WISP-TLM によるテレメトリデータの再生法


● (EISEI.63) WISP-TLM によるテレメトリデータの再生法 (1995年 5月22日)
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 昨年の末(平成 6年 12月12日)に、拙著「衛星通信入門」(No.52) の中で、衛星
 からのテレメトリ受信に関して、「WISP-TLM.EXE」(ver0.54)を ウィンドウズ上で
 動作する通信ソフト「WiSP」の上でセットアップする方法とその運用について解説
 をしました。その時は、「MSPE.EXE」を起動した状態から、そのテレメトリをリア
 ルタイムで受信しながら表示させるという方法でした。

 先日(5/9 '95),「WISP.HLP」 (202654 bytes 14-Apr '95) [by ZL2TPO C.Jackson]
 の「WISP-TLM」の部分に関する抄訳を JAMSAT-ML に投稿しましたが、後日 これを
 参考に、衛星からのテレメトリを「*.TLM」ファイルとして保存し、衛星通過後に
 そのデータを再生し表示させることが可能であることが確認できましたので、その
 手順をここに紹介すると共に、そこで実際に得られたデータを、グラフ化して分析
 してみます。


  1.まず、「GSC.EXE」(ver0.91a) のメイン画面の上段左にある「Setup」の
    中の「MSPE Setup」と「Programs」において、必要事項を設定します。

       GSC - Setup - MSPE Setup - General - Log Telemetry frames

       GSC - Setup - Programs - Setup Programs  [拙著(No.52)参照]


  2.その他、拙著(No.49〜52) で述べたとおりの諸設定を済ませ、目的の衛星
    の飛来に対して 「MSPE.EXE ver0.99f」を自動起動させます。もし、この
    状態で、衛星からのテレメトリをリアルタイムで受信しながら表示させた
    ければ、ウィンドウズ上で画面を「GSC」に切り替えて、メイン画面の上
    段右にある「Programs」をクリックすると、ダイアログボックスの最下欄
    に 1.で設定したのと同じプログラム名が表示されるので それをクリック
    することにより「WISP-TLM.EXE ver0.54」が起動します。

       GSC - Programs - (例)WISPTLM

    なお、拙著(52)の[9]で述べたように、「GSC」上のイベント登録によって
    「WiSP-TLM」を衛星の AOS と共に自動的に起動させることができますが、
    この方法によると、その後の動作が正常には確認できませんでしたので、
    上記のように起動をします。


  3.さて、今回の目的は、衛星の通過後にテレメトリデータの再生をする事に
    あるので、実際には 2.の操作は必要ありません。 1.の設定によって、
    衛星の通過中に、「MSPE」上でテレメトリの受信が正常にできていれば、
    WISP ディレクトリの中のその衛星名のサブディレクトリの中に「*.TLM」
    というファイル名で、テレメトリファイルが自動的に作成されます。


  4.ここで、1.の「GSC」上の二つの設定が成されていなくても、「MSPE」の
    メイン画面の上段左の「Files」の中の「Log Telemetry」をチェックする
    ことにより、「*.TLM」ファイルを作成することができます。たとえば、
    平成 7年 5月8日 JST10:55 に作成されたものであれば、そのファイル名
    は、「95050801.TLM」となります。このファイル名のピリオドの左の数値
    の「1」は、UTC 1時〜2時の間に作成されたことを表しています。


  5.衛星の通過後、一度、「MSPE」を(自動的に)閉じた後、「GSC」の上段
    右の「Programs」の中で、クリックして「WISP-TLM」を起動します。

       GSC - Programs - (例)WISPTLM

    ここで「MSPE」を開いたままにしておくと、「WISP-TLM」において、次に
    解説する「Prayback File」コマンドが機能しませんが、この時点で 改め
    て、「Select Satellite」で衛星を選択し直すことによって、以下で解説
    するのと同じ手順で進むことができます。


    6.「MSPE」を閉じた状態で「WISP-TLM」を起動した時は、「MSPE」を開いた
    ままで起動した時と違って、「WISP-TLM」のメイン画面上段のタイトルが
    「WiSP Telemetry Decoder」とシンプルに表示されているはずです。なお
    この「WISP-TLM」をウィンドウズ上でアイコン登録しておき、それをクリ
    ックすることにより起動することも可能です。さて、「WISP-TLM」の上段
    の「Telemetry」コマンドを用いて、次の手順を追って「*.TLM」を最終的
    に選択し、そのデータを再生し表示させることができます。


       Telemetry - Select Satellite - Telemetry - Playback File

                     - Directories - Files - Forward



  7.ここまでの手順で、今選択したテレメトリファイル名が、「WISP-TLM」の
    最下段の右下に、次のように表示されているはずです。

       Playback: 95050801.TLM

    この状態で、上段右上の「Forward」コマンドをクリックするごとに 保存
    されているテレメトリデータが、数秒ごとに変化しながら表示されていき
    ます。さらに、上段の「Window」をクリックすると、「Communications, 
    Computer, Power, Temperature, Navigation」の5項目(ページ)のダイア
    ログボックスが現れます。これは、最大15ページまで同時に開くことがで
    きます。6.の「Playback File」の代わりに、「Play」をクリックすると、
    そのデータが連続的に変化し表示されていきます。次回、これをグラフ化
    して紹介します。


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