読書メモ

・「森林からのニッポン再生
(田中 淳夫:著、平凡社新書 \760) : 2011.03.14

○印象的な言葉
・戦後数十年で森林率が2割以上増加
・木材輸出へ
・下刈り、間伐を行なわない林業。木曾でも間伐をしてこなかった。生長が遅くなり年輪が密になる
・日本では1本の木の3割しか利用していない。→無駄なく使い切るノウハウ
・流通と加工コストの高さ、乾燥度の違い、安定供給の難しさ
・急増する中国の森林面積と森林蓄積率
・映画「ダンテズ・ピーク」
・有史前の日本列島には広大な草原(ササ、ススキなど)が広がっていた
・江戸時代は最も森林破壊が進んだ時代
・熱帯雨林地域は常に撹乱・破壊され、安定していないため生物種の数が増えた
・「適度な自然破壊」が次の自然を生み出すゆりかご
・治水は水害時の避難と救援体制の確立で被害の最小化、充分な補償と救済措置の保証に転換すべき
・森林も呼吸する。CO2を排出する
・森林は危険な場所でもある。病原菌もいて、長居をすると病気になりかねない
・人類は進化の過程のほとんどを自然の中で過ごして来た。人工環境には身体が同調しづらく緊張を強いる
・ドイツの保養税。保養者から徴収。森林散策が一つの産業
・日本は木材の大半を自給することが可能。各国が森林資源の保全への動き
・欧州林業の快進撃
・林業には多くのリスクがある。育てるにも時間がかかり、ずっと先の経済情勢を読んで経営するのは至難の業。古来、最後の大径木を切り出し得られる利益はボーナスのようなもの。 木材生産を日常的な仕事にしていた林家は少なかった。非常時の出費用だった
・内装の木材需要は伸びる。木の家のニーズは高い
・木材が一瞬にして液体燃料メタノールに変換するプラント。可燃性ガスになったのを触媒で液化する。ガスはそのまま燃焼させ利用もできる
・温暖化により積雪量が減り、冬も行動でき生き残るようになった野生生物。生息域を北に延ばしている
・過疎地で無理な村おこしは不要。住民の重荷を増やすだけ。住民の生活を守り、心豊かに暮らせるようなケアを重視し、集落消滅への軟着陸を目指すべき
・自治体は福祉、環境、地域振興など生活に密着した仕事に集中。水道、教育、道路、医療、ゴミ、消防など広域業務は上位自治体に任せる
・町の人口バランスを保ち、活力を維持するには外との交流が欠かせない。

<その他>
・過疎地の高齢者支援NPO。通信NW(有線電話の見直し)

-目次-
第1章 日本の森林の素顔を探る
 日本は世界に冠たる森林大国
 存在しない「太古からの原生林」 ほか
第2章 ニッポン林業盛衰記
 海外に打って出る日本林業
 林業は焼き畑から生まれた! ほか
第3章 森から見たムラの素顔
 山村は、もう一つの日本
 木を売らなかった山里の経済 ほか
第4章 森と林業と山村を考える
 人と森がつくる生態系社会
 林業は環境を守る最先端ビジネス ほか