PB/PG & WiSP メール


● (FUROKU.10) PB/PG & WiSP メール(1994年 11月18日)
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 (某局へのメール送信)

 さて、先日お送りした私のフロッピーディスク『衛星通信入門』が無事到着
 したということで 安心いたしました。その件に関する○○さんからの FWD-
 P.Mail がどうやら行方不明になってしまったようで、それに対する返信を
 お送りすることが出来ず失礼いたしました。

 さて、今流行の『WiSP』ですが、これは素晴らしいソフトだと思います。
 今までの『PB/PG』も、画期的な通信プロトコルに対応した素晴らしい
 ソフトでしたが、実際のファイル等のやり取りをするときには、これに付随
 するいくつかのソフトを必要としていました。(上記『〜入門』参照.)
 (注:このホームページ『衛星通信入門』と同じ内容です。)

 この Windows上 で機能する『WiSP』は TrakBox とも連携し、アンテナ
 自動追尾や周波数自動追尾、さらには 「MSPE」(Microsat Protocol_
 Engine)の自動立上げ & 終了までの全てをスケジューリングし、電源ON を
 しておくだけで半永久的に完全自動(無人)運用ができる仕様になっています。

 このように大変使い勝手の良いソフトではありますが、一般の衛星入門者に
 とっては、衛星とどのようにアクセスするのか、また、その通信プロトコル
 の概念、その具体的操作法の基礎を知るという意味で、『PB/PG』から
 入るのも良いのではないか、と考えています。

 私は、現在この『WiSP』の中の膨大な量のヘルプファイルの翻訳にいそ
 しんでおりまして、著者の ZL2TPO (C.Jackson)氏 の転載許可を得しだい、
 JAMSAT-JDB等で公開する予定でいます。(あと数週間は掛かると思います。)
 (先日お送りしたフロッピーディスクの中のサブディレクトリの「FUROKU」
  にも、WISP.1  WISP.2 というファイル名でその触りを紹介してあります。)
 (注:翻訳は既に完成しています。furoku.11 の脚注をご参照下さい。)

 さて、ご質問の「ドップラー効果による周波数偏移の補償」の件について、
 ですが、巷の QT, IT, WT などの衛星軌道・姿勢計算プログラムなどでは、
 自動的に計算させる手法がすでにいくつか確立されていて、ハード的にも
 TrakBox などのように周波数制御できるものがいくつかあります。

 実際に手動で操作をする場合には、例えば 衛星「UO-22」では、アップ
 リンク周波数として 145.900MHz(FM 9600bps)、ダウンリンク周波数として
 435.120MHz(FM 9600bps) が公称の周波数となっていますが、上記『〜入門』
 の No.13〜No18 でも述べたように、そのドップラー偏移は大変大きいもの
 がありますので、それを考慮しなければなりません。

 特に、仰角の大きいパスの場合には、およそ +9KHz から -9KHz ぐらい、
 ダウンリンク周波数が偏移します。繊細に衛星とアクセスするためには同様
 にして、2mのアップリンク周波数偏移を、反対に -3KHz から +3KHz 程、
 考慮する必要があります。(これは衛星とのアクセスのコツと言えます。)

         [UO-22]        AOS    ==>    TCA    ==>    LOS
         uplink       145.897  ==>  145.900  ==>  145.903
         downlink     435.129  ==>  435.120  ==>  435.111

 手動では、これらの偏移を 100Hz 単位でステップさせながら衛星の動きに
 合わせて追っていきます。

 これらの内容を含む種々の衛星に関する原稿を、現在 JAMSAT-JDB にも登録
 しており、JAMSAT Newsletter にも継続連載していますので、詳細はそちら
 を参照していただければと思います。
 (現在、JAMSAT-JDB は JAMSAT-Mailing List へと発展解消しています。)


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