デジタル衛星KO-25 テレメトリ解析 #1


● (FUROKU.52) デジタル衛星KO-25 テレメトリ解析 #1 (1998年 4月2日)
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  デジタル衛星KO-25 テレメトリ解析 #1
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                          by JE9PEL/1 脇田

 先日来、日本の衛星FO-29のテレメトリ解析をしていましたが、今回は 韓国
 のデジタル衛星KO-25のFSKテレメトリを「WiSP」プログラムを用いて受信し、
 さらに、そのデータをテレメトリ解析プログラム「wisp-tlm.exe」を用いて
 解析してみました。3月29日にデータを受信した時の状況は次のとおりです。


     [KO-25]             AOS      TCA      LOS
                JST    11:04    11:11    11:18 (3/29 '98)
                Az.      360      290      220 (真北〜南西)
                El.        0       31        0 (Max 31)
              Range     3257     3275     3294 (Km)
             Height      791      792      794 (Km)
             Frequ.  436.506  436.500  436.494 (MHz/9600bps)


 まず、Windows95版「WiSP32」(GSC v2.01a)上で、次の設定をしておきます。


  ※  GSC - Setup - Satellite Setup - KO-25 - Edit - 
      - MSPE Settings - General - (チェック)LOG Telemetry frames


 上記の周波数(Frequ)において、衛星からのデジタルデータが「MSPE」上で
 流れるようにデコードされている間に、同時に衛星からのテレメトリデータ
 が、HDDの「c:/wisp/ko-25」フォルダ内に、「yymmddhh.tlm」という形式の
 ファイル名で自動的に保存されていきます。この日、受信し作成されたファ
 イルは「98032902.tlm」(UTCの02は、JSTの11) というファイル名でした。

 さて、AMSATで公開されている「wisp-tlm」は、Windows3.1用のテレメトリ
 解析プログラムなので、このままではWindows95上でこのプログラムを動作
 させることはできません。WiSP作者の G7UPN(ZL2TPO)/Chris Jackson氏に
 以前、Windows95用のテレメトリ解析プログラムの作成の進捗状況を伺った
 ところ、ほとんど完成している旨の私信(メール)を受け取りましたが、現
 段階では、まだ、AMSATには登録されておりません。

 ここで、このWindows3.1用の「wisp-tlm」を、Windows95版「WiSP32」上で
 動作させるテクニックをお教えしましょう。一般に、Windows95で動作する
 アプリケーションの多くは、その諸設定がシステムレジストリに保存され、
 Windows3.1の時のような「ini」ファイルは作成されません。つまり、Win_
 dows3.1用の「wisp-tlm」を Windows95上で動作させるためのポイントは、
 Windows3.1上で正規に作成され、動作していた「c:\windows」ディレクトリ
 内にある『wisp.ini』を、Windows95の「c:/windows」フォルダ内に、あら
 かじめコピーしておくのです。

 次に、例えば衛星KO-25のテレメトリデータを解析するために、Windows3.1
 版の「WiSP16」で使用した次の3つのファイルを、Windows95版「WiSP32」
 の「c:/wisp」フォルダ内にコピーしておきます。

      wisp-tlm.exe   kitsat2.cfg   kitsat2.pag

 そして、「WiSP32(GSC v2.01a)」において、事前に次の(1),(2)の設定をし
 ます。 続けて、(3)のように操作すると、下記で述べるような解析結果が
 時刻を追って連続的に画面表示されていきます。


  (1) GSC - Setup - Satellite Setup - KO-25 - Edit - 
       - General - TLM Config File - c:/wisp/kitsat2.cfg

  (2) GSC - Setup - Programs - Menu Title - Wisp-Tlm
                               Startup Directory - c:/wisp
                               Program Name - wisp-tlm.exe

  (3) GSC - Programs - Wisp-Tlm - Telemetry - Select Satellite - 
       - KO-25 - Telemetry - Playback File - KO-25 - 
       - 98032902.tlm - Window - Communications - Telemetry - Play
                                 Computer         Forward
                                 Power
                                 Temperature
                                 Navigation


 上記(3)を補足すると、「WiSP Telemetry Decoder」というタイトル画面の
 上段右上の「Forward」コマンドをクリックする毎に、保存されているテレ
 メトリデータが、3秒毎に変化しながら表示されていきます。さらに上段中
 の「Window」コマンドをクリックすると、「Communications, Computer, 
 Power, Temperature, Navigation」の5項目(ページ)のダイアログボックス
 が現れます。各項目で表示される種々のデータの内容は、次のとおりです。


      Communications : トランスポンダー(送信,受信中継器)の電力、
                       電圧、その他 周波数、モード、ゲイン等。
      Computer       : 衛星内部の各コンピュータ(DASH,EDAC,PROM)
                       の機能のON, OFF。 CPU のスピード等。
      Power          : 衛星側面、および上底面の各太陽電池パネルの
                       電流、各ラインの電圧等。
    Temperature    : 衛星の各パネルの温度。ナビゲーター、バッテ
                       リー等の衛星内部の温度。
      Navigation     : 衛星の内/外部の磁力データ、およびセンサー、
                       電圧等。


 この項目は、メモリの範囲で最大15ページまで同時に開くことができます。
 「Foward」コマンドの代わりに、「Telemetry」コマンドの中の「Play」を
 クリックすると、そのデータが連続的に変化し表示されていきます。

 次回、上記のようにして得られたテレメトリファイル「98032902.tlm」を、
 実際にWindows95上で「wisp-tlm」を用いてデータ解析してみます。


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