役者は名前は忘れたが、その体格とキャラクターとのギャップを見事に表現していて、まさにぴったりの配役。
それにしても最初、彼が口から吐き出したものを見たときには食事中でなくてよかったと思った。あれは一体なんなのだろう?
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更新日: 02/09/28
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