衛星の撮影したCCDファイルの表示法


● (FUROKU.33) 衛星の撮影したCCDファイルの表示法 (1997年 7月11日)
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 デジタル衛星UO-22,KO-23/25は、衛星に搭載されたCCDカメラに
 より定期的に地球上の各地を撮影しています。今回は、そのCCDファイルを
 通信ソフト「WiSP3208」を用いて衛星からダウンロードする方法、さらにその
 ダウンロードした画像ファイルを表示する方法について具体的に解説します。
 (以下、各衛星の自動追尾および「WiSP3208」の運用は、各局において正確に
  なされているものとして解説をします。)

 最近の衛星KO-25では、「KBIN**** 」,「KBIW****」(この****は通し番号)
 というファイル名のCCDファイルが頻繁にアップされています。(KO-23
 では「KAIN****」「KAIW****」、そしてUO-22では「IM****」というファ
 イル名です。) 今、「WiSP3208」において次の操作をして、最近の衛星KO-
 25の中のディレクトリを覗いて見ると、たとえば次のようなCCDファイル
 が格納されていることがわかります。

   GSC - ViewDir - SelectSatellite(KO-25) - Images and Picture files

      File  S  To  From  UploadTime    F Size  Title
      E108  N      EIS   0327 19Jun97  256907  KBIW00F0

 この「KBIW00F0」のファイルサイズは約257Kバイトですが、通常のCCDファ
 イルの大きさは約352Kバイトです。 今、ステータス欄の「S」には、Never を
 意味する「N」が表示されていますので、 Auto を意味する「A」か、Priority
 を意味する「P」に変更します。こうして、MSPE においてファイル取得動作に
 入ることができます。ファイルのサイズが大きく、衛星の一回の周回でダウン
 ロードができなかった場合には、以香ーの何回かの周回に分けて継続的にダウン
 ロードを試みます。

 このダウンロードしたファイル「KBIW00F0」は特殊な形式なので、通常の画像
 ビューアではこれを表示させることができません。ここで、CCDファイルの
 画像を表示させ、かつ撮影日時および地球上のどの地点を撮影したのかを世界
 地図上に表示のできる専用ユーティリティ「QUIKDSP.EXE」を次に紹介します。

 このプログラムは、VK5HI/Colin Hurst が1995年に作成したもので、基本的
 には Windows3.1上で動作するものなので、これをWindows95上で正確に動作さ
 せるには少しテクニックを必要とします。

 まず、次の4つのファイルを「C:\wisp」フォルダに格納しておきます。
                   (以下、\は半角逆スラッシュの意)

   QUIKDSP.EXE   ..... Windows上で動作するメインプログラム
   QUIKDSP.HLP   ..... QUIKDSPヘルプファイル
   QUIKDISP.EXE  ..... QUIKDSPと連動する画像表示プログラム
   QUIKDISP.DOC  ..... QUIKDISPドキュメント

 また、次の各ファイルも所定のフォルダにあることを確認しておきます。

   VBRUN300.DLL  ..... C:\wisp(QUIKDSPを動作させるVBライブラリ)
   WISP.KEP      ..... C:\wisp(ケプラリアンファイルも C:\wisp 上)
   WINTEL.INI    ..... C:\windows(QUIKDSPの最初の立ち上げ時に生成)
   WISP.INI      ..... C:\windows(注)
   CITY.DAT      ..... C:\wisp   (注)

 (注)「WiSP3208」は、Windows95上(32ビット)で動作しているプログラム
     で、諸設定はシステムレジストリに保存されています。従って、
    「WISP.INI」は必要ないのですが、上で述べたように「QUIKDSP.EXE」
     は、基本的に Windows3.1上の「WiSP1615」等のためのプログラム
     なので、この「WISP.INI」を C:\windows に置いておくことにより
     Windows95上においても「QUIKDSP Configuration」の画面の最下行
     に、自局のロケーションが正しく表示されるようになります。

     なお、「WISP.INI」および「CITY.DAT」は、次の例のような必要最
     小限の事項のみで充分です。これで、CCDファイルの撮影日時・
     場所等の各データが正確に表示されます。

    「WISP.INI」... [Station]
                  Callsign=JE9PEL
                  Longitude=139.600000(< プラスに修正   )
                  Latitude=35.400000  (  by QUIKDSP-Help)
                  Altitude=30.000000
                  TNC Type=1

    「CITY.DAT」... 35.4N  139.6E Yokohama(書式の詳細は不明)

 なお、細かい注意ですが、「autoexec.bat」に「set tz=jst-9」という記述が
 あることを確認しておきます。この一文がないとCCDファイルの撮影時間が
 正しく表示されません。また、Windows95のデスクトップ上の画面プロパティ
 におけるフォントサイズを「大きいフォント」にすると、「QUIKDSP」の世界
 地図の縮尺が狂い、CCDファイルの撮影場所(地球上の撮影箇所)が正しく
 表示されません。ここは「小さいフォント」に設定します。

 さて、ここまで準備をしておいてから「QUIKDSP.EXE」を立ち上げます。まず、
 「File - Configuration - Wintel.INI Configuration」として、次のような
 初期設定をします。

      QUIKDISP full path & filename  C:\WISP\QUIKDISP.EXE
      PAC-OUT  full path & filename  C:\WISP\PAC-OUT.EXE
      Default extension for PAC-OUT processed files  PAC
      User Program                   C:\WISP\
      Default satellite              KO-25
      City file path & filename      C:\WISP\City.dat  ON

 「QUIKDSP」の最初の立ち上がり画面の世界地図上には、Default satellite 
 とした衛星の、その現在時刻における位置がプロットされ、その緯度・経度が
 表示されます。画面右下の「UTC Time」ボタンを推すたびに、その時点の衛星
 の位置と緯度・経度に更新されます。

 では、先述のようにダウンロードしたCCDファイル「KBIW00F0」を表示させ
 てみましょう。「QUIKDSP」のメニューにおいて次のように操作をします。

      File - QUIKDISP - Filename for QUIKDISP - 
                                     C:\wisp\KO-25\images\KBIW00F0

 これで DOS上の画像表示プログラム「QUIKDISP.EXE」が立ち上がり、衛星自ら
 地球上を撮影した画像ファイル「KBIW00F0」が綺麗に表示されます。ここで、
 「Shift + F1キー」を押すと、Rotation(回転)・Display Control(拡大縮小)・
 Exposure Control(露光)を変更して画像を表示させることができます。さらに
 F12キーを押すと、拡張子を「BMP」に変換して保存することもできます。

 「BMP」ファイルに変換ができれば、後は画像ビューアソフト「LVIEW31.EXE」
 などを用いて、編集や「JPG」,「GIF」ファイルなどにも圧縮変換することが
 できます。「QUIKDISP」において画像が表示されている状態で「Alt + Xキー」
 を押すとメインプログラムの「QUIKDSP」に戻り、その瞬間に「KBIW00F0」に
 関する各種の情報が世界地図とともに表示されます。

   +-----------------------------------------------------------+
         DD  MM  YY  HH  MM  SS      1997 Jun 19 (Thu)
    UTC  19  06  97  03  12  11      PLOT

            Latitude    Longitude
             0S          109E        UTC Time

    File C:\wisp\KO-25\images\kbiw00f0
    Image time 33A8A38B  97/06/19 3:12:11  **km from Yokohama
   +-----------------------------------------------------------+

    (衛星までの直線距離が不正確ですが、これは「CITY.DAT」の
     書式が不十分なためと考えられます。他のデータは正確です。)

 これらのデータから、このCCDファイル「KBIW00F0」の撮影された日時は、
 1997年6月19日、3時12分11秒(UTC)、そして撮影した場所は南緯0度
 東経109度のインドネシア上空(スマトラ島とボルネオ島の中間地点),と
 わかります。

 今、Windows3.1用の専用ソフト「QUIKDSP.EXE」を紹介しました。このソフト
 の作者 VK5HI/Colin Hurst により、Windows95用のCCD画像ファイル表示
 専用ソフト「CCDDSP97.EXE」が、1997年4月に発表されています。このソフト
 「CCDDSP97.EXE」は、次のように操作が簡単です。ただし、「QUIKDSP.EXE」
 の時のような世界地図は表示されず、画像そのものの表示と撮影データが英文
 で表示されます。(かわいいカンガルーのアイコンです。)

  1.CCD Display97 Register Files の設定。 (Help - Settings)

  2.File - Open CCD - CCDファイル選択 - CCD Image Information
                                  (Help Where ?)
  3.File - Save Bmp

 この圧縮ファイル「CCDDSP97.ZIP」は、次のサイトに収められています。

      http://www.amsat.org/amsat/ftp/software/win95/display/


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