しし座流星群(in 11/18 '98)


● (FUROKU.88) しし座流星群(in 11/18 '98) (1998年11月14日)
 ---------------------------------------------------------

 既に公表されているように、1998年11月17日(火)深夜から18日(水)未明に
 かけて、「しし座流星群」が大出現します。ピークは18日午前4時〜5時頃
 です。目印は、この時の真東にある赤い「火星」です。この火星からやや
 上のところ(しし座のライオンの頭にあたる「?」マークのひっくり返し
 のような星々)から流星雨が飛び出してきます。

 私の地元の 「横浜こども科学館 (財)横浜市青少年科学普及協会」から、
 次の解説を引用します。

 ------------------------------------------------------------------
                       [☆] 人工衛星への脅威  [☆]

  しし座流星群の大出現によって、地球周囲の人工衛星に被害がでるかも
  しれません。前回の大出現のあった1966年当時とは違い、人工衛星
  の数も相当増えています。機能している人工衛星は現在およそ500〜
  600個あり、その一部に被害がでるかもしれないのです。(1966
  年当時機能していた衛星は約100個)
  
  しし座流星群の流星物質は、地球の軌道運動に対し正面衝突するような
  かたちになるため、秒速71kmという猛スピードで地球にぶつかって
  きます。6分の1mmの粒子がぶつかっても、22口径(約5.6mm)のピ
  ストルの弾丸の衝撃があるといいます。(AW&ST Oct. 5 , 1998, P. 24)

  衝突時の高熱で、衛星の一部が、気体の一種である「プラズマ」(電気
  を通す性質があります)となり、これが衛星の装置内に貫通すると、放
  電によって装置の一部が壊れる危険もありますし、衛星表面でもプラズ
  マが静電気放電を起こす心配があります。実際、1993年8月のペル
  セウス座流星群の際、ヨーロッパ宇宙機関の実験通信衛星「オリンパス
  」が、流星粒子の衝突で故障したと見られています。

  通信やナビゲーション・システムなどに影響がおよぶことも心配されて
  います。

  ハッブル・スペーステレスコープは、極大頃の10時間、望遠鏡の底の
  部分を放射点に向けておくそうですが、その間もクエーサーの観測を行
  います。(そのようすの図。スペーステレスコープ科学研究所のページ
  より)

  ロシアのミールステーションでは、1998年11月11日、流星粒子
  を採取する装置を船外に取り付けました。極大予想時刻の頃には、万一
  の場合に備え緊急脱出ができるよう、ドッキング中のソユーズ宇宙船に
  避難します。

  デリケートな装置をあらかじめ停めておいたり、断面積の少ない面を放
  射点に向けておくことなどが人工衛星に対する予防策です。国際通信衛
  星機構(インテルサット)では、そうした予防措置をとるほか、地上で
  衛星の監視にあたる職員を増員するそうです。幸い今回は、太陽方向と
  放射点の方向は直角に近いので、衛星の太陽電池板の向きを大きく変え
  る必要はありません。

  さきに説明したように、流星群の粒子はたいへんまばらです。人工衛星
  に衝突する確率はおよそ100分の1という見積もりや、ハッブル・ス
  ペーステレスコープのアルミ製外殻を貫くような粒子が当たる確率は1
  万分の1以下という見積もりもあり、あまり深刻になるほどではないか
  もしれませんが、万一に備えるにこしたことはありません。

  NASAでは、流星群の激しい活動時期には、スペースシャトルを打ち上げ
  ないようにしています。
 ------------------------------------------------------------------
         http://www.city.yokohama.jp/yhspot/ysc/index2.html





                  1998年11月18日(Wed)朝3時頃の東の空
                 [18-Nov. 3:00JST 1998  QTH Yokohama]
                                                                 *
                                                            *
                                                                ..*
                                                               *
                                                                      *
                             * *
         * *                 *                                   *
           *                  * *                             オリオン座
         *                         *
        *                 *
       *                     *    しし座
        *                 *
   北斗七星
                               o 火星


    [北東]---------------[東]---------------[南東]---------------[南]



 ところで、星座と人工衛星の軌跡を調べていて、丁度この流星雨が激しい
 時に、日本の衛星FO-29が「しし座」の方向の まん真ん中を通過すること
 がわかりました(下記)。 流れ星に当たらないことを祈ります。


       [FO-29]             AOS      TCA      LOS
                  JST     3:15     3:24     3:34 (11/18 1998)
                  Azm       18       92      176 (北東〜真南)
                  Elv        0       47        0 (Max 47)
               Height     1330     1254     1121 (Km)
                Range     4268     1600     4080 (Km)


 次のページへ移る.

 ホームページ(目次)へ戻る.