読書メモ

・「里山再生
(田中 淳夫:著、新書y \740) : 2011.01.28

○印象的な言葉
・森遊び(⇒そんな暮らしに憧れる)。ツリーハウス、遊具(⇒おらが山)
・里山は「自然」ではない。人が手を加えるから里山
・オオバコが生えている道は以前に人がよく歩いた道
・原生林には植物も動物も少ない。林内は暗く、草が生えにくい。草の種類や量が少ない。樹木は優占種のみとなり多様性が失われる
・コバルトブルーの海も生物量や種類は少ない
・トキは里山の鳥
・日本人は完全な自然を苦手とする。原生林では苦痛や不快感を伴う。先祖からの記憶としてもっている
・山林は農地に比べ開発が容易。農地は規制に守られている
・ササが繁茂すると他の草木が生えず、森に戻らない
・日本に出回る蜂蜜のほとんどが輸入物(約93%)。養蜂家の仕事で蜂蜜の採取はわずか。主要な仕事は受粉作業
・花粉を運ぶ昆虫が減った
・植物には防御用の毒を出す機能がある
・里山には受け継ぐべき知恵がある
・キノコやカビは落ち葉や枯れ木を分解するときにCO2を排出する。温暖化のため、菌類の活動も活発
・伐った木をその場でチップ化、ペレット化する機械
・ダムの代替案としての遊水池には必要な面積が広くなる。用地買収が難しい。河川の堤防の嵩上げにはコストはダム以上になる
・降雨量の多い日本では基盤岩層も森林土壌も慢性的に満水に近い。大雨を吸収する余力は小さい
・大自然の災害を押さえ込もうという発想に、無理がある
・植物が出す有害成分。ライバルの植物を駆逐する。それが増えすぎると自らの生長も阻害する
・マツタケはデリケートな菌。木が若くないとダメ。雑菌に弱い。他のキノコ類が繁茂している森には生えない
・松とマツタケは共生関係
・本当の清流に蛍は棲まない。好むのはちょっと汚れた水
・全国で放流される鮎の4〜5割が琵琶湖産。地域的に偏った遺伝子をもつ
・都市住民が雑木林に求めるもの、お金を払ってもよいと思うものは空間と時間
・木を伐る権利、焚き火を自由にする権利、開墾・開発する権利の売買
・生産するリゾート
・森林療法を地域おこしに
・国内では木工の材料としての広葉樹が手に入らない。木工なら大量に必要とされない。雑木林の木でも天然乾燥で低コストで提供できる
・ゴルフ場の農薬問題は過去のもの。省農薬が進み、農薬も進歩
・森林認証制度は認証コストが高い

-目次-
第1章 「里山の自然」はどこにある?
 「破壊」が生み出す里山
 アマゾンもボルネオも里山だ ほか
第2章 「里山の危機」の正体
 里山を襲う「開発」と「放棄」
 もう一つの危機「移入種」 ほか
第3章 里山を取り巻く“自然界の掟”
 里山は二酸化炭素を吸収するか
 「緑のダム」の微妙な効用 ほか
第4章 人が里山にできること
 森林ボランティアの里山観
 環境教育としての里山づくり ほか