読書メモ

・「「1秒!」で財務諸表を読む方法 〜仕事に使える会計知識が身につく本
(小宮一慶:著、東洋経済新報社 \1,500) : 2010.09.18

○印象的な言葉
・貸借対照表とは運用と調達
・利益は執念でなく信念で出すもの。自社の存在意義や目的と照らして。
・大企業で一か月分、中小で1.5か月分の手元流動性がないと心もとない
・WACC:負債の調達コストと純資産の調達コストを加重平均したもの。自己資本比率が高い(純資産が大きい)と値は高くなる
・ROA(資産利益率)はWACCより高くなければならない。資金調達コストより高い利益率が求められる。5%は必要
・持ち株会社方式の経営統合は敵対的買収を避けるため。持ち株会社の時価総額が大きくなる
・ROE(自己資本利益率):税金を払った後の純利益を自己資本で割る。この値が低いのはリターンが低いこと。株価は低迷する。10%は必要
・ROEよりもROAが大切。負債が大きくすればROEを大きくできてしまう
・高い自己資本比率の会社はレバレッジバイアウト(LBO)・ファンドから見ればレバレッジをかけた買収をしやすい。借入金を使った買収
・子会社の場合、親子間の取引は相殺される
・グループ企業、関連会社の場合、持分法が適用される場合は投資利益(損益)が計上されるだけ
・子会社化することで表面的な財務内容の悪化を招く場合、あえて子会社にする必要はない
・売上高は社会への貢献度合い、企業の社会でのプレゼンス(存在)を示す。企業と社会の接点
・公認会計士は財務会計の専門家、税理士は税務会計の専門家
・付加価値(GDP)から人件費が払われる。GDPが伸びなければ給与も増えない
・フリーキャッシュフロー:企業が自由に使えるお金。ここから未来投資、財務改善、株主加減を行なう
・国民年金の未納率が向上しないなら税方式に移行せざるをえない。一般会計だけでも健全化することが必要
・営業キャッシュフロー:営業活動で得たキャッシュフロー。必ずプラスにすること
・現金が出て行かない費用:有価証券の評価損、減価償却費
・財務キャッシュフロー:資金調達、資金償還。株主還元
・会社の価値を上げるには将来のキャッシュフローを増やす、有利子負債を減らす
・コンサルティング会社:あまり大きくできない事業。大きくしても規模のメリットが利かない。大きくすると管理コストがかかる
・IT産業は小規模で始めた事業をビジネスモデルをそのまま拡大して、利益率を向上させることができる。小さく参入して大きく育てる
・減価償却費:資産についての毎年の価値の目減り分
・自社独自の製品は価格が少々高くても売れるため、高い価格を設定することで、早めに償却額負担をカバー
・顧客を超えた顧客になる
・グレーなものはやってみる。外部リソースなどを使いリスクを極力抑えながら、テストマーケティング的なトライアルを行なう
・ユーザが抱えている問題を解決する「ユーザ・イン」の開発
・先発商品によるブランド力が参入障壁に
・経営計画はまず利益から立てる。利益は自社や社会をよくするためのコスト

-目次-
第1章 1秒だけ財務諸表を見るなら、どこを見るか? -貸借対照表
第2章 なぜ、国の財政は破綻しないのか? -損益計算書
第3章 なぜ、リニアや第二東名はなかなか完成しないのか? -キャッシュフロー
第4章 なぜ、IT企業はブランドにこだわるのか? -固定費と変動費
第5章 なぜ、航空券には早割り格安チケットがあるのか? -増し分利益
第6章 なぜ、液晶テレビの価格はどんどん下がるのか? -直接原価計算
第7章 なぜ、小林製薬ではヒット商品が次々と生まれるのか? -PPM
第8章 なぜ、企業業績は良いのに「現金給与総額」は上がらないのか? -付加価値