回路はAyumiさんの回路を参考にして出力段だけ少し変更を加えました。今回選択したトランスはラップ
ジョイントコアだったので許容アンバランス電流が少なく、本来ならばDCバランスを付けたい処ですが、
煩雑になるのでカソード抵抗を入れて、現物合わせで出力管のペア組みが出来るようにしました。実際のと
ころ、ペア組みをしないで特性を測ると、差換えてペア組みした場合よりも低域の特性が大幅に悪くなって
いました。また出力管のSG電圧がプレート電圧より50Vも低いので、抵抗だけでなくツェナーも併用して
SG電圧を下げるようにしました。五極管のロードラインを引く場合には、負荷線が特性曲線のニーポイン
ト付近で交差するように諸定数を選ばないと、歪が多かったり、或いは効率が悪くなったりするからです。
そのような事から当機はSG電圧との差が大きく、抵抗だけで電圧降下させたのでは大振幅時の電圧変動が
多くなると考えたのですが、諸先輩方の作例を見るとさほどの影響は無かったようです。ただ最大出力付近
の特性は当機の方が僅かに良いので、この電圧変動対策が好結果を生んでいるのかも知れません。さらに高
NFアンプの常道として、初段グリッドにパラ止めの抵抗を入れています。ただ、これも結局は補正を掛け
ているので効果の程は不明ですが無いよりは良いでしょう。
|