● (No.627) SOHLA-1 日照と日陰の判定方法 (2009年4月1日) ------------------------------------------------------ SOHLA-1 から送信されている次のテレメトリの最後の数字の違いに注目して、 (1) FSS_NRM のとき 94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0 02 5 … "5" ならば日照 94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0 02 4 … "4" ならば日陰 同様にして、 (2) FSS_AL2 のとき 94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0 02 7 … "7" ならば日照 94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0 02 6 … "6" ならば日陰 以上のことから、SOHLA-1 がスピン安定衛星であることが わかるとともに、FSS が正常に機能していることがわかる。 このようなことなのですが、さらに管制局から補足説明をいただきましたので、 次に紹介します。 FSS のモードや受光素子のデータ等は、FSS から降りてきます。 バイナリデータを、ASCII 文字コードにより「16進数から文字に変換した値」 を見ます。AX.25 プロトコルは使いません。 (例) この 02 の次にくる数値で、上の例では、"7" が FSSモード (FSS_AL2 日照) になります。 実を言うと、本日(3/31)13:05JST の時点では、まだ FSS はスタンバイモード なので、データをとってない状態です。ちなみに、FSS スタンバイモードでは モードステータスは "0" です。 変換方法をまとめると、 ・FSS モードステータスや 指示値等のデータは、元データを ASCII コードに より、[16進数→文字] に変換するだけ。 ・コールサインやメッセージモードの部分は、上記に加え、AX.25 プロトコル により変換する。 となります。 次は、2009年3月31日(火)昼パスで自局(JE9PEL/1)が、TunaTerm を用いて受信 した Binary データの抜粋です。 [2009/03/31 13:10:55R] 4A 4C 33 59 55 53 3E 4A 4C 33 59 55 4B 20 3C 55 49 3E 3A 02 71 52 1E 1A 1B 1B 1B 1B 1C 1A 1C 1B 1D 1B 1D 1C 1D 1C 1C 1B 1C 1A 1B 1B 1D 1B 1D 1C 1C 1C 1D 1C 1D 1D 09 06 07 07 08 07 09 08 09 09 09 08 0B 18 21 20 22 22 24 24 27 28 2D 2D 32 33 37 3B 3D 3D 41 44 26 32 FF 0D 0A ここで次のような疑問が湧きます。 SOHLA-1 HP の中の解説におけるコールサインの部分の 94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 … J L 3 Y U K 0 J L 3 Y U S 0 が、実際に TunaTerm で受信すると、初めから 4A 4C 33 59 55 53 3E 4A 4C 33 59 55 4B 20 … J L 3 Y U S > J L 3 Y U K となっていることから、データ解析には他の部分も元値に変換する必要がある のではないか? ということです。 これに関して、管制局から次のような説明を受けました。 > 実際に昨日(3/31) 昼パスで,我々と脇田様の受信生データを比較すると > 結果的に内容は一致していました.脇田様の受信データでは,02 以降が > そのまま FSS のデータとなっているので,FSS モードを確認する際は, > そのまま "02" の次の数字を見れば読み取れます. > > ただ,コールサインと FSS モードのデータの間にある,テレメトリIDの > 部分に関してはどうなっているのか,未だ理由がわかっていないので, > 分かり次第お伝えしたいと思います. > > なお、呼び出し符号の部分のみ AX.25 プロトコルによりさらなる変換が > 必要で、FSS_ON のモードを知らせる "02" 以降は脇田さんの変換されて > いる方法で正しいはずです。 > > 受信されているデータと本局のデータの一致を わたくし自身確認いたし > ました。メッセージは英語できれいに変換されていますでしょうか? > メッセージ部分も呼び出し符号と同様に、AX.25 プロトコルにより、 > さらなる変換が必要となっているはずです。 そこで、3月23日早朝に受信保存してあった Binary, Ascii ファイルから一部 メッセージデータの部分を次に抜粋して見てみます。メッセージの部分は綺麗 に Ascii 変換されていることがわかります。 なお、コールサインの後に続く 「3C 55 49 3E 3A」は、「<UI>:」であることもわかります。そして、"02" に 続く重要な数値(16進数)は "C0" であり、これはメッセージモードであること を意味しています。 [2009/03/23 00:28:02R] 4A 4C 33 59 55 53 3E 4A 4C 33 59 55 4B 20 3C 55 49 3E 3A 02 C0 98 48 65 6C 6C 6F 21 20 54 68 69 73 20 69 73 20 74 68 65 20 46 53 53 20 62 75 69 6C 74 20 62 79 20 4F 53 41 4B 41 20 50 52 45 46 45 43 54 55 52 45 20 55 4E 49 56 45 52 53 49 54 59 2E 20 20 20 20 20 7D FF 0D 0A [2009/03/23 00:28:02R] JL3YUS>JL3YUK <UI>: タ路ello! This is the FSS built by OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY. } SOHLA-1 HP の解説ページの下段に、これらに関する説明が追加されています。 http://www.sssrc.aero.osakafu-u.ac.jp/HP_M/html/data.html SOHLA-1 FSSデータの読み方 Subject: Re: まいど1号の受信データについて From: JL3YUS To: Mineo Wakita Date: Thu, 2 Apr 2009 13:32:21 +0900 脇田様 順番が前後しますが、 以前質問された、FSS の 16進数データの読み方からご説明します。 まず、No.0 から N0.63 までの 64個の受光素子データについて説明します。 カウンタ値の次にくる合計 64個のデータが、受光素子の指示値になります。 この数値は、太陽光の強度を表していて、値が大きい程光が強く当たって、 低い所は太陽光があまり当たらず、影になっていることになります。 日照時(モードステータス 5 or 7),この数値を 16進数 → 10進数 にして、 横軸にナンバー、縦軸に変換した指示値をグラフにすると、一部が凹んだよ うな形になると思います。 この凹んだ部分の中心が受光素子の何番になるかで、太陽光の入射角が分か ります。あらかじめ、地上での試験で入射角がいくつの時、影の中心が受光 素子何番になるかを対応表にしているので、それと照合すると入射角がわか る仕組みになってます。 そして受光素子データの次に来るのが、影の中央に位置する受光素子の番号 になります。 (ただし、16進数なので、10進数に換算したものが素子番号になります.) その対応表を添付しておきます。角度の検出にお使い下さい。(下段参照) 次のチェックサムの部分では、テレメトリID (0x02) から角度指示値までの 値の和をとり、下2桁をとったものが表示されます。 >> なんども大阪府立大学の○○様よりご助言をいただき、 >> ほぼ完璧に FSS の読み方が理解できるようになりました。 こちらとしましても、FSSに興味を持っていただいて非常に嬉しく思います。 私も質問を通して理解が深まり、良い勉強になっております。 >> この件については、使用しているソフトの違いかと思います。 >> 我々アマチュア無線家が使っているソフトは東京大学が開発 >> した「TunaTerm(つなたーむ)」が主です。これで Ascii と >> Binary で同時に受信保存することができます。 >> 大阪府立大学の管制局で使用されているソフトは何を使って >> らっしゃるのでしょうか? 差し支えなければお教えいただ >> きたく思います。できればそれを使って実験をしたく思って >> いるのですが... 実は我々のソフトも、つなたーむ(ver.5.3) でして、恐らく TNC の違いで はないかと思います。府大の TNC は、ちょっとややこしい設定みたいです。 ちなみに府大では、TNC は PK-12 を使用しています。 >> ところで僭越なのですが、ここまで理解できたことを >> My_Blog、 および My_HP にまとめてあります。 >> 何かお気付きのことがあればお知らせいただけると幸いです。 HP を拝見しました。 データの読み方なのですが、3月31日以前に送信したメールの内容は 府大の 受信データを元に変換方法を説明したので、アマチュア無線家の取得された bin データに対しては、府大の HP にある説明を見ていただくと、理解して 頂けると思います。 http://www.sssrc.aero.osakafu-u.ac.jp/HP_M/html/data.html 私も、アマチュア無線家の方達に無用な混乱を与えてしまったことを反省し ております。 >> 後は、衛星コールサインに続く 16進数データの部分の >> 換算式の解明です。 お時間のある時で結構ですので、 >> これらに関しても具体的に説明をいただけるとうれしく >> 思います。 長文になってしまいましたが、これらの内容は後々 HP により見やすい形で 掲載したいと思います。 今後とも、よろしくお願いします。 ================================ 大阪府立大学工学部航空宇宙工学科 小型宇宙機システム研究センター SOHLA-1 FSS担当 ================================ (※ 個人情報保護の観点から、個人名は省略させていただきました.) (参考) FSS指示値 太陽光入射角 [deg] 1 86.5 2 84.5 3 82.5 4 81 5 79.5 6 77 7 75 8 74 9 72.5 0A 70.5 0B 69 0C 67.5 0D 66 0E 65 0F 63.5 10 62 11 60.5 12 58.5 13 56.5 14 55 15 54 16 53 17 52 18 51.5 19 51 1A 50 1B 48.5 1C 47 1D 46 1E 45.5 1F 44.5 20 43 21 42 22 41 23 40.5 24 40 25 39 26 38 27 37 28 35.5 29 34.5 2A 33.5 2B 32 2C 31 2D 29.5 注)FSS指示値は16進数です。
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