新衛星IDEFIX, 受信の記録 #6


● (No.335) 新衛星IDEFIX, 受信の記録 #6 (2002年 5月29日)
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Date: Wed, 29 May 2002 12:09:30 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11840] IDEFIX CU1 news

Date: Tue, 28 May 2002 23:43:13 +0200
From: ruygh@attglobal.net
To: AMSAT-FRANCE [amsat-france@yahoogroupes.fr]
Subject: IDEFIX

(訳)

IDEFIX テレメトリデータの収集について、皆様の価値ある協力の全てに対して
感謝の意を表したい。 皆様が観測したように、テレメトリチャンネルは最近の
熱周期の後でも今やゼロを示している。 また、テレメトリが再び復旧する見込
みはないように思う。初期には、ADC (ADコンバータ) の入力マルチプレクサに
問題があることが突き止められたが、正確な原因はわからない。

恐らく 一つにはPCB(プリント基板)の断線、または途中経路の断線? もう一つ
は ADC チップの接合部剥離断線、または熱周期試験の間に示されない初期段階
の単純な致命的原因。 最も考えられる原因として、第7チャンネルの傍の ADC
入力マルチプレクサが、高エネルギー (訳注:宇宙線) の影響により漏洩電流が
増加し、その結果 温度の上昇とともにチップを劣化させることになったと考え
れれる。RAM や ROM あるいはプロセッサーに衝撃を与えたかもしれなかったの
で、これは幸いなケースであった。これは、厚さ 4mm の ALSi 遮蔽装置がある
にもかかわらず起こった。

今までに送られてきた全てのレポートによると、トーン周波数と温度の関係は、
おおよそ、次のようになる。

 T(度C)=1.256*F(Hz)−2240.9

タイムスタンプの 21-0:0:0 以降、(摂氏40度における) 理論上の設計寿命の半
分が過ぎたことを反映して、テレメトリフレームの ヘッダーの最終部分の表示
が変更になった。この最後の部分は、ダウンロード可能な WDECPSK V1.7e によ
って、正しくデコードすることができる。

ケルト語を知らない方々のために、'KENAVO' とは 'good bye' を意味している。
残された寿命は、現在 5日から10日である。
この情報は転載自由である。
では。


(訳注)

原文の "the end header of the tlm frame has changed" とは、残された生存
時間があと半分もないことを予測して、自分(IDEFIX) 自身から、自らの余命を
公表する意味で、'KENAVO' (good bye, さようなら)  と送信しているのです。


(原文)

Dear OM's,

we would like to thank you all for your valuable help for IDEFIX tlm
data collection.
As you may have observed, the tlm channels are now zero even after the
last thermal cycling and we think now unlikely that the tlm will be
recovered again. The default has been traced down to the input
multiplexer of the ADC but the exact cause remains unknown. It may be :
- a crack in the pcb, a via ?
- a bonding crack in the ADC chip or simply infant mortality which
didn't show up during the thermal cycling test.
- most probably a high energy impact in the input mux of the ADC near
channel 7 making the leaking current to rise with temperature and
subsequently accelerating chip deterioration. In that case we have been
very lucky because it could have hit the ram or rom or processor. And
that occured despite a 4 mm thick AlSi shielding.

With all the reports sent so far the relation between tone frequency and
temperature is very roughly :

T(deg celsius) = 1.256*F(Hz) - 2240.9

Starting from time stamp 21-0:0:0, the end header of the tlm frame has
changed to reflect the theoretical maximum half life duration (at 40 deg
celsius). The end sequence can be decoded correctly with downloadable
v1.7e of wdecpsk.

For those not acquainted with celtic language, KENAVO means 'good bye' 
Expected life is now 5- 10 days.
Please feel free to disseminate the info.

Best 73
-- 
--------------
Ghislain RUY
F1HDD/ON1RG
--------------



Date: Thu, 30 May 2002 00:06:25 +0900
From: JH4DHX/3
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11849] Re: IDEFIX CU1 frequency of tone

脇田さん、江崎さん、井地さん、

> タイム・スタンプの 21-0:0:0 以降、テレメトリーフレームの最終ヘッダー
> に変更を加え、理論上の最長寿命(摂氏40度における)の半分を過ぎたことを
> 反映させるようにしました。この終盤メッセージは Wdecpsk v1.7e (ダウン
> ロード可能)で正しく解読できます。

皆さん、どうも有益な情報を有難うございました。
テレメトリデコーダが新バージョン 1.7e に変更されたようですね。さっそく
D/L して、今夜のデータをデコードしてみたところ、以下のとおり正常に表示
されました。

 HOME TIME  29 May 2002 12 : 21 : 04  
T : 22-13:32:53 valid 0 
 HOME TIME  29 May 2002 12 : 21 : 05  
A : V Bat : 0.00 : V : Optro Droit : 0 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  29 May 2002 12 : 21 : 05  
B : Optro Gauche : mV : 0 : T Bat : -273.16 : .c : valid : 0 
 HOME TIME  29 May 2002 12 : 21 : 05  
C : T X+ : -273.16 : .c : Temp Bat : -273.16 : .c : valid : 0 
 HOME TIME  29 May 2002 12 : 21 : 05  
D : T Optro G : -273.16 : .c : Temp TX : -273.16 : .c : valid : 0 
 HOME TIME  29 May 2002 12 : 21 : 05  
H : K E N A V O 

それにしても良く分からないのが、衛星から送信されるテレメトリデータその
ものは変更されていないはず(?)なのに、データ表示が異なる結果を示してい
るということは、やはり衛星の送信データそのものに何らかの変更が加えられ
た (コマンドが送られた) ということなのでしょうか?

私は、AMSAT-FRANCE による CU1/CU2 の電源投入以降については、衛星本体は
いわゆるフリーランの状態で、電池が無くなるまでテレメトリを発信しながら
地球を周回しているものと思っていましたが、これは明らかに地上局から何等
かのかたちで衛星が制御されている証と考えますが、如何でしょうか?

眞田さん、

> 私も25日に受信したIDEFIXのトーンを本日解析してみました。使用したの
> は CoolEdit2000 で、その結果 1794.6Hz となりました。解析ついでにその
> トーンの部分を切り取って PCM ファイルとして保存できたので、この時の
> テレメトリデータ (先に送付済みですが、あちらの便利のための再送付です)
> と共に今送りました。

23日以降、1800Hz のトーン信号を 受信しながら解析していますが、その日に
よって発振周波数も少しづつ変化しているようです。

> 今までに送られてきた全てのレポートによると、トーン周波数と温度の関係
> は、おおよそ次のようになる。
>
> T(度C)=1.256*F(Hz)−2240.9

※上記の式に代入して得られた温度は、次のとおりとなります。

23日 1803Hz  23.70 C
25日 1782Hz  -2.71 C
27日 1795Hz  13.60 C
28日 1785Hz   1.06 C

Amsat-F には、受信したトーンの wavファイルと解析したグラフの jpg画像を
zip で圧縮し、簡単なコメントを付して送付しています。残り 5〜10日との由、
なるべくこまめに受信データを採りたいと思っています。



Date: Thu, 30 May 2002 00:42:04 +0900
From: "Takeyasu"
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11851] Re: IDEFIX CU1 frequency of tone

>  それにしても良く分からないのが、衛星から送信されるテレメトリ データ
> そのものは変更されていないはず (?) なのに、データ表示が異なる結果を
> 示しているということは、やはり衛星の送信データそのものに何らかの変更
> が加えられた(コマンドが送られた)ということなのでしょうか?

広報文によると、「設計寿命の半分が過ぎたことを反映して テレメトリフレー
ムの最後の部分が変わった」とあります。 「変えられた」とはなっていません。
機器の構成説明がサイトにありますが、それを見る限り 衛星側に受信機はあり
ません。

設計寿命 (電池の容量) は 40日と見積もられており、「衛星のタイムスタンプ
が 21日0時0分 からテレメトリが変わった」 と記述されていますので、予めタ
イマー (タイムスタンプ) に応じて 書き換わるようにプログラムされていたよ
うです。

> 私は、AMSAT-FRANCE によるCU1/CU2の電源投入以降については、衛星本体は
> いわゆるフリーランの状態で、電池が無くなるまでテレメトリを発信しなが
> ら地球を周回しているものと思っていましたが、これは明らかに地上局から
> 何等かのかたちで衛星が制御されている証と考えますが、如何でしょうか?

衛星の起動自体もタイマーです。フリーランとの解釈で良いと思います。

先が見えてくると、益々いとおしく感じられます。ボイス・メッセージなので、
「頑張れよ!」とこちらも声を掛けたくなります。hihi



Date: Wed, 29 May 2002 22:10:36 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: "jamsat-bb"
Subject: From IDEFIX web

江崎さん、落合さん、jamsat-bb各局、こんばんは。 ji1izr/眞田です。

先ほどIDEFIXのホームページを見てきたら、(amsat-bbで広報があったのですが)
LogBook が作成されていて、JA6BX江崎さんとJO2OXL落合さん、お2人のコール
が掲載されていました。これは、どのようにして掲載されたのでしょうか?
ちなみに掲載のデータは次のようです。

      Pays   Indicatif Charge Utile (CU)  Date    heure 

      Japon J020XL            2        11 05 2002 12H03 

      Japon JA6BX             2        13 05 2002 10H36 

それから、QSLカードのデザインが更新されていて、一番下に 日本語で「衛星」
と「初志貫徹」という言葉が加えられていました。フランスの QSL に日本語が
印刷されているなんて、「うれしはずかし」な気がしました。



Date: Thu, 30 May 2002 01:59:23 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11853] Re: From IDEFIX web

再度、こんばんは。 ji1izr/眞田です。

IDEFIXのLogBookのCU欄については、受信報告の件数(の内、解析処理済のもの)、
又はQSLの請求枚数のどちらかではないかという気がします。

JA6XKQ / Takeyasu氏 wrote:
> 受信レポートではなく、QSL カードの請求状況のリストと読めます。CU欄は
> 2機のペイロードのどちらを受信したかを示していると思います。 「この
> リストは請求の受け付けを示しています。今処理していますので、送付の際
> にはここでお知らせします」とあります。

JO2OXL / Ochiai氏 wrote:
> CU欄はやはり144Mと430Mのどちらのレポートかではないでしょうか. 私は
> 430Mの方をレポートしてQSLを請求しました.報告は1件ですし(少なくて
> すみません),枚数も特に指定していません. 12とあるのはCU1,CU2両方
> の報告であることを示しているんだと思います.

Ghislain氏に、「このログに掲載されるにはどうするのか」 と尋ねたところ、

***原文***
to be registered for QSL is very simple:
- send a report of idefix, either CU1, CU2 or optical seeing (already
done for you)
- send a SASE with 2 IRC at the postal address mentioned on idefix
website :
Amsat-France
          IDEFIX
          14 bis rue des Gourlis
          92500 Rueil Malmaison
**********

「QSLに登録するのは非常に簡単。(あなたがすでにレポートしたように)
- IDEFIXのCU1、CU2、又は目で見たことをレポートして、
- SASEと2枚のIRCを AMSAT-france の IDEFIX宛に送ればいい」

とのことでした。レポートは今まで皆さんがされたようにメールで行い、別途
QSL請求すれば良いようです。私は今週の月曜日に、エアメールで SWL(QSL)カ
ード(2枚) と SASE、IRC 2枚を送りましたので、そのうちに掲載されるのでは
と期待しています。

それから、カードへの漢字の印刷について皆さんに受け入れていただけたこと、
画像ファイルを送った者として「やってよかった」と思いました。

それから、テレメトリの最後が 'KENAVO' という言葉に変わったのは、タイム
スタンプが 21-0:0:0 を過ぎると自動的に変わったようですね。



Date: Thu, 30 May 2002 20:28:12 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11859] Re: From IDEFIX web

IDEFIX Watcher の皆さん、こんばんは。 ji1izr/眞田です。

IDEFIX の CU1 テレメトリが復活したので、データの取得を是非して欲しい と
Ghislain氏 から依頼がありました。 データ取得不能でも、1800Hz のトーンを
Wdecpsk で録音したものでいいのでよろしくとのことです。

もうすぐ日本でのパスなので、受信可能な方はがんばってください。 私は平日
に何とか受信を試みていますが、昨日も駄目でしたので期待薄です。

ところで、IDEFIX の web にある QSL 請求の「012」の数字についての説明
が追加されていました。井地さんの言われるとおり、「0」は目視報告ですね。
IDEFIX の目視報告は、写真は特に必要ないと思います。どのくらいの明るさで
あったかを星の等級で報告してみてはいかがでしょうか?

井地さん、がんばってみてください。
今日は東京は曇天なので、無理のようです。



Date: Thu, 30 May 2002 21:16:48 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11860] IDEFIX CU1 woke up

(訳)
最近のパス(30 May, 08:44UTC, 日本時間17時44分) で、テレメトリは再び復活
したように見えた。これは ほんの短い時間のことだったのかもしれない。だか
ら、テレメトリの最新ビット(データ)を本当に入手したい。また 1800Hzトーン
を同時に録音できるならば、CU1 の温度/周波数の関係を正確に決定するために
有用である。

WDECPSK の 'Config' タブをクリックして、'Wav file' ボックスにチェックを
入れると、データをデコードしながら PCM ファイルとして録音できるだろう。
その後 そのファイルを直接我々に送付するか、ファイルを編集するために選ん
で、CoolEdit などのツールを用いて 1800Hz試験トーンのみを記載してほしい。
ファイルのパラメータは次のとおりである。 8000Hz, 8 bits, mono.

この情報は転載自由である。

我々 Amsat-F は、あなた方が熱心に IDEFIX に対して行ったすばらしい仕事に
おいて、日本の方々に恩を受けている。


(原文)
Date: Thu, 30 May 2002 09:59:35 +0000
From: ruygh@attglobal.net
Subject: IDEFIX

Dear OM,
at the last pass (30 may 0844 UTC), the TLM seemed to wake up again. It
may be that it could be for a short time and it is therefore very
desirable that we try to get the last bit of tlm. It would also be
useful that the 1800 Hz tone be recorded simultaneously in order to
precisely determine the temp/freq relation of CU1.
WDECPSK can do it as in the config tab, you can check the wav file box
and it will record a pcm file for you when decoding. After that, you can
send it directly to us or choose to edit the file and keep only the 1800
Hz test tone with a tool like cooledit or equivalent. The parameters of
the file are : 8000Hz, 8 bits, mono.

Please feel free to disseminate the info.

Here at Amsat-F, we are in debt to the japanese Om for the wonderful
work you have done on IDEFIX and your enthusiasm.

Ghislain.



Date: Thu, 30 May 2002 22:59:35 +0900
From: iji
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11861] Re: From IDEFIX web

JA6PL 井地です。
復活していますね。!
目視の件、気を付けておきます。

 IDEFIX TLM FILE 
 WDECPSK FIHDD - XTOPHE
 IDEFIX TLM FILE 
 WDECPSK FIHDD - XTOPHE
 HOME TIME  30 May 2002 20 : 56 : 41  
A : V Bat : 14.09 : V : Optro Droit : 129 : mV : valid : -4 

上記は、留守どきの放置?ワッチデータです。
この断片データも、送っておきました。

-------------------------------------------------------------
IDEFIX TLM FILE 
 WDECPSK FIHDD - XTOPHE
 IDEFIX TLM FILE 
 WDECPSK FIHDD - XTOPHE
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 31 : 32  
C : T X+ : 22.74 : .c : Temp Bat : 17.94 : .c : valid : 0 
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 31 : 32  
H : K E N A V O 
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 33 : 50  
WDECPSK 1.7e - AMSAT-FRANCE registred to NOTREGIS 
 IDEFIX TELEMETRY DISPLAY F1HDD - XTOPHE 
H : I D E F I X 
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 33 : 50  
A : V Bat : 14.08 : V : Optro Droit : 1 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 33 : 50  
B : Optro Gauche : mV : 0 : T Bat : 22.64 : .c : valid : 0 
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 33 : 51  
C : T X+ : 22.64 : .c : Temp Bat : 17.84 : .c : valid : 0 
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 33 : 51  
D : T Optro G : 19.84 : .c : Temp TX : 25.04 : .c : valid : 0 
 HOME TIME  30 May 2002 22 : 33 : 51  
H : K E N A V O 
以下略



Date: Fri, 31 May 2002 01:08:33 +0900
From: JH4DHX/3 大谷
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11862] Re: IDEFIX CU1 frequency



> 広報文によると、「設計寿命の半分が過ぎたことを反映して、テレメトリ・
> フレームの最後の部分が変わった」とあります。「変えられた」とはなって
> いません。機器の構成説明がサイトにありますが、それを見る限り、衛星側
> に受信機はありません。

なるほど.. 私も最初は、そう思っていましたが、低温状況が続くなか地上から
コマンドを送ることによって、予定より早く送信機を ONにしたものと勘違いし
ていました。 だから、衛星のテレメトリ内容も、途中で変更可能なんだろうな
って素朴な疑問を抱いていた訳です。(^^;

-----
AMSAT-Fより緊急のお願いが入りました。

5月4日に打上げられたIdefix衛星が予定より
早くONになったようです。フランスでの受信報告
が既にamsat-bbでも流れています。

予定より早くONとなった原因として低温状態が
続いているのではないかとみられ、電池の機能低下
が懸念されるため、できるだけ早い時期に多くの
テレメトリを必要としています。
-----

「緊急のお願い」ということですから、AMSAT-Fも予想外の展開に慌てていたの
だろうと思います。地上からのコマンドなら もっと余裕があったはずですよね。

> 設計寿命(電池の容量) は40日と見積もられており、「衛星のタイムスタンプ
> が 21日0時0分 からテレメトリが変わった」 と記述されていますので、予め
> タイマー(タイムスタンプ) に応じて書き換わるようにプログラムされていた
> ようです。

>> 私は、AMSAT-FRANCE によるCU1/CU2の電源投入以降については、衛星本体は
>> いわゆるフリーランの状態で、電池が無くなるまでテレメトリを発信しなが
>> ら地球を周回しているものと思っていましたが、これは明らかに地上局から
>> 何等かのかたちで衛星が制御されている証と考えますが、如何でしょうか?

> 衛星の起動自体もタイマーです。フリーランとの解釈で良いと思います。

はい、了解しました。
要するに、もともと衛星の設計寿命は 40日間として計算されていて、その半分
の 21日が過ぎたことにより、衛星本体のタイマー制御によって、テレメトリの
内容が 予め用意されていたものに自動的に変更され、それが送信されるように
なったということですよね。これで、私が使用していたV1.7dの旧デコーダで、
デコードの結果に同じ不具合が発生したことも納得できます。

コマンドではなくて、すべてタイマー仕掛けによる結果ということなのですね。

> 先が見えてくると、益々いとおしく感じられます。ボイスメッセージなので、
>「頑張れよ!」とこちらも声を掛けたくなります。hihi

そうですね。特にCU1は、音声を主体としたもので、日本語のメッセージも頻繁
に流れてきます。もうすでに聞き覚えのある「声」となってしまいました。(^^)
これまで継続して受信してきましたが、CU1については、さほど受信状態に大き
な変化はないように思います。深いQSBと時折混入するノイズは最初のままです。
ただ、センサー系のトラブルによって、衛星の電圧/温度テレメトリが不安定な
状態になっていることが少々残念です。 どうやら、本日復活したようですが、
このまま継続したデータの送信を祈りたいものです。



Date: Fri, 31 May 2002 11:44:36 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11863] IDEFIX CU1 on 31 May

本日 午前のパスで、CU1 から次のデータのみ受信解読できました。
「valid:0」の部分の数値を見ると、正常値を示しているようです。
一番下に、『KENAVO (good bye, さようなら)』の字句が見えます。
あと数日の命です。

 IDEFIX TLM FILE 
 WDECPSK FIHDD - XTOPHE
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 49 : 45  
T : 24- 2:37:49 valid 0 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 49 : 45  
A : V Bat : 13.97 : V : Optro Droit : 25 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 49 : 45  
B : Optro Gauche : mV : 23 : T Bat : 11.44 : -c : valid : 48 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 49 : 45  
C : T X+ : 11.54 : -c : Temp Bat : 7.34 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 49 : 45  
D : T Optro G : 11.14 : -c : Temp TX : 14.34 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 49 : 45  
H : K E N A V O 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 50 : 19  
T : 24- 2:38:23 valid 0 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 50 : 19  
A : V Bat : 13.97 : V : Optro Droit : 37 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 50 : 19  
B : Optro Gauche : mV : 37 : T Bat : 10.94 : -c : valid : 32 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 50 : 19  
C : T X+ : 9.94 : -c : Temp Bat : -132.86 : -c : valid : 146 
 HOME TIME  31 May 2002 10 : 50 : 20  
H : K E N A V O 



Date: Sat, 01 Jun 2002 02:06:46 +0900
From: JH4DHX/3 大谷
Subject: [jamsat-bb:11866] IDEFIX/CU1 tlm on May 31
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp

井地さん、脇田さん、皆さん

> 復活していますね。!

> 本日 午前のパスで、CU1 から次のデータのみ受信解読できました。
>「valid:0」の部分の数値を見ると、正常値を示しているようです。
> 一番下に、『KENAVO (good bye, さようなら)』の字句が見えます。
> あと数日の命です。

31日夜、22時過ぎからのパスをワッチしてみました。
このパスは、SSE-Z-NNWへと抜けるものであり受信状態は比較的良好でしたが、
天頂通過の割には、さほど信号は強くなりませんでした。やはり、衛星の飛翔
状態に依存する部分が大きいのでしょうかね ...   テレメトリを見てみると、
確かにデータは正常値を示しており、復活していることが伺えますね。
(注:時間は、UTCです。)

 HOME TIME  31 May 2002 13 : 09 : 10  
WDECPSK 1.7e - AMSAT-FRANCE registred to NOTREGIS 
 IDEFIX TELEMETRY DISPLAY F1HDD - XTOPHE 
H : I D E F I X 
 HOME TIME  31 May 2002 13 : 09 : 10  
T : 24-13:50: 5 valid 0 
 HOME TIME  31 May 2002 13 : 09 : 10  
A : V Bat : 13.88 : V : Optro Droit : 40 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 13 : 09 : 10  
B : Optro Gauche : mV : 22 : T Bat : 3.24 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 13 : 09 : 11  
C : T X+ : 3.54 : -c : Temp Bat : -1.56 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 13 : 09 : 11  
D : T Optro G : 0.34 : -c : Temp TX : 6.64 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  31 May 2002 13 : 09 : 11  
H : K E N A V O 

CW のID も、久しぶりに完全コピーできました。また、1800Hzのトーン信号も
弱いながら受信できたので、テレメトリと一緒に AMSAT-France に送っておき
ました。私の解析結果では、約1795Hz と出ました。

眞田さん、

> IDEFIX の目視報告は、写真は特に必要ないと思います。 どのくらいの明る
> さであったかを星の等級で報告してみてはいかがでしょうか?

今夜の大阪は、ほぼ全天が雲に覆われていて、残念ながら衛星を目視すること
は出来ませんでした。また、次のチャンスを狙ってみたいと思います。まあ、
こちらは電波の送信が止まったあとでもロケットの本体は目視できますので、
さほど慌てる必要もないのかと ... (^^;


> ハイテク(死語!?) な衛星が続くなか、電池運用でビーコンだけという
> 清清しさが好きです。単純なだけにハマってしまいました。 (しかし、
> 想像するほど単純ではないのでしょうけど、、、)

はい。全く同感です。
シンプルな衛星が周回していることを想像すると、なんだか親近感みたいなも
のを感じてきてしまいます。アンテナを AOS方向に向けながら暫し待っている
と、やがて音声メッセージが聞こえ出します。 これを聞く度に、 "お〜 まだ
元気だったか" と、何かホッとするようでホント不思議です。

> 運用期間が短いということで、当初は専ら CU2 を追っかけていました。
> CU2 と CU1 を比較すると、強くて短時間にきっちり受信できたのが CU2 
> で、弱くてダラダラと QSB混じりで受信できるのが CU1 という印象です。
> 送信出力の差異のほかに、アンテナが一基 (CU2) か二基 (CU1) かという
> 違いが出ているような気がします。二基が故にQSBが激しいのではないか,,,?

確かに、そういう感じですね。
送信内容も テレメトリが主体の CU2 と、音声メッセージが頻繁に流れる CU1
とで印象も異なるのだと思います。 私も、当初 CU2 のみを集中して受信して
いました。また、CU1 の信号が弱いという印象は皆さん共通のようですね。

今夜のパスのように、衛星の見かけ上の高さ (仰角) が高くても必ずしも信号
が強いとは限りません。やはり、ロケットの飛翔状態 (姿勢) によるものが大
きいと推察していますが、確かにアンテナの動作状態による結果も反映してい
ると考えたほうが合理的かもしれません。



Date: Sun, 2 Jun 2002 00:42:29 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11868] IDEFIX CU1 at 2317 JST June 1st

ji1izr/眞田です。

23:17 からの IDEFIX のパスを受信しました。高度は低かったのですが 1800Hz
のトーンも聴くことができ、まずまずの結果でした。 このトーンの部分の pcm
ファイルを切り出して、他のデータと共に AMSAT-france に送付しました。
トーン周波数は 1,783Hz でした。テレメトリ(抜粋) は次のとおりでした。

WDECPSK 1.7e - AMSAT-FRANCE registred to NOTREGIS
 IDEFIX TELEMETRY DISPLAY F1HDD - XTOPHE
H : I D E F I X
 HOME TIME  01 June 2002 23 : 22 : 25
A : V Bat : 13.71 : V : Optro Droit : 1 : mV : valid : 0
 HOME TIME  01 June 2002 23 : 22 : 25
B : Optro Gauche : mV : 1 : T Bat : -6.36 : -c : valid : 0
 HOME TIME  01 June 2002 23 : 22 : 26
D : T Optro G : -8.26 : -c : Temp TX : -2.06 : -c : valid : -7
 HOME TIME  01 June 2002 23 : 23 : 03

電池の電圧が 13.71V となっていますが、同じパスの次のデータでは、

HOME TIME  01 June 2002 23 : 23 : 04
A : V Bat : 13.68 : V : Optro Droit : 1 : mV : valid : 0

となり、先の 21時のパスと同じになっています。

本日、JAMSAT東京エリアミーティングで、IDEFIX の受信をお勧めしましたが、
皆様いかがでしたでしょうか。 このとき、一番肝心なことを言い忘れたことに
気が付きました。 それは、ドップラーシフトが非常に大きいということです。
上記 23時のパスで、AOS から LOS までのドップラーシフトは、+/- 3kHz 位
ありました。 ですので、信号の合間にもダイアルはどんどんと下げていかない
と、信号を見失うことになります。 また、AOS では 145.841MHz 位から聴き始
めないと、何も聞えないことになります。



Date: Sun, 2 Jun 2002 01:38:44 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: "jamsat-bb" [jamsat-bb@jamsat.or.jp]
Subject: [jamsat-bb:11870] IDEFIX に興味を持った方へアドバイス

おはようございます、 ji1izr/眞田です。

 IDEFIX に興味を持って受信してみようと思った方へ、私なりのアドバイスを
まとめてみました。 あと 5〜10日間のチャンスですので、是非挑戦してみて下
さい。

1.アンテナは、出来れば指向性のあるもの (3エレ八木で十分) を使用する。

2.リグは FM受信できるものなら OK。 ハンディでもいいが、受信感度が低い
  機種の場合は、アンテナにそれなりのものを使う必要あり。

3.受信周波数の中心は 145.838MHz だが、AOS (地平線からでたばかり) では
  +2〜3KHz 上の 145.840MHz とし、ピーク時に 145.838MHz、LOS (地平線に
  隠れるとき) では 145.835MHz 付近まで下げる。 音声とデジタルとの切り
  替わる間は、10秒くらいあるが、その間もダイヤルは 徐々に下げていく。
  しかも 10分の間に 6KHz 動くので、衛星通信用のリグを使用している人は
  要注意。 FMトランシーバ利用の人は、あまり気にせず、145.85MHz に設定
  しておく。

4.音が途切れても、じっと待つ。 QSB 及びデジタルと音声の切り替えの無音
  部分の可能性が大きい。

5.今までの経験上、パスの後半の方が良く聞えるように思います。でも 周り
  の障害物の状況によるので、とにかく 10分という短いパスですから、その
  間は諦めないで Watch してみてください。

東京近辺での明日(6/2) の日曜日のパスは次のとおりです。 (Winorbit で最新
データで計算しました。東京近郊以外の方は申し訳ありません。)  仰角が10度
以下は、その方向に障害物が無い場合を除いて無理かもしれません。

IDEFIX/ARIANE 42P
(NASA.2LI) Catalog Number 27422U  Set No. 29

時刻       周波数        方位角     仰角
JST          M.  K.  Hz  0=北(右回り)
09:51:26   145.841.036     23        0
09:58:47   145.838.038     98       36
10:05:59   145.834.947    173        0

11:31:19   145.840.920    358        0
11:38:11   145.838.034    293       24
11:44:57   145.835.106    228        0

19:33:22   145.839.293     80        0
19:36:34   145.837.950     54        3
19:39:45   145.836.616     29        0

21:07:29   145.841.177    147        0
21:14:51   145.837.999     71       42
21:22:14   145.834.796    356        0

22:47:50   145.840.837    202        0
22:54:36   145.838.016    266       20
23:01:25   145.835.193    329        0



Date: Sun, 02 Jun 2002 13:48:24 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11873] IDEFIX CU1 tone frequency

本日(6/2, 09:51-10:06JST) のパスで、IDEFIX CU1 (145.838MHz) からのテレ
メトリ信号の内、1800Hz トーン周波数や CW信号を受信保存し、解析をしてみ
ました。 今回、ファイル変換等に使用したプログラムは、 WDECPSK, SCMPX,
CoolEdit2000  の三つです。解析の結果、トーン周波数は 1788Hz で、温度は
約 4.83 [C]  となりました。この解析の手順を次に示します。


  WDECPSK  V1.7e : PCM ファイルを保存 ( 6634 KBytes)
  Cool Edit 2000 : トーン周波数を測定 ( 1788 Hz = 4.83[C])
  Cool Edit 2000 : WAV ファイルに変換 ( 2674 KBytes, 8000Hz, 8 bits)
  SCMPX  V1.5.1  : WAV ファイルを変換 (10695 KBytes,16000Hz,16 bits)
  SCMPX  V1.5.1  : MP3 ファイルに変換 ( 1671 KBytes)


WDECPSK V1.7e  http://perso.club-internet.fr/fa1rtp/idefix/e-index.htm
CoolEdit 2000  http://www.syntrillium.com/download/
SCMPX  V1.5.1  http://www.din.or.jp/~ch3/scmpx.html

なお トーン周波数の測定は、 CoolEdit2000 - Analyze - FrequencyAnalysis
として、衛星からのトーン信号のピークにマウスカーソルを合わせると自動的
に表示されます。そして、周波数から温度への換算は、次式を用いました。

  T(度C)=1.256*F(Hz)−2240.9=1.256*1788(Hz)−2240.9=4.83[C]

下記に登録してあるファイル等は、ノイズが混じり状態はよくありませんが、
最初の方に 1800Hz トーン周波数、最後に CW信号、そして 真ん中の部分に
音声信号やテレメトリ信号がいくつか聞こえます。

WAV (2674KB)   http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/20602ide.wav
MP3 (1671KB)   http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/20602ide.mp3



Date: Sun, 2 Jun 2002 22:08:35 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11876] Re: IDEFIX CU1 tone frequency

脇田さん、皆さん、こんばんは。 ji1izr/眞田です。

私も昨日と本日の IDEFIX を受信し、CoolEdit2000 でトーンの周波数を測った
ところ、どちらも 1783Hz でした。  1.256*1783-2240.9=-1.452  となります。

脇田さんの結果と異なるのですが、これはパソコンのクロックの差なのでしょうか。


Date: Sun, 2 Jun 2002 22:34:15 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: amsat-bb@amsat.org
Subject: [amsat-bb:58981] Re.IDEFIX CU1 tone freq.

Hello everyone,
This is ji1izr/Masahiro Sanada from Japan.

I also measured the frequency of IDEFIX CU1 tone by using same software
as Mr. Wakita.  The pass time is the same but the frequency is '1783Hz'
and the calculated temperature is '1.256*1783-2240.9=-1.452'.

What is the reason of this difference?
Computer clock?


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