「在原業平」創作ノート1

2009年10月

9月に戻る 11月に進む 12月に進む 2010年1月に進む
10/01
さて、10月になった。ノートのタイトルも新しいものにしたが、まだ「阿修羅の西行」の草稿の修正を続けている。本日はM大学の出講日なので、午後の仕事ができない。午後と深夜がわたしの仕事タイムなので、半分がつぶれてしまう。本日で草稿チェックが終わるはずだったが、明日にずれこむだろう。まあ、どうせチェックした赤字をパソコンに入力しないといけないので、週末の作業になる。月曜には完成原稿を送付できるだろう。で、その次の仕事は新書の「大乗仏典はすごい」だ。このタイトルでいいのか。とりあえずこんな感じのものを書きたいということで、もう50枚ぶんくらいの原稿はできている。「西行」が終わればすぐにとりかかれるのだが、「青い目の王子」の校正者のチェックがいつ届くかによってもスケジュールが多少は変わることになるが、新書は一ヵ月で書きたいと思っているので、集中すれば今月中に完成するだろう。で、来月から「なりひらの恋」を始める。そのために少しずつ準備をしておきたい。
美女の代表が小野小町なら、美男の代表は在原業平だ。名前が知られているのに、業平を主人公にした小説が書かれていない。で、書いてみようというわけだ。実は「天神菅原道真」(学研M文庫)の中に在原業平は脇役で登場している。だからイメージはできている。今度は菅原道真が脇役で出てくるだろう。今回の作品のポイントは文体だ。文体だけだといってもいい。文体ができれば作品も自動的にできる。それくら文体に比重を置いた作品になる。業平のモノローグ。倦怠感を出したい。業平はシラケているのだ。そのアンニュイな感じを文体に出せれば、それをフィルターにして、菅原道真が闘った摂関政治を別の角度から眺める。それが作品の狙いである。実はすでに実験的にその文体を試している。まだ確立されてはいないが、うまくいきそうな気配がある。ということで、文体は大丈夫だと思っている。すると、ほとんどできたも同然なのだが、その文体で書く内容が必要である。歴史的事実を年表みたいなものにして、業平と関わる出来事を並べておく。その作業が必要なので、「大乗仏典はすごい」と並行して進めたい。
本日は雨のあいまの晴天で涼しい風が心地よかった。いつもは帰りは吉祥寺までバスに乗るのだが、今日は往復歩いた。武蔵境まで、「独歩通」という真っ直ぐな道を歩く。爽快である。この大学にも慣れてきた。学生の質もなかなかいいと思っている。

10/02
自宅にて取材一件。あとはひたすら仕事。「阿修羅の西行」の草稿チェック完了。かなりの直しがあるので入力が大変だが、これでほぼ完成したと見ていい。ちょうどPHPの担当者からメールが届いた。そろそろ「なりひらの恋」のスタートの時期。だが、新書「大乗仏典はすごい!」がまだ終わっていない。3分の1くらいはできているので今月中には完了する。並行して資料にあたらないといけない。実際に書くのは11月の初めくらいだろうが、文体の試作はできているので、すぐに動き出す。歴史を調べて年表のようなものを作ればすぐにもスタートできる。この作品は文体が勝負。その文体がすでにできているので、半分くらいできたようなものだ。

10/03
土曜日。まず「あとがき」を書く。草稿チェックが終わったのであとは入力だけ。この「終わった」という気分の高揚の中で「あとがき」を書いておかないとテンションが下がってしまう。次に「主な登場人物」の整理。ものすごい数の登場人物。よくもこれだけの人物をコントロールして話を展開したものだ。読者がついてくるか。まあ、年輩の人なら源平の登場人物の名前は知っているだろうが、若い人はどうか。さて、本分の入力に取りかかりたいところだが、雑用一件。中学生の作文のコンクールの選考委員長をやっている。事前に点数をつけて事務局にファックスで送ることになっている。そのリミット。夕方から始めて夜中までかかった。それから入力作業。一章と二章が終わる。本日はここまで。明日はフルに作業に取り組めるので、明け方には完成するだろう。

10/04
日曜日。入力作業完了。これで「阿修羅の西行」の作業はとりあえず終わった。あとは校正の作業があるが、とにかくしばらくは手が離れる。いつも思うことだが、原稿をメールで送るようになってから、編集者にずっしりと重い原稿用紙を渡したり、郵便で送ったりするけじめというものがなくなって、軽い虚脱感にとりつかれる。とにかく終わった。

10/05 朝起きてメールチェック。明け方送った原稿を貼り付けたメールが届いたという編集者の返信を確認。これでとりあえずすべての作業が終わった。医者に行って薬2点貰う。月に一度の行事。それからW大学へ。後期2回目。教員室で作家の盛田さんに会う。5分ほど雑談。この大学では著作権の講義をしている。90分しゃべり続けると学生は疲れ気味。法学部の授業ではないので習ったことを憶える必要はないのだが。3ヵ月かかりきりになっていた仕事が終わると、やや虚脱状態。引き続き「大乗仏典」の新書。西行も仏教がらみなので頭を切り替える必要はない。次の「なりひら」も、日本の話だけから問題ない。その次の「白痴」はキリスト教なのでそこで頭の中を整理する必要がある。「大乗仏典」は全体の30パーセントくらいはすでに書いてある。会議中にポメラを叩いて書きためたものがある。まず読み返してみて、使えるかどうかを判定。使えそうであればそのまま先に進む。すぐには使えないということなら修正しながら最初からチェックということになる。これから読む。

10/06
フットボール・シーズンが始まった。こういうものは応援するチームを決めておかないと面白くないので、とりあえずマニング兄弟のジャイアンツとコルツ、それからポラマルが負傷中だがビッグ・ベンががんばっているスティーラーズ、昔好きだったベンガルズ、ハリケーン被害以来の判官贔屓でセインツ、それからファーブが奇跡のごとく活躍しているバイキング、ワイルド・キャットを極度に多用するようになったイーグルスなどに注目している。今年のスーパー・ボールで思わず一瞬だけ応援してしまったカージナルスは今年はダメみたいだ。この中からしだいに本命のチームをセレクトしていくことになる。当然、プレーオフに残りそうもないチームは忘れていくことになる。とりあえずマニング兄弟は今年も好調、スティーラーズはポラマルがいないので接戦で競り負ける。セインツが驚異的に強い。それとバイキングズ。ファーブは好きではなかったのだが、老人が頑張るのはうるわしい。さて、自分の仕事。今週は公用がたくさんある。今日だけあいているのでトコヤへ行く。トコヤさん、何となく体調がよくないみたいだった。わたしは人見知りするのでこのトコヤがなくなったら困る。

10/07
午前中の会議。久々の茅場町図書館協会。今日は小人数の会議。中身の濃い議論ができたと思う。午後も会議。恒例の伝統工芸の作文の選考。委員長なので進行をしないといけない。とくにもめることもなくスムーズに進んだ。よかった。明日はM大学の出講日だが台風が来るらしい。明日の朝、ホームページで確認せよとの電話連絡。まともに来たら休みになりそうだ。10年に一度の巨大台風らしい。

10/08
台風。M大学の出講日だが休校。しかし空はスカッと晴れている。風も収まっている。何か気が抜ける。散歩に出る。富士山が見えた。とりあえず仕事。「大乗仏典」順調に進んでいる。並行して「なりひら」の準備。「伊勢物語」を読み返さないといけない。ネットで重要なところはチェックしてきたが、文庫本も用意して、ひまな時に読み進めたい。

10/09
国会図書館とメンデルスゾーン協会。長い一日。さて、今週も終わった。

10/10
土曜日だ。今週はけっこう多忙だったので、週末になるとほっとする。世の中は三連休だが、なぜかW大学は月曜の祝日は休まないということなので、ふつうの週末。天気良し、風は涼しい。絶好の日和だが散歩に出ただけであとはひたすら仕事。「大乗仏典」順調に進んでいる。この本は、「維摩経」「法華経」「浄土三部経」「般若心経」などについて、その面白さを、面白く語る、というのがコンセプトだが、初期仏教についてもある程度のことを語っておかないと、大乗という一種の宗教改革の面白さが伝わらない。その部分を面白く語るのはやや難しいが、とにかくここを乗り切らないと先に進めない。ごりごりと前進していく。今日は夜になると冷え込んだ。自分の仕事部屋の定位置の籐椅子が涼しくなってきたので電気毛布を敷く。毎年、冬場はこれでしのいでいる。ああ、夏が終わったな、ということを実感する。

10/11
日曜。ひたすら仕事。調子が出てきた。

10/12
祝日だがW大学は休みではない。学生もちゃんと出席している。本日はトピックスが3つもあるので時間ぎりぎりまで講義。渋谷まで戻ると半蔵門線ストップ。田園都市線は押し返し運転とのことだが混んでそうなので地上に出てバスに乗る。仕事は順調。

10/13
今週は多忙だが本日は公用がない。久しぶりに三軒茶屋に散歩。酒屋に行くとアーリータイムスのお徳用瓶があった。重そうだったが持ってみると意外に軽い。ペットボトルなのか。仕事は順調。小説ではないのでとくに何も考えずに、ひたすらワープロに打ち込んでいる。手を休めた時に、「なりひら」のことを考える。「なりひら」の文書も作ってあって、すでにメモを打ち込んでいる。太宰治の生誕百年なので、「生まれてすみません」みたいなスタンスで在原業平を描きたい。そのための文体もすでに準備している。この狙いはたぶんうまくいくと思っている。狙いが外れると目も当てられないものになるおそれもあるが、まあ、何とかなるだろうと楽観している。六十歳を過ぎたことで、肝が据わるというか、怖れがなくなった。思いつきだけで前進しても必ずうまくいく。うまくいかなくても別に失うものはない。老い先短い老人なのだから、やりたいことをやればいいのだ。

10/14
M大学。本来の出講日は明日だが、本日は公開講座。大学では二年間をかけて講義する内容を1時間半で語る。これくらいがちょうどいい時間で、過不足のない充実した講演ができたように思う。午前中の講義なので1日が長い。フルに自分の仕事ができる。「大乗仏典はすごい」は半分を過ぎているような気もしている。まだ月の半ばだから順調。最後にオマケで般若心経の解説を入れるのだが、これは逐次解説になるので、オマケにしては分量が長くなるかもしれない。全体のページ数に限りのある新書なので、分量を量るためにこのオマケの部分を先に書いた。これは何も考えずに手だけ動かしているだけなので時間はかかるが楽な仕事だ。1日で作業は終わった。これで確実に全体の半分以上の作業ができていることになる。

10/15
M大学出講日。二年生と三年生の授業を担当しているのだが、三年生の授業の時に、向かいの教室で履歴書の書き方の指導があって、出席者は女の子一人だけ。三年生はこれから就職活動のシーズンである。その唯一の出席者に、履歴書の書き方の講習に行かなくていいのかと尋ねると、履歴書の書き方くらいわかるので先生の講義を聴きたかったという感動的な答え。けっきょく一対一で雑談。まあ、こういう授業も楽しい。明日は盛岡。ポメラはもっていくが、資料を運ぶのもめんどうなので、「なりひら」のために準備のために、「伊勢物語」の文庫本一冊だけもっていく。新幹線の中で読みたい。明日は宴会があるみたいだが、夜中は仕事ができるはず。

10/16
新幹線で盛岡へ。盛岡は意外と近い。温度差も感じられない。駅ビルに接したホテルに入る。宴会場で全視情協のパーティー。挨拶をしてあとは飲むだけ。あとで打ち合わせがあるというので、明日の講演の手順でも打ち合わせでもするのかと思っていたら、打ち合わせというのは街に飲みに出るということであった。夜中の一時まで飲んで後半は記憶がない。新幹線の中でポメラでかなり仕事ができた。

10/17
講演。聴覚障害者のための字幕が出る。それでゆっくりしゃべらないといけないのだが、これはかなりつらかった。口の回転と頭の回転は連動するので、頭が回転しなくなった。しかしまあ、話すべきテーマはたくさんあったので、一定のペースで話し終えた。弁当やお土産をもらって新幹線に。午後4時には自宅に到着。今日はたっぷり仕事ができる。

10/18
日曜日。ややのんびりと、それでも維摩経の説明を終える。後半の部分を先に書いてしまっているので、あとは法華経について述べるだけ。法華経は語るべきことが多いのだが、全体の枚数の調整をしながら、必要なことを語ればそれでいい。あとは雑文一件。

10/19
またウィークデーが始まった。この週末は土曜に盛岡で講演があったので、日曜しか休めなかった。今週もフルで用がある。しかし「大乗仏典」は先が見えてきた。今週末にはゴールが見えてくるはず。月末に草稿完成を目標としていたが、少し前に草稿はゴールインできるのではと考えている。W大学。著作権の講座。本日は音楽業界の話。音楽の著作権はややこしい。音楽出版社という不可解な存在がある。その点、ふつうの出版社はわかりやすい。月曜日はフットボールの結果がわかる日。何と、開幕から全勝のジャイアンツがセインツに負けた。セインツも全勝で、全勝同士の対決であったが、ジャイアンツとセインツは格が違う。NHKで夜中に放送があったので、なぜ負けたのかじっくりと見た。じっくり見るまでもなく、ジャイアンツはこてんぱんに負けていた。結論。今年のセインツは強い。わたしはニューオリンズがハリケーンに襲われた3年前から秘にセインツのファンであった。今年はセインツを応援することに決めた。あとはまあ、マニング兄のいるコルツかな。ポラマルが復活したスティーラーズもいるけど。

10/20
久しぶりの文化庁。だらけた会議。とにかく2回ほど発言した。それから文藝家協会で関係者と協議。いままで使っていた文春の会議室が使えなくなったので貸し会議室。今月末に書記局は引っ越しをして会議スペースのある事務所に引っ越す。必要な打ち合わせをして本日の公用も終わった。「大乗仏典」法華経のオープニングのところで停滞している。ここを書ききればほぼ完成になる。ここはじっくり考えたい。「なりひらの恋」ようやくストーリーの発端のシーンが思い浮かんだ。高子のファーストショット。これが物語が動き出す。だが、高子が登場するまでの間に、業平のキャラクターを見せておかないといけない。ここはエッセーみたいな展開になる。物語が動いていない段階で読者をどれだけ引っぱっていけるか。エッセーみたいな文体で業平の孤独感と絶望感をギャグで語れるかどうか。冒頭部分の文体でこの作品の成否が決まる。物語が動き出してからは史実に引っぱられるので、導入部が勝負だ。

10/21
朝9時からの会議。え、という感じ。文化庁の会議でも10時からだから、9時からの会議はわたしに寝るな、というに等しい。何しろ朝6時まで仕事をしているのだから。しかしこのところやや気分が緩んでいて、早めに飲み始めて4時くらいには寝るというパターンになっているので、昨夜も早めに飲み始めた。しかし火曜深夜はドクター・ハウスがあるので見ているうちに、いろいろなことを考えて、結局明け方まで起きていた。で、とにかく妻に送って貰って会議に出席。この会議は何のための会議なのかまだ公表できない水面下の会議であるが、もう発表してもいいのかな。とにかく、わたしの見解ではぜひともなさねばならぬ仕事であり、必要ならばわたしが先頭に立ってやってもいいと思っていたのだが、やってくれる人が現れたので、とてもありがたいということでわたしはやや引き気味になっている。それでも心配なので懸念はしていたが、本日の会議でほぼ順調に前進していることを確認した。ということで、自分の仕事に集中できる状況になっている。「大乗仏典はすごい」はわたしの頭の中ではすでに終わっている。法華経について書けば終わりであり、法華経についてはすでに考え尽くしているので、そのことを読者にわかりやすく展開できればいいのだが、これで書けると思った瞬間からモチベーションが下がっていくので要注意。とはいえ継ぎの仕事の「なりひらの恋」のことも考えないといけない。この作品、平安中期のプレイボーイ在原業平が、太宰治みたいに、生まれて来なければよかった、というような思いでいたところに、絶世の美少女と出会って気持がくせらつくという、ある意味では大恋愛小説を構想している。ヒロインは高子。伊勢物語では二条后と呼ばれている女性である。業平が高子を最初に見るファーストショット。これが物語の始まりになる。その時点をどこに設定するか。通説では高子が五節舞の舞姫になった時、ということになっているが、それでは業平は三十代半ばになっている。これをもって早めることはできないか。歴史小説ではなく、ファンタジー的な恋愛小説だと考えて、史実を無視してファーストショットを捏造してもいいのではないか。少女愛、といったものを想定している。とにかくここは作品の核心なので、これから半月くらいの間に、徐々にモチベーションを高めていきたい。

10/22
木曜日。いつもならM大学の出講日だが、本日は大学祭の準備のため休みとのこと。で、軽井沢に来ている。バスで見晴台に行き、ハイキングコースを下って旧軽銀座に戻るコース。ホテルで休んでからアウトレットへ。妻が買い物をしている間にポメラでエッセーを執筆。このプリンスのアウトレットに来るのは初めてだが、やたらと広く散漫な感じ。上着を一枚買う。それだけ。夜は蕎麦屋で軽く飲んで、テレビで野球を見る。いまはもうフットボールの季節なので野球に対する興味は失せているのだが、少年の頃よりジャイアンツファンであるので、まあ、ジャイアンツが勝つのは喜ばしい。

10/23
軽井沢から三宿に戻る。松井田までは旧国道を通ったので紅葉をたっぷり鑑賞できた。つかのまのバカンス。三宿に戻れば日常が待っている。昨日は歩き疲れて仕事ができなかった。本日も脹ら脛痛だが、仕事には支障がない。週末にエッセー1件を片づけないといけないが、あとは「大乗仏典」のエンディングに向けてラストスパート。この週末に勝負をかけたい。

10/24
土曜日。週末だが仕事に集中したい。三軒茶屋まで散歩。大道芸フェスタをやっていた。以前は材木屋があってそこで芝居をやったりしていたのだが、その材木屋は廃業してマンションになった。しかしその前にステージが作られ、バイオリンの演奏をやっていた。バイオリン、パーカッション、キーボードの、女の子ばかりのトリオ。すべてプラグでスピーカーにつながっている。かなかないい演奏だったが、小雨が降ってきてそこで中断となった。もっと聴いていたかった。長男が音楽学校だったので、音楽をやる人の苦労にいささか胸が痛む感じもするが、まあ、楽しそうな演奏だった。エッセーを片づけていよいよラストスパート開始。

10/25
日曜日。散歩。いつものように北沢川を環七まで進んで世田谷代田駅の方に向かわず若林まで行って烏山川緑道を三軒茶屋へ。アーリータイムスの巨大ボトル2本買って、大道芸やクラフトのフリマを見ながら帰る。今日は寒いぞ。

10/26
ウィークデーが始まった。台風が近づいているらしく豪雨。本日はW大学。著作権の話は語るべきことが多くいつも時間不足になる。先週は軽井沢でのんびりしたので、三宿に帰ってからもエンジンのかかりが遅かった。昨夜、ようなくピッチが戻った。あとはゴールに向かってひたすら疾走するばかりだ。

10/27
点字図書館理事会。台風一過の爽やかな風。温かくて少し涼しいという今日のような天気が最適だ。明日からまた寒くなるのだろう。「阿修羅の西行」のゲラが届いた。「大乗仏典はすごい」がまだ完成していないが、とりあえず冒頭のところを読んでみた。いい文章だ。還暦を過ぎたおかげでこういう文章が書ける。ありがたいことだ。このノートを「大乗仏典」の担当者も読んでいるだろうが、ゲラの締切は少し先なので、「大乗仏典」の完成を優先する。

10/28
吉祥寺で講演。武蔵野市の五大学の共催ということで、終わってから学長らとの懇親会があった。まあ、楽しかった。人と会うことは楽しくありがたいことで、こういう催しは歓迎であるが、いまは「西行」のゲラと「大乗仏典」が同時進行なので、この時間のロスは痛い。とにかくまずゲラ。これは1日のノルマを決めてあるので、果たさないといけない。「大乗」は出かける前に少し進めたので、こちらはノルマを果たした。ゴールは見えている。

10/29
M大学。ゲラ進む。

10/30
ペンクラブで言論表現委員会兼グーグル問題協議会。必要なことは話した。仕事がスクランブル状態になっている。「西行」のゲラ、「大乗仏典」の原稿、「青い目の王子」のあとがき、それに「なりひらの恋」の準備と四つの仕事が交錯している。それにグーグル問題、国会図書館問題が重なって頭の中が混乱している。こうなると一つ一つ解決するしかない。とりあえず本日はゲラに集中する。

10/31
土曜日。今週はハードだったが、来週もハード。この週末に仕事を片づけないといけない。まずは「阿修羅の西行」のゲラ。ほぼ完了。次に「青い目の王子」のあとがき。完了。これでようやく「大乗仏典」に集中できる。この月末に草稿完了の目標で、順調なペースで来ていたのだが、西行のゲラでちょっと遅れた。しかしこちらもゴール寸前なのでプリントしてチェックをして、数日で完成ということになるだろう。


次のノート(11月)に進む 9月へ戻る

ホームページに戻る