サウンドカード(AGWPE) によるパケット受信法


● (No.284) サウンドカード(AGWPE) によるパケット受信法 (2001年 10月7日)
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衛星からのデジタル信号をコンピュータ画面上にデコードするためには、信号
をいったん TNC と呼ばれるハードウェア (9600bpsの場合は G3RUHデモデュレ
ータ) に入れ、そこで信号を変換した後、RS232 インターフェースを経由して
ハイパーターミナル, Exterm などの通信ソフトを使用する必要がありました。

ところが最近は、サウンドカードを利用してパケットのデコードを行うソフト
ウェアがいくつか発表されるようになりました。特定の衛星を対象とするもの
としては、AO-40用の "AO40RCV", "WDECPSK"、また、UO-11用の "Uo11DEM" な
どが知られています。 通常の AX.25 パケットに対応したソフトウェアとして
は、SV2AGW/Rossopulos George氏が作成した "AGWPE" が良く知られています。

この "AGWPE" は、非常に広い目的のための通信用のソフトウェアなのですが、
プロパティの 'Tnc Type' の設定の箇所で、 'Sound Card' を指定することに
よって、TNC を使用せずにサウンドカードのみで、パケット信号をデコードす
ることができます。 その設定手順を、ここで簡単に解説します。

まず SV2AGW氏 のホームページから、二つのファイルをダウンロードします。

 http://www.raag.org/sv2agw/

 AGWPE.ZIP ........ AGW Packet Engine  : 設定用ファイル
 AGWMONITOR.ZIP ... AGW Packet Monitor : 受信用ファイル

この二つのファイルを、Winzip等を用いて、同じディレクトリに解凍します。
解凍して現れるファイルのうち、"AGW Packet Engine.exe" (Ver.2001.38) を
最初に起動します。何秒かすると起動画面が消えてしまって焦ってしまいます
が、タスクバー (画面の最下段右下) にアイコンとして、ちゃんと起動してい
ますので、安心して下さい。 (小さな鉄塔が2つ建っているアイコンです。)

ただし、古いマシン(何年も前のDOS/V機など)では、DLLファイルのバージョン
の違いによって "AGW Packet Engine.exe" が立ち上がらない場合があります。
 (WS2HELP.DLL, WS2_32.DLL, WSOCK32.DLL, MSWSOCK.DLL, WINSOCK.DLL など)
その時は、他のマシンから探し出して、新しいものに差し替えてみて下さい。

次に、この "AGW Packet Engine.exe" のアイコンを 左クリックすると、項目
メニューがポップアップしますので、その一番上の 'Properties' をクリック
します。 そしてさらに、右側の 'New Port' ボタンをクリックすると、Port1
の 'Properties' 設定画面が現れます。 次に、各項目を設定していきます。

'Select Port' は、デジタル信号を受信するだけならばコンピュータ上の実在
しないポート (例えば LPT3:) を指定しておきます。 そして 'Tnc Type' は、
'Sound Card' を選択します。さらに 'Tnc Radio Port' は、例えば 新衛星の
PCsat ならば、'145.825Mhz 1200baud' と書き込みます。最後に 'OK' ボタン
を押すと再起動を促されますので、画面右下のアイコンをクリックし、'Exit'
をクリックしていったん終了し、"AGW Packet Engine.exe" を再度、起動し直
します。

  Select Port ...... LPT3:
  Tnc Type ......... Sound Card
  Tnc Radio Port ... 145.825Mhz 1200baud (例)

以上で設定は終りです。

"AGW Packet Engine.exe" を起動したままで、 "AGWMONITOR.ZIP" を解凍して
現れる "agwmonitor.exe" を、次に起動します。起動する度に怪しげな写真が
表示されますが、何秒かすると消えますので、気にしないで下さい。 最初に、
'Fonts' メニューで表示フォントとサイズを設定するとよいでしょう。そして
File - Properties で自局のコールサインも設定しておきます。

無線機のスピーカー出力とサウンドカードのライン入力を、所定のケーブルで
接続すると、衛星からのパケット信号が画面上に次のように表示されます。


 1:Fm PCSAT-1 To BEACON Via SGATE (UI pid=F0 Len=42 )[12:53:49]
T#027,123,124,068,130,213,11111111,1110,1

 1:Fm PCSAT-1 To BEACON Via SGATE (UI pid=F0 Len=74 )[12:54:07]
:072114z OPS-Normal on 145825 using only 1 pkt per 2 mins for now.

 1:Fm PCSAT-1 To BEACON Via SGATE (UI pid=F0 Len=42 )[12:54:50]
T#028,162,159,063,211,213,11111110,1111,1

 1:Fm PCSAT-1 To APRS4 (UI pid=F0 Len=76 )[12:54:51]
:BLN4PCSAT:Format of a Bulletin  is designed to match TH-D7 display.

 1:Fm PCSAT-1 To BEACON Via SGATE (UI pid=F0 Len=74 )[12:55:07]
:072114z OPS-Normal on 145825 using only 1 pkt per 2 mins for now.

 1:Fm PCSAT-1 To APRS3 (UI pid=F0 Len=76 )[12:55:11]
:BLN3PCSAT:www.ew.usna.edu/pcsat   for details abt operating

 1:Fm PCSAT-1 To APRS2 (UI pid=F0 Len=76 )[12:55:30]
:BLN2PCSAT:Welcome to a new facet  of satelites for mobiles.

 1:Fm PCSAT-1 To APRS1 (UI pid=F0 Len=76 )[12:55:47]
:BLN1PCSAT:Testing OK! GPS is off. Watch BLNS 4 user info about operatin

 1:Fm PCSAT-1 To BEACON Via SGATE (UI pid=F0 Len=74 )[12:56:07]
:072114z OPS-Normal on 145825 using only 1 pkt per 2 mins for now.

 1:Fm PCSAT-1 To BEACON Via SGATE (UI pid=F0 Len=42 )[12:56:49]
T#030,118,121,131,118,213,11111111,1101,1


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