いて座 σ星(Nunki)


● (No.278) いて座 σ星(Nunki) (2001年 9月29日)
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本日(9/25)は、雲一つない穏やかな秋晴れでした。

夜、南の空に半月(上弦の月)が浮かんでいます。そのすぐ右下に、小さな火星
Mars が明るく赤く輝いています。

目を凝らして見ると、その月と火星の間に極めて小さな恒星があることに気付
くと思います(肉眼で目視可能)。  Nunki という恒星のようですが、天文年鑑
(誠文堂新光社)で調べてもよくわかりません。正体不明です。

日没後18時(JST)頃 凝視していると、月のすぐ傍を スーー と横切る人工衛星
らしき物体がありました。後で調べてみても、この時間に飛翔する衛星はあり
ません。どうやら、飛行機だったようです。


今(9/28)は、月と火星は大分離れてしまいましたが、火星は南天に赤く輝いて
います。その火星に寄り添うように、小さな恒星が輝いていることに気が付く
でしょうか。

先日(9/25)の日没後に、火星の傍を人工衛星らしき物体(飛行機?)が飛んでい
て、その火星のすぐ傍に浮かぶ 極めて小さな星は、恒星『Nunki』らしいとい
うことを書いて以来ずっと気になっていたので、少し資料で調べてみました。
やはり、Nunki でした。

「いて座」を構成している南斗六星と呼ばれる、北斗七星に似た星のつらなり
の中にある星です。 この6個の星の中で二番目に明るい(と言っても 2.0等級
で肉眼でやっと見えるほど)の σ星と呼ばれる星です。


                μ

        σ     λ
      τ    φ

       ζ


この Nunki(σ星)は、地球から 220光年離れている星で、Nunki(ヌンキ)とは、
シュメール語で「海の始まるしるし」という意味があります。星図絵では大弓
に矢をつがえた半人半馬の賢人ケイローンの姿の、ちょうど右手あたりに位置
しています。

このケイローンは、神々から狩猟や医術・音楽・予言などを授けられ、これを
ギリシャの英雄たち、へびつかい座のアスクレピオスやヘルクレス、アルゴ船
座のイアーン隊長などに教えた賢者だったと言われています。(ギリシャ神話)


 参考文献 2001年版   天文年鑑   誠文堂新光社
      ビジュアル版 星座への招待 河出書房新社


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