高エネルギー加速器研究機構

概説 筑波学園都市の最北端に位置する高エネルギー加速器研究機構は、大形加速器を用いる素粒子や原子核の研究、あるいは物質の構造や機能に関する研究、及びそれに関連する研究を行っている。敷地面積は約150ha、職員数約700人。その他に国内・国外から常時約200人の研究者が滞在して研究を行っており、KEKの愛称で広く世界中の科学者に知られている。[『一般公開パンフレット2004』より]
つい先日標準理論を覆す発見をしたBファクトリーのビーム輸送ライン
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  1. この土塁の中を陽子シンクロトロンのビームが走っている。これで発生させる粒子の行き先の一つ岐阜県神岡のスーパーカミオカンデは250km西方。
訪問記[2004/08/29]一般公開へ行ってきた。午後の2時間ほどで3ヶ所程度しか見学は出来なかったがなかなか内容濃い展示・解説で面白かった。大学生時代自分も近い分野にいたためその時の研究室の雰囲気を思い出し懐かしさを感じた。この研究施設は約30年ほど前に見に来たときにはまだ開設直後で陽子シンクロトロンしか設置されていなかったが、その後トリスタン計画により線形加速器+大型円形加速器が加わり世界最高レベルのビームを発生できるようになっていると言うし、またここで発生させたニュートリノを岐阜県神岡町にあるスーパーカミオカンデで観測する実験も行われ多くの成果を挙げたことは小柴博士のノーベル賞などを通じてけっこう有名になっている。その上タイムリーなことに、つい数日前にはBファクトリーでの実験結果から標準理論への反証が観測されたこともニュースになっていた。ここができた時、当時稼働して成果を挙げていた米国スタンフォード大学の線形加速器リニアック・フェルミ国立研究所の電子シンクロトロン・CERN(ヨーロッパ共同体)の衝突型陽子シンクロトロンと比べて8GeV(当時)程度の陽子シンクロトロンで何が出来るんだろうかと疑問だったが、その後トリスタン計画その他の拡張整備によって世界最高水準で活躍できている施設になっていたことが分かった。また、現在東海村の日本原子力研究所との共同計画として、松村海岸南端に大強度陽子加速器(J-PARC)計画が進んでいるそうで、ニュートリノ振動の検証が最初の大目標だそうだ。最近いろいろと話題が豊富だったこともあり、雨天にも係わらず遠方からも含め見学者は相当多かった。
所在地つくば市大穂1−1
参考書