ドン・マートンと雛。捕食者のいない居住地へ移転させているところ。
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何かをしなければならなかったのすが、カカポにとって幸運なことは、人々
が関心を持ち始めたことでした。1952年、ニュージーランド内務省が保護運動を始め
るためにカカポの生息地を突き止めるための協力を呼びかけました。1958年から1970
年代にかけて、野生生物局が、今や滅多にいなくなってしまったこのオウムを捜し
て、フィヨルドランド(Fiordland)地域から北西ネルソン(Nelson)地域を定期
的に調査しました。この作業は大変困難なことでした。雨の日も風の日も、足場の
不安定な地形を歩いたり、急峻な地域のでこぼこな足跡にそって歩いたりしなけれ
ばなりませんでした。大変な努力が行われたのですが、ヘリコプターが調査に使わ
れるようになる1974年までに見つかったのは、たった8羽だけでした。
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1960年ないし70年からのカカポの急激な減少の理由を探ろうとしましたが、カカポの習性は殆ど分かりませんでした。1970年代までには、カカポは2つの砦、フィヨルドランドのミルフォード(Milford)集水池とスチュアート島(Stewart Island)だけにしか
残っていませんでした。フィヨルドランドでは、鹿やフクロネズミ(opossum)が険
しい地域には未だ入っておらず、植生の多くが手つかずで残っていたのです。捕食
者も未だ遠隔地には目立ったほどは入り込んではいませんでした。とはいえ、この
状況は急速に変わりつつあり、イタチや猫が存在するというしるしが、この鳥の最
後の安全な聖域に現れつつありました。
ついに、カカポの数は少なくなりすぎて、捕食者のいない島々に安全のために移
転させなければならなくなりました。このことによって、事実上、自然保護家たち
が心配していた、ニュージーランド本島でカカポを絶滅させることにはなりました。
ニュージーランドの自然保護省は現在、繁殖を促進させるために、これらの残った
鳥たちに補助食を与えています。(雛を確実に残すために、カカポは、食料が豊富
な時でも数年に一度しか繁殖しません。)
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自分の食べ物を選ぼうとしているホキ。
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残ったのは、たった54羽ほどのカカポだけです。こんなに減ってしまったので、人々は、これ以上人間がカカポの邪魔をすることをとても心配しています。彼らを自分たちの島にそのまま放っておいた方が良いと思っている人もいますし、出来るだけ影響を与えないで積極的にカカポを研究して、生息数を回復させる新たな方法を見つけた方がよいと考える人もいます。難しい問題です。近年、国際チームが、カカポを援助するための指針である『カカポ回復計画』を再評価するために呼ばれました。彼らは一層の学術調査を提案してました。このサイトの1998年最新情報には、現在の計画を説明してあります。