読書メモ
・「榊原式スピード思考力」
(榊原 英資 :著、幻冬舎 \952) : 2009.03.29
内容と感想:
著者は現在の日本を大転換の時期と捉えている。
世界全体が変わっていくため、見習うべきモデルがない。そうなると企業はビジネスモデルを変え、個人は生活パターンを変えざるを得ない、
と言っている。それまでの常識が通じなくなるため、自分で「考える」ことが要求されるようになる。
しかし正解を考え出すのはほとんど不可能で、確率的に高いほうを選択し、常に間違う可能性を考慮して行動する必要がある。
そこには意思決定のスピードも求められる。
本書はそうした時代に必要とされる考え方を「スピード思考」と呼び、著者の経験をもとにその力を鍛えるノウハウを説く。
これから社会人になる人、社会人になったばかりの人には特にヒントになることだろう。
グーグルはあらゆる情報を提供してくれて便利だが、正解のない問題に対して答えを教えてくれはしない。
特に本書にはグーグルについての記述はないが、「グーグルで検索しても見つかりませんでした」で終わらせるような人には
なって欲しくないものだ。本書にも出てくるが正解がない時代だからこそ、そうした問題に対しては
自分の頭で考えて、仮説と検証を繰り返しながら答えを出していく習慣が大事になる。
○印象的な言葉
・金融危機と世界同時不況は少なくとも2〜3年は続く
・退却は戦いに負けないため、いずれ勝つための必須条件。スピードが大事
・朝令暮改は悪くない
・自分で確認できないものは信じない
・逆の立場で考える
・常に実験をする
・成功した理由は「運が良かっただけ」
・そのとき出した答えも「暫定的な答えだった」と考える
・納得できる論拠をもって人を動かす
・分からないけど、とにかく決めてスピーディに行動
・感性の鍛え方:感動できるものに多く出会う
・全てを笑って受け止められる余裕
・歴史的視野。歴史から学ぶ
・異分野もどこかでつながっている。それが知の世界を拡大していく
・問題が難しいほど解明したいという意欲を駆り立てる。面白いと感じる
・混乱した時代ほど個人の力がクローズアップされる
・考える力や創造力の土台には「知識の詰め込み」がある
・本「情報の歴史」
・毎日のプランを作る。
・一年くらいの短期的な目標を明確に描く。目標には「当面やるべきこと」を2つくらい決める。それに出来るだけ集中する。
・ハーバードビジネススクールの授業:事前に予習してきたものについて質疑応答する形式
・自分と意見が一致する人と議論しても仕方がない。違う意見をもつ人は貴重。自分の論理の盲点を見つけられる。自分の考え方を確かめられる
・頭の固い人は避ける、かわす、ぶつからない、無視する、やり過ごす。議論しても時間の無駄
・時間が経てば上司も組織も変わるかも知れない。自分の実績や能力を高めていくことが重要
・連想力:自分の仕事に応用できないかと考えてみる
・失敗はいつか成功するためのプロセス。小さな失敗の積み重ねから学ぶ
・あきらめないこと、あきらめるべきことの見極め
・自分の商品価値。自分をひとつの商品のように冷静に観察する。自分の売り方を考える。使い捨てにされない。
-目次-
第1章 疑うことの大切さ ―考える力をつけるスピード思考術
第2章 知識が感性を磨く ―考える力をつけるスピード習慣術
第3章 脳を活かす暗記と復習 ―考える力をつけるスピード訓練術
第4章 頭をやわらかくする方法 ―考える力をつけるスピード行動術
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