● (EISEI.5) 衛星通信のために必要な機器 #2 (1993年 7月30日) ----------------------------------------------------------- 【タワー】 HF帯のアンテナは巨大(?)ですので、地上から建てる自立型のタワーや、 クランクアップタワーが必要ですが、衛星通信の場合は、せいぜい4〜5mの 長さのアンテナですので、いわゆるルーフタワーで充分です。たとえば、私の 使用しているオスカーハンターというアンテナは全長が4mほどあり、これが 次に説明する仰角ローテーターによって、水平0度から最大180度まで垂直 方向に回転しますから、アンテナの後ろ半分(2mほど)が、タワーを固定する ステー線に掛かってはいけないわけです。従って、アンテナのマストへの設置 箇所はステー線の上部の所から最低でも2mは必要になりますので、それを考 慮すると3m以上の高さのルーフタワーが必要になります。このマストも長さ 4m、太さ50mmともなると、まるで水道管です。 私は北辰産業(Mardol)のHS-3000Rを使用していますが、ステー線は安全の ために、タワーの中段からと最上段からの8本を取っています。首の長い自立 型タワーなどの場合にはステー線にこだわる必要はないのですが、基礎工事を しっかりする必要があります。 タワーとアンテナとローテーターとでかなりの重量になり、普通の三角屋根 の上にルーフタワーを上げるのは勇気と覚悟(?)がいりますので、庭のある 家では庭に高めのタワーを建てる方が無難かもしれません。アパマンハムには 辛いところですが、工夫している局も多くいます。 【ローテーター】 ビームアンテナを正確に衛星に向けるために、方位角ローテーターと仰角ロ ーテーターの二つが必要になります。方位角・仰角一体型のデュアルローテー ターもありますが、私はケンプロ工業(株)のKR-400方位角ローテーターを、マ ストの最下部(タワーの中段部分)に設置し、KR-500A仰角ローテーターをタワー 最上部から2m上(マスト最下部から3m上)の箇所に設置しています。この ローテーターをシャックにあるコントローラと6芯ケーブルで接続するのです が、芯線の各色を何番に接続したか控えておくとまちがいがありません。 この方位角・仰角ローテーターを、文字どおりコントローラを用いてコントロ ールするわけですが、衛星 FO-20 のように 地球を2時間弱で一周し、一回の オービットの眺められる時間が最大でも25分程度で、1分ごとにアンテナの 方位を変えるのに手動で追尾していたら忙しくて大変ですので、コンピュータ による自動追尾をすると良いでしょう。このために必要な機器は次に紹介する ものです。 【自動制御機器】 私の使用している機器はケンプロ工業(株)のCS-232というデュアルローテー ターコンピュータユニットです。これは同社の方位角・仰角一体型のローテー タを自動制御する機器なのですが、上記のような分離型ローテーターにもアダ プターGX-500を2台接続することによりコンピュータ自動制御することが可能 になります。このCS-232は小さな(20cm四方)コンピュータですのでそれなり の価格がします。ローテーターをコンピュータ制御するために、この機器を接 続する時にコントローラの内部の配線を一部変え、ハンダ付けする必要がある のですが、マニュアルどおりにすれば難なくできます。エモテーター(株)の方 位角・仰角ローテーターの場合にも、専用の自動追尾機器が市販されています。 なお、この自動制御機器は必ずしも設置する必要はありませんが、その時は 後で説明するような衛星自動追尾ソフトを使用して、事前に衛星の動きを確認 した上で、その衛星の動きに合わせながら、特に方位角は、できるだけ正確に アンテナを手動で衛星の方向に向ける必要があります。 【アンプ】 遥か、遠い宇宙からの微弱な電波をキャッチするために、受信用プリアンプ を設置します。私が FO-20 からのデジタル信号を なかなか受信できなかった 一つの要因として、このプリアンプを設置していなかったことがあげられます。 430帯のプリアンプ GPA-720J(ANTEN) をアンテナ直下に設置してから、大変 良好に受信できるようになりました。この種のアンプを自作している局も多く います。リニアアンプを設置すると良好に自分の返り信号を受信できることが ありますが、送信電力の増強には留意して適切な電力とするよう心掛けるべき です。
次のページへ移る.
ホームページ(目次)へ戻る.