読書メモ

・「マネー力 〜資産運用力を磨くのはいまがチャンス!
(大前 研一:著、PHPビジネス新書 \800) : 2010.09.28

○印象的な言葉
・中国の規模感
・ストリート・スマート
・オバマは環境戦争を始める。地球破壊者との戦い。
・戦略事業単位としての道州制
・国策ベンチャーファンドを
・米国は今後10年以上、経済回復は期待できない。多くの米国人は借金を返して健全な状況を取り戻し、新たな蓄えを得るまでに何十年とかかる
・米国の個人のクレジット・デフォルト(焦げ付き)。5〜6%までくると金融システムが動かなくなる
・中国特需が完全に切れたとき、海運、造船、鉄鋼、商社などがひっくり返る。企業の淘汰が始まる
・日本の不動産価格の下落も続く。郊外、別荘地の下落はすさまじい。団塊世代はウィークエンドハウスに魅力を感じ始める。別荘地での優雅な暮らし。経済の新たなエンジンになる。
・北海道は中国人にとってハワイに匹敵するブランド
・GE、IBMは完全に海外シフト。期待しているのは中国よりインド
・ドルとユーロは基軸通貨としての地位を争う。ユーロには規律がある。
・EUがロシア、ウクライナ、ベラルーシなどを糾合すれば、人口は米国の3倍、GDPでも2倍以上
・21世紀半ばにはEU、米国、中国、インドが世界の四大経済圏となる
・日本は平成維新を起こさないと手遅れになるギリギリのところまで追い込まれている。国民の改革意欲が年を追うごとに薄れていく
・ハイパーインフレが来たら、給料は週払いにしてもらう。ドルに両替し、引き出してタンス預金
・日本の年金の隠れ債務が800兆円
・年金を20年かけて全額税方式にした場合、消費税10%なら、支給額は月7万円
・産油国がドルペッグ制を止めると、「もうドルを信用しない」というメッセージを送ることになり、ドルは暴落する。そのとき産油国自身も打撃を被る。 今後は準備通貨をユーロなどにシフトしていく。
・アメリカ人自身がドルを売り始めたら最後。ユーロへのシフトが止められなくなったら、ドルは通貨統一される。そのとき、円や元、ウォンはど弱小通貨は投機筋に狙われる。 これらも統一通貨に吸収される。すると世界通貨が誕生する。
・米国は300兆円のCDOをばらばらにし、サブプライムだけを取り除き、健全なものだけで作り直す作業が必要。10年はかかる。その作業が済むまでは米国経済は低迷を続ける
・今後は米国と強くカップリングしている国は投資先として適当でない。エネルギーや鉱物、食糧に強い国が狙い目。ロシア、カザフスタン、ウクライナなど。
・英国のエリートは農民か政治家になりたがる。給料生活者を望まず、資産を大事にする。先祖から引き継いだものを守る。英国には相続税がない
・国民年金の基礎部分は生活保護と一致させる
・田園調布の住人は異常に高い相続税を払うために、庭先の空いたところに賃貸マンションを作らなければならなくなった。それが街並みを破壊している
・日本の住宅の耐用年数基準は30年しかない。一方で、35年ローンを放置している。これでは中古住宅市場は生まれない
・日本人は貯蓄性向は高いが、絶対額は少ない
・米国人は無題使いしている者は日本人より少ない。彼らの消費は住宅をはじめ、資産につながるものが多い
・米国の中間管理職の人の家の書斎は立派。経費として計上でき、税金の還付を受けられる
・日本人労働者は英語でスムーズにコミュニケーションがとれないのにコストだけは高い
・ニートやフリーターに工業化社会の大量生産に適した人材を育てるような職業訓練を施しても、中国の労働者以上に幸せにはなれない
・どこを探しても見つからないような人間を一人でも多く輩出する教育を議論すべき
・海外の人から見れば国家とは悪しき存在。国をあてにしていない。未来永劫、今のままいくとは思っていない。面従腹背でいいと割り切る。 国に文句は言っても、日本を飛び出して条件のいいところに引っ越すような日本人はいない。
・最近人気がある豪州国籍。留学で豪州に来た中国人がそのまま国籍をとって居ついてしまう。人口も増えている。
・日本の国債の格付けはムーディーズではAa3。世界の投資家からは信用されていない
・ボーダレス社会で価値のある人材:英語とIT、余人をもって代えがたいスキルをもち、世界で発揮できる人
・日本人は生命保険にお金をかけすぎて資産配分のバランスが悪い。住宅ローンを組んでいる人は団体信用生命保険にも加入しているから重複して生命保険に入る必要はない
・高齢者がお金を使わないのは、自分が死ぬまでにいったいいくら必要なのか分からないから不安なため
・日本人の年金給付水準は世界レベルで見ても高いほう。日本では年金の3割が貯金に回っている
・米国は相続税を2010年にゼロにする。大量の資金が若い世代に移り、好景気を迎える可能性がある
・若者が革命を起こすぐらいでなければ、この国を改革することはできない。人々が興奮するビジョン、指導者の強い意志

<感想>
・2008年の教育再生会議の最終報告書は教育の本質とは関係ないことばかり。単なる弱者救済。教育も引きこもり状態、後ろ向き

-目次-
序章 世界は大変だが、日本はチャンス!
第1章 世界を見て、マネー力を磨け
第2章 自分の資産は自分で守れ!
第3章 資産運用力は世界に学べ
第4章 マネー脳の鍛え方
第5章 大前式資産形成術
第6章 マネーの達人たちに学ぶ
終章 いよいよ日本の出番