SOHLA-1 スピンレート簡易計測法


● (No.634) SOHLA-1 スピンレート簡易計測法 (2009年6月16日)
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SOHLA-1 FSS計測データグラフ


http://www.sssrc.aero.osakafu-u.ac.jp/HP_M/html/TSA.html



SOHLA-1 スピンレート簡易計測法 (2009年6月16日)

SOHLA-1 はスピン衛星なので、FSS(*) は太陽に当たったり 日陰に入ったりを
周期的に繰り返します。スピンレートは、太陽に当たってからまた次に太陽に
当たるまでの時間を計測することで、スピンレートを計算することができます。
(*)Osaka Prefecture(Furitsu) University Sun Sensor

衛星から受信した KISSファイルを、解析ソフト「SOHLA-1 Telemetry Decoder」
にかけます。そしてノーマルモードのデータから、太陽光が一番強く当たって
いると思われるデータ、つまり解析ソフトの中段にある黄色インジケーターが
一番明るいデータを見つけ、そのカウンタ値(counter)を記録しておきます(t1)。
そして解析ソフトの下段右下のボタンを押してデータを進めていき、次に再び
インジケーターが一番明るくなったときのカウンタ値を記録します(t2)。この
時間間隔 t2 - t1 [sec]が、SOHLA-1 がスピン一周するのにかかった時間にな
ります。下図の例では、26 - 16 = 10秒 でスピン一周しています。





スピンレートを [rpm](1分間に何回転するか) で計算すると、その時の回転数
は、60 / ( t2 - t1 ) [rpm] として計算できます。スピンレートは短時間で
急激に変化することはないので、この方法で何度か計測して大体同じ計算結果
が出れば、その値がスピンレートの計算結果となります。上図の例で計算する
と、60 / (26 - 16) = 6.0 [rpm] ということになります。

なお、黄色インジケーターの明るさの基準は、太陽の当たる角度が日によって
変わるため目安が難しいですが、この計算方法が一つの目安になると思います。
データのサンプリングは 1秒に 1回なので、それほど精度の良い数値ではない
ですが、目安値としては十分な値だと思われます。また、データの空白が多い
と、太陽が当たっているデータが欠けていて誤って二周分の時間をはかってし
まうことがあるので、注意する必要があります。なるべくデータの欠けが少な
いところで調べるとよいと思います。

《補足》
FSS ノーマルモード運用等の通常運用では、1秒で 1カウンタアップ。
ただし、ハイモードによる計測時は例外で、0.2秒に 1アップします。

この「スピンレート簡易計測法」について、大阪府立大学小型宇宙機システム
研究センターの担当者から多大な助言をいただきました。感謝を申し上げます。


SOHLA-1 テレメトリ解析
http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr628.htm

SOHLA-1 FSS Hi-mode
http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr638.htm

SOHLA-1 Telemetry Decoder
http://www.dk3wn.info/files/sohla.zip


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